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「男の子は遅いから大丈夫」に救われなかった私が、療育につながるまで。

    「男の子は遅いから大丈夫」
    その言葉に、何度も救われそうになって、でも一度も救われなかった。

    発語が遅い息子に、私はずっとどこか不安を抱えていた。

    同い年の子と比べてしまう自分がいて、
    心の中で「あなたの子は話せるからいいよね」と、ひねくれた気持ちが浮かぶこともあった。

    そんな自分が嫌で、子連れ同士で会うことすら避けるようになっていた。

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    それでも、2歳半ごろから話し始め、3歳になる頃には語彙が一気に増えた。

    でも同時に、「聞き取れない言葉」も増えていった。

    4歳になり、言葉でのコミュニケーションが増える中で、
    何度も聞き返される息子の姿を見るたびに、胸がキュッとなる。

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    「このままでいいのかな」

    息子は、集団行動もできるし、指示も理解できる。
    幼稚園の行事も問題なくこなしているし、先生からの指摘もない。

    だからこそ、悩んだ。

    「これって、私の考えすぎ?」

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    でも、正義感の強い性格の息子は、
    「自分は正しく言っているのに!」という思いが強い分、
    伝わらないもどかしさから癇癪を起こすことが増えていった。

    このままでは、おしゃべりが大好きな彼が、
    “話すこと”を諦めてしまうかもしれない。

    「やっぱり、何かできることがあるならやりたい」

    そう思って、11月に発達支援センターへ相談した。

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    紹介された病院に連絡を入れたけれど、発達外来は予約待ち。
    いつ受診できるか分からない状態だった。

    覚悟はしていたけれど、やっぱり落ち込んだ。

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    そこから、民間のデイサービスにも手当たり次第に連絡を取り、見学と体験へ。

    でも、言語聴覚士(ST)の先生がいる施設は、思っていたより少なかった。

    それでもようやく、4月から療育がスタートすることに。

    「やっとスタートラインに立てた」

    そう思えた。

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    ここまで来るのは、正直すごく長く感じた。

    平日の電話のすれ違い、いくつもの施設見学。
    育児と家事をこなしながら動き続ける日々。

    育休中じゃなかったら、このスピードではきっと動けなかったと思う。

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    体験時、言語聴覚士の先生に見てもらうと、
    息子は舌の動きや力が弱く、顎の力に頼って発音していることが多いと言われた。

    家でもできるトレーニングを教えてもらったけれど、
    正直、毎日はできない。

    やりたい気持ちはあるのに、現実は時間が足りない。

    その歯がゆさもあった。

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    そんな中で、思いがけない出来事があった。

    息子が弟に向かって、

    「みつめこぞう!いったんもめん!ぬりかべ!」

    なぜそのチョイスなのかはさておき、
    やたら大きな声で、ゆっくり、はっきり話している。

    …あれ?

    めちゃくちゃ発音、いいじゃん。

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    よく見ると、一生懸命に弟に“教えている”。

    「伝えよう」としているから、自然とゆっくり、はっきり話しているのだ。

    これ、完全にトレーニングじゃん。
    しかも無意識の。

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    そこから始まった、わが家の「妖怪あいうえお」。

    「い!いったんもめん!」
    「う!うみぼうず!」

    1音ずつ意識して、そのあと単語で言う。

    楽しいから、勝手に続く。

    気づけば、家族みんなで妖怪大会になっていた。

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    先生に言われたことで、もう一つ印象的だったことがある。

    「顎で発音するとこうなります」

    そう言って再現してくれた発音が、息子の発音そのものだった。

    自分でもやってみたけれど
    どうしてもできない。

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    そのとき初めて実感した。

    息子は「言えない」のではなく、
    「言いたいのに、その動きがうまくできない」だけなんだと。

    だからこそ、プロの力を借りて、早く始める意味がある。

    そう、腑に落ちた。

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    でも同時に思った。

    練習って、こういう形でもいいんだな、と。

    机に向かって「正解」を求めるものじゃなくて、
    笑いながら、ふざけながら、気づいたら繰り返しているもの。

    療育は特別な場所だけのものじゃなくて、
    日常の中にもちゃんと転がっている。

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    そう思えたことが、私にとって一番大きな変化だった。

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    それからしばらくして、最初に連絡していた病院から電話がきた。

    正直、少しほっとした。

    ちゃんと繋がっていたんだ、って。

    予約の日程が決まって、また一歩進める気がした。

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    そしてもうひとつ、ずっと気になっていたことがある。

    息子の、手先の不器用さ。

    「できない」わけじゃない。
    でも、どこか違和感がある。

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    塗り絵は枠の中におさめるのが難しく、
    鉛筆も気づけばグー持ちになってしまう。

    お箸もまだうまく使えず、
    自転車のペダルもなかなかこげない。

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    でもその一方で、

    ジャンプはできるし足も速い。
    ブランコも立ちこぎできるし、
    ブロックやプラレールも自分で考えて組み立てられる。

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    だからこそ、わからなくなる。

    できていることもある。
    でも、どこかに“引っかかり”がある気がする。

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    今回の病院では、言語だけでなく、
    必要であれば作業療法も受けられると聞いた。

    「手先のことも相談していいんだ」

    そう思えたことも、大きかった。

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    できる・できない、だけじゃなくて、
    その子なりの“やりにくさ”に気づいてあげること。

    それが大事なんだと、少しずつ思えるようになってきた。

    ⸻

    病院併設の療育施設と、民間のデイサービス。
    併用するか、どちらかにするかはまだ決めていない。

    今はまず、息子の様子を見ながら考えていこう。

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    とりあえず私は、妖怪の名前をもう少し覚えようと思う。
    次に振られたとき、詰まらないように。


    noteでは、3人育児の日常を中心に書いています。
    よかったらのぞいてみてください。

    ▼偏食の長男。
    給食作戦会議は、まだまだ続きそうです。

    ▼これ、日常です。



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    4歳・1歳・0歳の3人育児に奮闘中。 長男の療育、騒がしい日常、築6年の「増築ログ」を書いています。 ビールが好き。 でも今は、子どもに隠れてリンゴを盗み食いする毎日。 1日の終わりの一杯を糧に、笑いながら進んでいます。

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