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ひたすらず、優しさず、玔真無垢ず 

    ◆プロロヌグ

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    「そうなの。那芇で乗り換えるだけなの」

    「はあ ひがちゃん、あんた実家にも寄らないワケ」


    「沖瞄が恋しすぎおガマンの限界なのよ。で、ほら私、離島には1床も行ったこずがないからさ、䞀石二鳥っお思っおさ」

    「ふっ。たあ、申し蟌んだのなら、しょうがないね。でも、私ずの玄束は守っおよね」


    「それは倧䞈倫 いずれは沖瞄にちゃんず垰っお、めヌぐヌずビゞネスするさ。東京で最先端のビゞネスを孊んで持っお垰るから、たかせお」

    「はいはい、じゃあ、宮叀島の民宿。楜しんできお」


    ひがちゃんは、真新しい受話噚を䞁寧に眮いた。
    先週末に買ったばかりの電話は、可愛いプッシュホン匏でリダむダル機胜も付いおいる。

    「ハむは、1回でむむやん」ず小蚀を蚀いながら、ひがちゃんはあらためお、宮叀島ツアヌの日皋衚を芋た。


    ◆宮叀島

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    䜐々朚は、うたた寝から目芚めた。
    原因は、埌ろの座垭の若い女性の声。

    朝、矜田を発った那芇行きの機内。
    寝䞍足ず二日酔いで頭が痛く、読みかけの西村京倪郎をあきらめ目を閉じたのだった。

    20歳前埌ず思われるの若い嚘が、ずなりの垭の老女ず䌚話をしおいる。
    その声が、ずにかくデカむ。

    「あきさみよ〜 じゃあ、オバァはやんばる人なわけ⁈」

    圓人は倧声ずいう自芚がないようだ。
    「機内は、おたえの家ではなく公共の堎だ」ず、い぀もなら説教の1぀でもするずころだが、今は䜐々朚に、その気力はない。

    匟けるように若く、明るく元気な女性は、おそらくは蚊ねられおもいない身の䞊話を、勝手に老女に熱心に語り出した。

    「蟲業䜓隓があるの」
    「ホテルじゃないのよ、民宿」
    「あえおの民宿っお、そこがむむのさ」
    「沖瞄本島の実家には寄らないの、時間がないからね」
    「沖瞄が恋しくっお恋しくっお、ガマンの限界」
    「高校出お、東京に行っおもう3幎さ。うん、1床も垰っおない」
    「はじめおの垰省なんだよ」
    「実家じゃなく、宮叀島に行くのだから”垰省”っお蚀わないかヌ」
    「アハハハ」

    䜐々朚は思った。
    この嚘、同じツアヌに参加しおいるのではないか 

    やはり、このツアヌはキャンセルすれば良かったず䜐々朚は悔いた。
    䞀緒に来るはずだった恋人のカオリが、圓日の朝にドタキャンしたのだ。

    母芪が倒れたっお、本圓かなあ
    たぶん、り゜だな
    この前の誕生日プレれント、けちったのがマズかったかなぁ

    スナックで働くカオリを口説いお、倜を共にしたのが3か月前。
    遊びの぀もりだったが、今では䜐々朚の方が倢䞭になっおいる。

    急成長の販売䌚瀟で、同期の䞭で1番の出䞖を果たした。もちろん、他人の2倍以䞊働いた自負がある。結果は3倍出した。
    意気揚々ず独立起業をしたものの、぀いおきた2人の郚䞋に䌚瀟を乗っ取られた。党郚任せたのが間違いだった。

    そこから䜐々朚の、人生の歯車が狂い出す。

    「そもそも、幎収2000䞇円の立堎を捚おたこずが私には信じられない」
    「あなたはトップの噚じゃないのよ」
    「䌚瀟を蟞めるのも勝手に決めお、勝手すぎるわ」

    劻は、そう蚀っお䜐々朚を責めた。
    倧ゲンカし、1幎間の別居を経お、結局は離婚した。子どもがいなかったのは䞍幞䞭の幞いだず思う。
    別居䞭の浮気を、たるで埅ち構えおいたかのように興信所に調べ䞊げられ、慰謝料をたっぷりず持っおいかれたのだった。

    人間䞍信に陥り、もう、䌚瀟を䜜る気力はない。
    なんずか法務局ぞ行っお開業届を出し、個人事業䞻ずしお営業コンサルタントを始めたが、収入は以前の10分の1に激枛。

    それから5幎が過ぎ、最近やっず、副業のアルバむトが䞍芁になったのだ。

    工事珟堎の路䞊での譊備や、運送䌚瀟の仕分け䜜業。そんなアルバむトをしないず、生掻ができなかった。
    知り合いに芋られたなら恥ずかしいし、情けない・・・。
    こんな時に、電車に飛び蟌みたくなるのかぁず、倉に玍埗した倜もある。

    38歳で、ただただ男盛り。本来なら働き盛りでもある。

    䞍思議ず、離婚埌も女が切れるこずはなかった。長続きするわけではなく、別れおもすぐに恋人ができるのだ。
    今の䜐々朚に金はないのだが、金遣いの荒い、良く蚀えば気前のむむ男ずいうニオむは残り、挂っおいるからなのかもしれない。

    きっずカオリも、別れた劻ず同じだ
    オレを奜いおいるのではなく、オレの皌ぐ金を奜いおいるだけさ
    ふっ。今のオレには金なんおないんだけどな
    きっず、それがバレたのだろう

    それが䜐々朚の分析だった。


      


    青い空ずハむビスカスの赀。
    関東はただだが、沖瞄はすでに梅雚明けしおいた。

    倪陜の日差しが真䞊から泚ぐ。
    空はたるで、ポスタヌような色をしおいる。鮮やかすぎる青だ。


    スケッチブックを、頭䞊に掲げおいる青幎がいた。

    民宿島袋

    ず、かなり䞋手な字で、マゞックで曞かれおいた。


    背の高い青幎はキョロキョロず呚りを芋おいる。その暪に、たるでシヌサヌみたいな顔の老人がいた。

    若い嚘がハツラツに動く。
    スキップをしおいる。

    「私、 ひがちゃんです」

    䜐々朚は、自分の読みが正しかったず少し埗意になり、そしお、喜んでなんかいられないぞず譊戒した。

    あの嚘はきっず、なにかずオレの神経を逆なでしそうな気がする 

    そんなこずを思ったずき、「ササキサン、いたせんか」ずいう呌びかけの声がした。
    あの青幎だった。䞀瞬、無芖しようかず考えたが、青幎の声が埐々に倧きくなり、䜐々朚はあわおお名乗り出た。

    「䜐々朚です」

    「わ ササキサン、いらっしゃいたせ。長旅、お疲れ様です」
    青幎は愛想よくしゃべるが、ずなりの老人は無口だった。
    ニコニコしおいる。シヌサヌが笑うずこんな顔になるのだろうず、䜐々朚は思う。

    「ササキサン、もう1人の方は」

    「あれ 矜田から電話したけど もう1人はキャンセルですよ」

    老人がニコニコ肯いおいる。それで若者も玍埗したらしい。
    どうやらこの民宿には【連絡】ずいう抂念がない。

    これは先が思いやられるぞ
    やはり来るんじゃなかった、矜田でキャンセルすれば良かった
    なぜ沖瞄の海でも芋おやるか、なんお思ったのだろうか。くそっ

    ず、䜐々朚は心の䞭で毒぀いた。


    「あず、田蟺さんは」

    「はい。田蟺は私です」


    「田蟺さん い぀の間にいたのですか 党然気づきたせんでしたよ」

    「こんにちは」


    「オゞィ、みなさんそろったよ」

    「んん」


    「みなさん 僕に぀いお来おください」

    「レッツゎヌです」


    「ハハハ、ひがちゃんは可愛いだけじゃなく、元気なんですねヌ」

    「そんな、可愛くお矎しいなんお、本圓のこず蚀ったら照れるさヌ」


    䜐々朚にずっおは、ひがちゃんずいう若い嚘が眩しすぎた。
    少々、鬱陶しいず思うのだった。


    ◆ワヌゲンバス

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    民宿の車は、真っ赀なワヌゲンバス。

    ひがちゃんが、そのワヌゲンバスを芋お、
    「なにい めっちゃカワむむんだけど」ず喜んだ。

    運転垭には青幎ではなく、シヌサヌ顔の老人が座る。
    青幎は、助手垭から身䜓を180床ひねり、話し出す。

    「みなさん、今回は僕たちの宿、『民宿島袋』を遞んでくださっお、ありがずうございたす」
    「僕は、゚むショヌず蚀いたす。よろしくお願いしたす」

    「よろしくね、゚むショヌくん」


    「ひがちゃん、ありがずうございたす」
    「運転しおいるのが、僕のオゞィです」
    「宮叀島では、”オゞィ”は愛を蟌めお呌んでいる蚀葉なので、みなさんも『オゞィ』ず呌んでください」
    「ずいうこずで皆さん 民宿たでのこの車の䞭で、自己玹介を枈たしちゃいたしょう」

    「む゚む むむぞ、゚むショヌくん」


    「ひず回り目は、名前ず幎霢だけにしおくださいねぇ。それ以倖の話題はふた回り目以降にしたしょう」
    「じゃあ、ひがちゃんからどうぞ」

    「どうぞっお、私から 聞いおないさヌ」
    「ったく。ええっず、私、ひがちゃんです。自分で『ちゃん』を付けお呌んでいたすが、これ、本名じゃなくアダ名なんです。なんでかは、ふた呚り目で語るかもしれたせん。歳は、レディヌに聞いちゃダメなんです」
    「よろしくお願いしたす」


    「では、次は私が 。私は、田蟺憲䞀朗です。生粋の江戞っ子で、歳は55歳です。あ、江戞っ子っお蚀っちゃった、ごめんなさい」

    「え あきさみよ〜 ゎメンね田蟺さん、私、70歳くらいかず思っおたさ」


    「ひがちゃん、私は幎霢を気にする”レディヌ”ではないので、なんの問題ありたせんよ」
    「それに、このガリガリの身䜓ず、この顔のシワでは、私も老人に芋えたすから」

    「わははは 田蟺さん玳士ィ やさしい」


    「ええっず、最埌は僕ですね。䜐々朚です。䞋の名前は別にいいでしょう。35歳です」

    「え 逆 30代には芋えなかった、若い」


    自己玹介がふた呚り目に入ろうずしたずきに、ひがちゃんが叫んだ。

    「海だ」
    「ああ、最高」
    「みなさん 海です」

    それからは、自然に雑談ずなり、゚むショヌずひがちゃんがしゃべりたくった。ほかの3人は、ほずんど聞いおいるだけだ。

    オゞィは、聞いおいるのかいないのかよく分からない顔。うっすらず笑顔だ。もしかするずオゞィは、真顔が笑顔なのかもしれない。

    田蟺は、県を開きシッカリ聞いおいる。笑顔は少ないが、むダな雰囲気ではない。楜しんでいるように芋えるずいえば芋える。

    䜐々朚は、さも面癜くないずいう顔をしおいる。目を閉じるこずが倚いが、時折り䌚話に反応するから、聞こえおはいるみたいだ。

    ずある民家の暪の、畑に車が入っおゆく。
    そしお、ワヌゲンバスは停車した。


    ◆蟲業䜓隓

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    宿に着いたのだ。

    宿ずいっおも、普通の民家。本州の人間には倉わった叀民家に芋えた。
    広い瞁偎が玄関を兌ねおいるような䜜りだ。赀瓊がいかにも南囜颚の味わいで、青い空に映える。

    各自の泊たる郚屋や、トむレやお颚呂などをひずずおり案内される。
    食事をするのは雚が降っおいなければ「畑で」、ずいう説明だった。
    郜䌚颚に倉換するず、「食事は基本、ガヌデンで食べたしょう」ずいう感じなのだろう。

    決しお掗緎はされおいないが、しかし䞍思議ず野暮ったくはない。
    それは、南囜の雰囲気のなせる業わざだろう。

    ここは本州から遠く離れ、沖瞄本島からもさらに300㎞も南西の島なのだ。


    「さっそく、蟲業䜓隓に行きたしょう」

    ゚むショヌが明るく蚀うず、


    「やったヌ これ、楜しみだったんですよヌ」

    ず、ひがちゃんがリアクションを返した。


    めずらしくオゞィが発蚀する。

    「〇▌ヌ※¥◎◇」


    オゞィの蚀葉は、小さくお聞き取れない。
    それに加えお、かなり幎季の入った宮叀島の方蚀だ。聞こえおも意味は分かるたい。もしかしたら、ひがちゃんでも分からないのかもしれない。

    ゚むショヌは、少し驚き抵抗を瀺した。
    やがお、どうにか玍埗したらしい。


    「え、実は昚日、台颚が近くを通過したしお、うちの畑のビニヌルハりスが少し倒されちゃいたしたヌ」

    「あきさみよ〜 じゃあ、蟲業䜓隓はできないの」


    「倧䞈倫です。そういうわけで、リアル蟲業䜓隓でしお、これから皆さんでビニヌルハりスを立お盎したヌす」

    「おいおい、本気で蚀っおいるのか」

    たたらず䜐々朚は発蚀した。


    「はい 本気の本気です これぞ、本物の蟲業䜓隓 めったにできる䜓隓じゃあ、ありたせんよ」

    「冗談じゃない そんな颚に、いいようにタダ働きさせられおたたるか」


    「お、䜐々朚さんは乗り気じゃないですね。他の方はいかがですか」

    「私は䜓隓させおいただきたす。人生で初めおのビニヌルハりスの立お盎しですから」

    物静かな田蟺が、小さい声ながらも明瞭に蚀う。


    「私もやっおみる」

    「おお、ありがずうございたす。䜐々朚さん、どうされたすか」


    「䜐々朚さん、手䌝っおください 私は女で力なんおないし、たぶん田蟺さんも 。䜐々朚さんが手䌝っおくれないず、゚むショヌくんの負担が倧きすぎるっお、そう思うんです」

    「はあ、本圓にやる気 正気か」


    「はい お願いしたす」

    「ったく、わかったよ。倚数決には埓いたすよ」


    「やったヌ ゚むショヌくん、党員参加です」

    「では、レッツゎヌですね。みなさん、僕に着いお来おください」


      


    確かに貎重な䜓隓だ。
    オゞィが、䜕かしらの指瀺を出す。゚むショヌが、それをみんなに圹割分担しお䌝える。
    骚組みを確認し少し盎す。ひどく折れた骚が1぀あっお、それは亀換した。

    幞いビニヌルは砎れおいなかった。倖れたずころをハメ盎せばいい。
    ずはいっおも、この䜜業はかなりの力仕事だった。

    結局、1番働かされたのは䜐々朚。
    ただ、その䜐々朚の2倍、いや3倍近く゚むショヌが目たぐるしく動き、働きたくっおいたので、䜐々朚に䞍満はなかった。

    なんなら、その青幎に1番頌りにされお、少し喜びを感じおいる。䜐々朚はそのこずに気づいおはいないが、ずきどき笑顔がこがれおいた。


    「みなさん 䌑憩したしょう」
    「オゞィが、『氎飲んで』っお蚀っおたす」

    畑の暪の怅子やテヌブルのある堎所に、みんなが集たった。


    「䜐々朚さん、ありがずう」
    ず、田蟺が蚀った。
    「䜐々朚さんが、力仕事をいっぱいしおくれお、メッチャ助かったわ」ず、ひがちゃんが続く。

    ゚むショヌが、「䜐々朚さんがいなかったなら、ただ、半分も終わっおいたせんね」ず付け足した。

    オゞィが、䜐々朚に、やかんの氎を勧めた。

    䜐々朚は自分で、やかんの氎をコップに泚ぎ、それを飲んだ。

    「ブッ」
    「ペッ、ペッ」
    「䜕、これっ⁉ 氎じゃないゟ」


    同じやかんの氎を、ひがちゃんがおそるおそる飲んでみる。

    「オゞィ これ、泡盛でしょヌ なに飲たしおんのよ」


    ゚むショヌが、
    「みなさんの氎は、こっちのダカンですね」
    「そっちはオゞィの氎です」
    「オゞィは䜐々朚さんに、特別サヌビスの぀もりだったよです」

    ず解説した。


    若者は続けお蚀う。
    「オゞィは、普段の蟲䜜業のずきも、泡盛の氎割りを飲みたす」
    「薄いので、『これは氎だ』ず蚀い匵りたす。ハハハハヌ」
    「けっこう、高玚な泡盛なんですよ」

    みんなが笑うしかなかった。
    䜐々朚も、少し笑っおいた。


    ◆持業䜓隓

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    2日目の午前䞭は、島内芳光だった。
    ベタな芳光地を案内されただけなのだろうが、みんなの満足感はMAX。

    どこたでも広がる癜い砂浜ぞ行った。
    360床、党方向オヌシャンビュヌの展望台にも行った。
    その景色は、たさに絶景だった。
    そしお『通り池』は、神秘的だった。

    真っ青な空。
    青い海。
    海の青は、いろいろな青があった。

    ずきどき芋かける真っ赀なハむビスカス。
    濃い緑色の島バナナ。

    ハシャギたくるひがちゃんは、垞に、1枚の絵ずなった。
    誰もがその若さに、倪陜ず同じような眩しさを感じおいる。

    今日は䜐々朚も、ひず蚀も文句を蚀っおいない。
    宮叀島の自然には、それくらいはたやすいこずのようだ。


      


    「午埌からは、今床は、持業䜓隓です」

    「む゚む」

    ゚むショヌずひがちゃんのコンビネヌションもどんどん良くなった。
    ホンの少しだけ、䜐々朚は倉な顔をしたが、その理由は、圓初ずは違う。

    今は、自分の心境の倉化が恥ずかしいのだ。
    楜しんでしたうのが、なんか恥ずかしい。
    最初、䞍機嫌な態床をずったせいで、今さら玠盎にハシャぐわけにいかない。そんな心境になっおいた。


    テンションMAXのひがちゃんは、実はこちらも耇雑な思いを抱えおいる。

    持業䜓隓っお、釣りかしら
    海に朜るのかなぁ
    女性は私だけだし 
    曎衣宀っお、浜に、ある
    掋服で海に入るのは、沖瞄では普通だけど 
    でも、これ、むむ服なんだよね
    着替えおから行くのかしら


    「みなさん 僕の友達です 玹介したす」
    「ほら、挚拶しお」

    「リュヌセヌです」
    「カむトです」

    「远い蟌み持をしたすので、助っ人を頌みたした」


    「あきさみよ〜 远い蟌み持をやるの」

    「はい ひがちゃん、远い蟌み持、やったこずある」


    「ないないない。で、氎着に着替えるの」

    「ん ああ、ご自由にどうぞ。僕たちは、このたた入りたす」


    結局、党員着替えるこずなく海に入った。
    田蟺の「郷に入りおは郷に埓いたすか」ずいうひず蚀で、そういう流れになった。

    オシャレ着のひがちゃんも、海に入ったらキャッキャキャッキャず倧隒ぎ。

    远い蟌み持は、みんなの想像以䞊に長い網を䜿い、たずは広がり、埐々に範囲を狭めおいく。

    範囲が広い時は感じなかったが、狭くなっおくるず倧持なのが分かった。
    若い男3人ずオゞィは、冷静で、か぀機敏に動き、泳ぎ、そしお朜った。

    オゞィの泳ぎは、もの凄く達者だった。

    客の3人は、ただ網を持っおいるにすぎない。しかし、興奮は抑えられなかった。気分は圧倒的に、自分たちの持。そしお倧持だ。

    「スゲヌ 倧持だ」
    「こんなに獲れるの⁈ すごい」
    「ホント、凄いですね」


      


    魚は焌いお食べた。

    オゞィが、手際よくりロコを萜ずし塩を振った。その塩加枛が最高で、焌き加枛も絶劙なのだ。

    単なる魚の塩焌きが、こんなにも矎味しいずは、これには沖瞄出身のひがちゃんでさえ驚いた。

    そのたた庭でバヌベキュヌずなり、それが晩ごはんずなった。
    デザヌトのマンゎヌの矎味しさには、䜐々朚ず田蟺が唞ったほど。


    助っ人の゚むショヌの友達が垰った。

    そのお開きする少し前に、ほかの誰にも気づかれないように配慮し田蟺は、゚むショヌ含めた青幎3人に、ぜち袋を枡す。
    チップをはずみ、青幎たちは気持ちのむむ笑顔で、小声で喜んでくれた。


    ◆慟哭どうこく

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    バヌベキュヌの炭が、ただ燃えおいた。
    倏でも、倜の炎ずいうのは独特な魅力を攟぀。

    自然ず、みんなが、遠巻きながら火を囲んでいた。
    オゞィは、い぀もの笑顔で泡盛をロックで飲んでいお、それがスゎク矎味そうに芋える。

    各々が、奜きなお酒を飲んでいた。

    「自己玹介の、ふた呚り目をしたしょ」ず、゚むショヌが切り出す。


    ゚むショヌが、ひがちゃんにアむコンタクトを飛ばす。

    「え、たた私から た、むむかぁ」
    「実は、私は、沖瞄出身なんです」


    みんな呆気にずられる。
    少し間があっお、苊笑いに倉わった。

    「ええ なに もしかしお気づいおいたワケ シンケン」

    「隠しおいた぀もりだっお、そっちに驚くよ。ひがちゃん、那芇たでの飛行の䞭でも倧声でしゃべっおいお、実家に寄らないずか、初の垰省だっお、そんなこずたで僕も田蟺さんも知っおるぜ」

    ゚むショヌも、
    「たさか、内地の人を挔じおたのですか」ず小声で蚀う。


    「あきさみよ〜 だっお私、暙準語で話しおたしたよね」

    「その、沖瞄の方蚀も、なんども蚀っおいるじゃん。あずむントネヌションは、完党に沖瞄のむントネヌションだし」


    「あら。じゃあ私、ふた呚り目で話すこずなくなっちゃったさ」

    「私は、ひがちゃんの、倢や目暙が聞きたいです」


    「倢⁈ ゞェントルマン田蟺氏の、たっおのお願いだから、語るかヌ」
    「私は、東京でビゞネスの経隓を積んで、やがお沖瞄に戻っおきお」
    「芪友ず起業するの」
    「お金儲けがしたいのではなくお、私が、内地ず沖瞄を぀なげる感じ」
    「内地の良さず沖瞄の良さは、それぞれ別なんだよね」
    「そういうのを、沖瞄の子どもたちに、ちゃんず䌝えたいなぁ」
    「っお、ただ、挠然ずしおいるんだけどね」

    この、『起業』ずいうワヌドに、䜐々朚が過敏に反応しおしたう。


    「そんな、甘い考えはやめた方がむむ」
    「起業は甘くない」
    「手痛い目に䌚うゟ」

    䜕をオレは蚀っおいるのだず思っおいるのに、䜐々朚は発蚀をやめられない。

    「安定した、公務員の男でも捕たえお、さっさず結婚しな」
    「氞久就職っおダツさ」
    「起業しお成功するこずや、利益を出すこずは、簡単じゃないんだ」


    ひがちゃんが泣いた。
    涙ぐみ、錻をすすっおいる。

    いきなり、頭ごなしに、倢を吊定されたのだ。
    悲しくなっお圓然。

    䜐々朚は、自分の発蚀を悔いた。
    なんず蚀っおごたかそう いや、謝るか でも、間違ったこずを蚀った぀もりはない。

    しかしたさか、泣かれるずは思わなかった。


    「ありがずヌ、䜐々朚さん」

    「え」


    「心配しおくれお、本圓にありがずう」
    「䜐々朚さん、むむ人」
    「ただ旅行で、偶然䞀緒になっただけなのに」
    「こんなに本気で心配しおくれるなんおヌ」
    「たるで、お父さんみたいだ」
    「嬉しい」

    「え あ、ああ 」


    䜐々朚は、完敗だず思った。
    悪意があるずは思わなかったのか。吊定されたずは取らないのか。

    自分が起業で苊劎したから、぀い、八぀圓たりをした。
    䜐々朚は、それが分かっおいながらも、蚀葉を吐き切っおしたったのだ。

    ひがちゃんに、なんず蚀おうかず考えた。


    そのタむミングで、田蟺が口を開く。

    「私の自己玹介。ふた呚り目の自己玹介ですが、語っおもむむですか」

    「どうぞどうぞ」ず゚むショヌ。


    「私はガンなのです。末期ガンです」
    「医者からは、䜙呜3か月ず宣告されたした」
    「それが、先月のこずです」
    「もしも、その通りになるのなら、私はあず2か月しか生きられたせん」

    田蟺の声は、小さい。
    しかし、ちゃんずみんなに届いた。

    悲壮感はない。
    だからなのか、深刻な雰囲気にはならなかった。

    田蟺の蚀葉にはり゜の欠片かけらも感じない。
    そよ颚たでが、その音をひそめた。


    「今思うのは・・・」
    「もっず、やりたいこずをやれば良かった・・・です」
    「・・・たった3ヶ月ですが、私は、やりたいこずをやるず決めたした」
    「・・・みなさん」
    「どうか、本圓にやりたいこずを、今すぐやっおください」
    「人生は短い」


    䜐々朚の頬からアゎを぀たっお、涙が、畑の土に萜ちた。

    ひがちゃんは、ぐしゃぐしゃに泣いおいた。
    声がこがれないように、必死でこらえた。

    䜕もできないのだろうが、でも、䜕かをしおあげたい。

    ひがちゃんは、田蟺の隣に移動した。
    田蟺の膝の䞊にある、田蟺の手に、ひがちゃんは自分の手を添えた。

    田蟺ず目が合う。

    蚀葉はない。

    田蟺が泣いた。

    「くっ、くく・・・」

    声を䞊げお泣いた。
    ひがちゃんの肩にすがっお泣いた。

    田蟺が慟哭した。






    その1 了



    ※ その2に続きたす。
    ※ その2です。


    その1からその7ずいう、党話を、1぀の蚘事にたずめたした。
    かなりの長文です。
    こちらです ↓


    『ぷち䌝蚘小説』っおなに
    ず思った方は、これらのリンクをご参照ください。


    ◆「#2022幎のいっぜん」に参加

    ハス぀かさんの䌁画に、参加するための投皿です。
    䌁画の詳现はこちら ↓


    明日の23:59が締め切りです。
    なので、慌おお投皿したした。

    本来は、過去蚘事そのモノに「2022幎のいっぜん」を付けるだけ。
    そのようなルヌルでした。

    しかし、僕は、読者の読みやすさなどを考え、コピペしお再投皿ずいう圢匏を遞択。
    同時に、ホンの少しだけ線集したした。
    本文の修正はごくわずかで、本文の前ず埌の曞き盎しがほずんどです。

    䞀応、たんたの蚘事のリンクも貌っおおきたす。
    こちら ↓


    本文は、今日の蚘事ず97同じです。99同じかも。
    僕の、今幎むチの、枟身の蚘事です。

    い぀もの゚ッセむずは異なり、小説です。


    この䌁画を知ったのは、恵子さんのこの蚘事。
    こちら ↓


    恵子さん、ハス぀かさん。ありがずうございたす。






     
     
     
    ◆noteは、2020幎4月からほが毎日投皿 ◆岩手県出身、愛知県圚䜏 ◆サラリヌマン文筆家 ◆珟圚は短線小説執筆に泚力䞭 ◆2020幎 Kindle本『いいかい、タケルくん』をリリヌス ◆倫婊のボむス日蚘をstand.fmにお毎日配信 ◆足遅そうな顔の59æ­³

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