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超リアル出産記録 ~普通分娩編~

    「壮絶・お産記録1」

    8月23日早朝、腹部の痛みで目が覚めた。

    昨夜はくたくただったにも関わらずなかなか寝付けず、夜中やっと眠りについたが、何だかおなかが痛いよーな・・・と思いながら眠っていたような気がする。

    夫が起きていたので私も時計を見た。
    「7時5分か・・・試しに時間でも計ってみようかな」
    陣痛は、何分おきかにやってきて、だんだん間隔が短くなっていくとのこと。痛みは、下痢のような、生理痛のような痛みだった。
    「痛い痛い痛い・・・あっ、痛くなくなった・・・。」
    痛くないときは全くの無痛。そしてまたしばらくすると同じような痛みがやってきた。
    「痛い痛い痛い・・・う~む、7時15分か・・・。」
    さっそく10分間隔?でもなかなか一定しないらしいし、2時間くらいは調べた方がいいんだったよね・・・。

    それから起きて、紙とペンと時計を用意して、痛くなるたびに時間をメモしていった。間隔は10分だったり、15分だったり、8分だったり、でもずっと「痛い→痛くない」は続いていたし、トイレに行くとおしるし(お産が近づくと起こる出血)もあったのでこのときに「たぶん陣痛」と思う。2時間後の午前9時頃、産院に電話を入れて状況を説明したところ、
    「きっちり10分間隔になったらもう一度電話して下さい」
    とのこと。そうか、そのうちきっちり10分間隔になるのか・・・時間計測を続けることにした。

    状況は変わらず。11時ごろ、たまたま実母から電話があった。
    「ミミちゃんが帰ってきたとよ」
    猫の話だ・・・私は今の状況を説明したかったのだが、(ついでにあとどのくらいこの状態が続くのか聞きたかった)一方的にいなくなっていた猫の話を続ける母・・・。
    「ふーん」「うん」「そーなん」「よかったね」
    全く聞いていないのにあいづちを打ち続ける私・・・。この話いつまで続くのかな・・・。話しながらも定期的に痛みはやってくる。痛い痛い痛い・・・。

    「まだ生まれそうにないの?」
    待ってましたよその質問。
    「いや実は今朝からおなか痛くて、今時間計ってるとこ。」
    「えっ!そうなの?」
    「うん、だから状況変わったら連絡するよ。」
    今の状況を説明して電話を切った。その直後、メールで連絡を入れておいた夫から電話がかかってきた。
    「どんな感じ?」
    「うーん、痛いときは痛いけど、痛くないときは全然痛くない。」
    「何かほしいものある?」
    営業中(夫は営業なので、車で近くまで来ることもある)にちょっと寄ってくれるそうなので、プリンとおにぎりとあんぱんを頼んで電話を切った。「体力をつけないと!」と何となく思っていた。

    12時半頃、夫帰宅。痛くないすきにさくっとプリンを食べる。いくらおにぎりを半分食べたところで痛みが・・・お~~~~1分1分1分(痛いのはだいたい1分間くらいなので、こうやって痛みを乗り切っていた)・・・痛みがひくのを待って、残り半分を食べる。
    あとどのくらいかかるんだろう・・・初産婦の分娩第1期は平均10時間~14時間らしいから、夕方頃痛みに耐えられなくなるのかな?
    夫にはとりあえず仕事に戻ってもらって、夕方頃動けるようにしといてもらえるよう頼む。

    この後、2個目のおにぎりを食べていたら、破水・・・?水風船が割れたような、ビシャッという感覚があった。
    トイレでにおってみると生臭い・・・やはり破水だ。
    やっと病院に行ける、とほっとしたのも束の間、この後痛みが激痛に変わる。

    うわ~~~~~!!痛いよ~~~~!!!!!

    自分で腰をさすって耐える。夫に電話して戻ってきてくれるよう頼む。ここからが長かった・・・痛みがハンパないのだ。
    「痛い痛い痛いーーーーー!!!!!」
    家で絶叫・・・。夫よ、早く帰ってきて!!!うわーーーー!!!!
    もう何か食べる余裕も時間を計る余裕もない。
    相変わらず痛みが遠のく時もあるのだが、またすぐ痛みがくるのがわかるので動けない。すきを見て産院に電話だけ入れた。
    「1時間後くらいに行きます」

    午後1時40分頃、夫帰宅。
    痛くないすきに階段を降り(我が家はエレベーターのない4階)、車に乗り込む。
    車の中でも痛みが来ると絶叫だ。
    「うわーーーーー!!!」
    「痛いよーーーーー!!!!」
    夫は仕事中なので、電話がかかってくる。その間だけは痛くてもタオルをかんで耐える私・・・(さすがにお客さんに叫び声を聞かせるわけには・・・とここでもまだこのくらいの理性はあった)。

    都市高ぶっ飛ばし、午後2時過ぎ頃産院到着。
    自分で歩けそうな気もしたが、夫が人を呼びに行ってくれたので車椅子で移動。

    看護師さん「間隔どのくらいですか?」
    夫「たぶん5分きってます」
    看護師さん「もうすぐかもしれませんね、LDRに運んで!」

    いきなり分娩台にあがることになり、内診すると
    「子宮口8センチ大」
    なんだって?!もうそんなに進んでいたのか・・・。
    「もう麻酔してる時間ありませんから、自然分娩でいきますよ、いいですか?」
    「ご主人様は立ち会われますか?」
    私にもはや判断能力はない。何でもいいからこの痛みを何とかしてくれ・・・。
    「えっ?麻酔間に合わないの~?!しまった、ガマンしすぎたのか?!」とは思っていた。8センチ・・・もう少しだ。皆出す時は痛くないって言ってたし・・・。
    (子宮口は最終的には10センチ開き、そうなると「はい、いきんで~!」となる。10センチ開くまではひたすらガマンするのだ。5センチ~10センチあたりの陣痛はそれはもう痛い!!私はその間麻酔を使う予定だったのに・・・)

    医師・看護師・助産師・夫のいる中全裸にされお産服のようなものを着せられるが、もはやそんなことはどうでもいいほどの痛みに襲われていた。


    「壮絶・お産記録2」

    ここからがもう最悪だ・・・。
    ちょっとありえないほどの痛み。
    相変わらず痛くない時間があるのだが、来る痛みがひどすぎて、この「休み」もコワイのだ。
    痛みは「中から腰がばらばらにはじけとびそうな感じ」、または「落雷に遭いっぱなし(これはちょっと前に読んだ横森理香さんの出産記録での表現だけど、まさに)」という感じだ。

    「痛い痛い痛いよ~~~~~~!!!!!」
    「ムリムリムリもームリだーーーーー!!!!!」
    「うわ~~~~~~~~!!!!!」
    「早く早く早く早く出してーーーーー!!!!!」
    「もういやだ~~~~~!!!!!」

    大騒ぎ&大暴れだった・・・自分の声の大きさに驚いてもいたが、理性なんてもうどこにもなかった。
    こうなることを予想していたから、立会い出産は最後まで悩んでいた・・・。夫に見られたくないとどこかで思っていたが、もうそんなこともどうでもいいと思えるくらい錯乱していた。

    「何でもいいから一刻も早くこの状況を終わらせたい」
    ただそれだけだった。

    けっこうすぐ子宮口全開になったが、そこからも痛いじゃないか!!「出す時は痛くない」なんて嘘つき~~~
    助産師さんが指で出口を広げているのがわかるが、それもけっこう痛いぞ!!つーか、もう引っ張り出してくれ~~~!!

    「(赤ちゃんの)頭見えてますよ!がんばって!」
    「声出さないで!目開けて!おへそ見て!硬い便を出す感じでお尻に力入れて!」
    この痛さの中、あの体勢(仰向けの蛙みたいな)でいるのがすでに拷問だ。分娩台から逃げ出したかったが、助産師さんらに押さえつけられ、逃げることもできない。
    「うわ~~~~~!!!!!」
    こんなに痛いのに、これ以上私に何ができるというのか?!

    「鼻から息吸って、ハイ止めて!いきんでー!!」
    ムムムム・・・・・ムリだってばーーーー!!!
    ヒエ~~~~~~・・・・・

    でも言われたとおりにすれば、痛くない(わけではないが、マシだった)ということに途中で気がつく。いきんでる間はあの激痛が少し和らぐ!(会陰部付近は痛いが)
    それに、この状況を終わらせるには「出す」しかない。
    まさに「硬い便を出す感じ」だ。もー何でもいいから早く出て!!
    「自然にいきみたくなる」とよく書いてあったし、聞いてたけど、そんな自発的な欲求は全くなかった。
    「出そう」感はあるけど、「いきみたい」とかそんな悠長なもんじゃ・・・とにかく早く早く早く!!!早く終わってくれ~~~~!!!

    10回~15回くらいいきんだのだろうか・・・「硬い便をひねり出す感じ」なのに、出てきたのは赤ちゃんだった。

    「出ましたよ!」
    お~~~~終わった・・・・・
    赤ちゃんの肩越しに、青空が見えた。
    (晴れてる・・・よかった・・・)
    「夏空」という意味の名前に決まっていたのだ。

    ここいらへんから記憶があやふやだ。血がたくさん出ている感じがしていて、意識が遠くなっていった。遠くで色々言ってるし、どうも呼ばれているが反応できない・・・。
    お産直後は「笑顔」になると思っていたのに、実際はへとへとで燃え尽きていた。


    「壮絶・お産記録3」

    「やっと痛みから解放される」と思っていたのに、まだしばらく痛いことは続いた。
    おなかが痛い!後陣痛だ。胎盤が出てる~・・・・ぬるぬるっと何か出てる感じがあった。
    ・・・・ぐえぇ!!おなかをぐいぐい押されている!!
    「痛い痛い痛い・・・痛いんですけど!!」
    遠のきかけていた意識がムリヤリ戻る。
    「血がたくさん出てるので、こうやって止めてるんですよ」
    え?そんなに押したらよけい出るんじゃ・・・ぐえぇぇぇ~・・・
    「切ったとこ縫いますねー。麻酔しますよー」
    おびえていた会陰切開だったが、切られるときは全く気が付かなかった・・・。
    麻酔注射が痛い!その後縫われているのもなんかチクチクする!
    「子宮の入り口も切れてるんで、そこも縫いますからねー」
    おなかは引き続きぐいぐい押されている。
    「痛い・・・」
    絶叫するほどではないが、痛いことがまだ続いている・・・。

    そこに赤ちゃんを連れてきて、乳を吸わせようとする看護師。
    勝手に乳を出され、勝手に乳首をぐいぐいもまれる。
    痛い!!・・・それにそんなに乳首をもまれると子宮が収縮しておなかがよけい痛い!!
    赤ちゃんを私の胸付近にのせ(これがカンガルーケアというもの)、ムリヤリ乳首を赤ちゃんの口にふくませようとする看護師。
    肝心の赤ちゃんは乳を吸う様子もない。
    「やる気ないなーコイツ・・・」
    と思うとちょっと笑えた。
    赤ちゃんは出てきたそばからもう眠そうだった。

    しかし、感動も何もない自分にちょっと驚いていた。

    赤ちゃん、温かいし、かわいい・・・とは思ったが、他の新生児を見た時と同じ感想しか持っていなかった。
    自分のおなかから出てくるところを見たのに、「自分の子」という実感がわかないのだ。
    ・・・まぁどうせおいおいメロメロになるんだろうから、今はまだこのままでいいか・・・。
    自分が消耗しすぎていて、まずは自分の体を何とかしないといけないんだろうな、と思う。

    夫はどうしたんだろう?とやっと気になる。

    隣のベッドに置かれた赤ちゃんを見ていた。
    「かわいいなぁ・・・」と言っているのを聞いてとてもほっとする。
    がんばってよかった、と思った。

    夫は分娩中ずっとうちわであおいでくれていて(たぶん)、終わった後私に
    「よくがんばったね、見直した」
    と言ってくれた。
    「自然分娩だったら病院ここじゃなくてもよかったんじゃ・・・」とも・・・。
    まぁでも、車で運ばれている間にもお産が進んだ気がするから、結果オーライってことで。

    一応ひととおりの処置が終わり、一息ついた。
    スッキリ!!
    久々に「自分の体」という気がして、とても気楽だった。
    (彼氏とワンルームに同棲していて、彼氏が出て行った後の気分に近いかもしれない・・・さみしいけどなんか広くていいな!みたいな・・・。)
    それにテンション高いし、おなかがすいた!!

    そして、昼間に買ってきてもらっていたあんぱんを、夫とはんぶんこして食べたのだった。

    まだ痛いことが続くことは、この時の私は知らない・・・。


    「お産後・痛いことは続くのだ・・・」

    激闘のお産翌日。
    終わってみれば「出生時刻15:21」、つまり、分娩台にあがってから1時間をきって出産したことになる。
    「初産にしては珍しいくらいのスピード安産」だったらしい・・・。それに、「子宮口8センチまで自宅でガマンした妊婦」ということで「痛みに強い妊婦」という扱いが私を待っていた。

    朝・・・私は痛みで目が覚める。
    「体中が痛い・・・」
    全身筋肉痛だ。そーか、そんなに力入ってたのか・・・。
    それに、なぜか手足のところどころが痛い・・・打ち身ができてる・・・ああ、暴れたから打ったんだ・・・。
    それから、予想通り会陰切開の傷が痛い・・・これは仕方ない。
    おなかも時々痛い・・・子宮が元に戻ろうと収縮しているのだ。
    それに出血が多かったせいか、タテになってるとくらくらする・・・。

    そして一番痛いのはお尻だった。

    お尻が痛くて座れない。寝返りも打てない。トイレがものすごくしんどい・・・。
    なんだこれ?この痛みは予想していなかったし、原因がわからない。
    看護師さんに聞いてみると、「ああ、〇ですよ、けっこう腫れてますから、痛いでしょうね~」
    なんだって?!
    そんなものまで一緒に生み出してしまったのか私は・・・。
    これはかなり有名な病気だし、聞いてみると意外にたくさんの人が主だったりするが、今までどんな痛みなのか想像もつかなかった。
    かなり痛い!!!
    だって、座れないのだ。
    それに、なんか嫌なんですけどその病気・・・(泣)

    あまりに痛いので、薬液をしみこませた湿布のようなものをあててもらった。「腫れがひいたら中に入れる」らしい・・・。それまで自分で軟膏をぬるように言われ、円座(ドーナツ型クッション)と共に処方された。
    ・・・なんでこんな目に・・・。

    私「あの、今後まだどっか痛くなる予定あるんでしょうか?」
    看護師「はい?ああ、そうですね~個人差ありますからね~。でも、子宮口8センチまでガマンできたんだから、大丈夫ですよ!」
    私「・・・。」
    ガマンしようと思ってしたわけじゃないんだ!!!

    痛くて動けず、その日はごろごろして過ごす。
    基本母子同室の産院だったが、私の状態が悪すぎるので赤ちゃんは預かってくれていた。この日赤ちゃんに会っていないが、なぜか特に会いたいとも思っていなかった。こんなぼろぼろの私より、看護師さんたちに預けておいた方が安心だ・・・。

    その夜、また新たな痛みが私をおそった。
    「おなかが痛い・・・」
    子宮が収縮している。
    夕食後に飲んだ「子宮収縮剤」だ!!
    母にたまたま話を聞いていたので、すぐぴんとくる。

    母「痛かったのよ~もうのたうちまわるくらい!怖くてもうその薬飲めなくなっちゃって、看護婦さんに『飲みました』って嘘ついたもんね」

    本当にのたうちまわるくらい痛い・・・うぉぉぉ~~~・・・
    例えて言えば、「休みなし陣痛・子宮口5センチあたり」の痛みだ。「休みなし」なのが陣痛より悪い。

    痛み止めを処方されていたので(お尻等用に)、飲む。
    30分・・・1時間・・・効かない・・・。
    ナースコールだ。
    「おなか痛いんですけど、痛み止めもらえます?」
    処方されていたものは1時間前に飲んだ旨伝え、強力なものをもらう。
    「この薬は強いので、1日1回しか飲めないんですよ」
    そーか、それは期待できそうだ。
    30分・・・1時間・・・効かないじゃないか!!!
    ナースコールだ・・・(このへんもう痛すぎてへろへろ)
    「あの・・・薬効かないんですけど・・・」
    「えっ?!すぐ行きます!」
    私があまりに苦しんでいるのを見て(なんと言っても「痛みに強い妊婦」だ)、看護士さんもあわてた模様。
    「診察しましょう。診察室まで歩けます?」
    ・・・歩くのか・・・たかだか10メートルだが、今の私には100メートルだ・・・。
    「うっ・・・ヒュー、・・・ぐぇっ・・・ヒュー・・・」
    ダースベーダーのような声を出しながら診察室まで歩き、内診することに。内診・・・この今の私に内診台にあがれってか・・・。いよいよ涙が出てきた。死にそうになりながら何とかあがる。
    内診・・・お尻と会陰切開の傷が痛いのに内診!!!
    「☆☆☆○☆×☆☆・・・!!!」
    もう表記できない声が出る。
    「うーん、異常ないですねぇ・・・」
    なんだとコラ!!!もう涙が止まらない・・・うっうっうっ痛いよ~~~~~
    なんで出産後までこんなに痛い目に・・・。

    「注射してみましょうか」
    結局部屋に戻り、なんだかよくわからないが痛み止めと安定剤を注射される。この注射も痛い・・・。
    しかし、これは効いたらしく、そのままストンと眠りにおちた。

    うずくまったまま眠ってしまったので、翌朝またしてもフシブシがうっ血して痛いのであった・・・。



    ★読んでくださり、ありがとうございました!
    満足度高い、2人目の出産記録(無痛分部)はこちら






    #創作大賞2026 #エッセイ部門

     
     
    二人の子持ちの働く母です。

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