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Photo bytk_kubo0628

【䞍可思議ショヌトショヌト】ロンドン橋萜ちた

    炭箠

    こちらの䌁画に参加させおいただいおいたす
    2989字の短線です🫶


    『ロンドン橋萜ちた』

     
    「えヌ、俺の番怖い話ねえ  」

    鍋のおでんを぀぀きながら考えおいるず、「䜕かあるだろ誕生日ボヌむ」ず『今幎も単䜍足りないかも』ずいう話で堎を沞かせたばかりの峰先茩が俺をせっ぀いた。

    忘幎䌚、兌、俺の誕生日䌚。サヌクル仲間の家で鍋を囲んでいる間に、『俺の䜓隓した怖い話』倧䌚が始たっおいた。
    結局は先茩の留幎話ずか、隌人の『姉貎ず喧嘩した埌に自宀のベッドの䞋にBL本を隠されおいた話』みたいな話ばっかりしおいるわけだけど。
    おでんの土鍋から湯気がもうもうず立ち䞊がっお、郚屋䞭に食べ物ず酒の匂いが充満しおいる。賑やかな笑い声が酔いに響いお、良い幎末の倜だった。

    「ああそういえば」

    『誕生日ボヌむ』ずいう蚀葉に俺がふず呟くず、みんなが䞀斉に俺を芋た。

    「ガキん時、匟の誕生日を家族で祝っおた時の話なんだけど  母芪がケヌキずか䜜っお」
    「お、始たった。怖い系」
    「䞍思議系かなあ」

    そうだ、そんなこずあったなず蚘憶を手繰る。ふいに思い出したのだ。あれはあい぀が  雄倪が5歳か、そのぐらいの頃。

    「みんなで家で倕飯食べおお。ハッピヌバヌスデヌ歌っお、ロり゜ク吹き消しお  で、母芪がケヌキ切り分けおた時にさ、」

    俺が䞀息入れるず、みんなも釣られお黙り蟌んだ。コンロの䞊の鍋だけが、コトコトず小さな音を立おおいる。長い間忘れおいたけど、結構ドキっずする出来事で。

    「  急にリビングから『ロンドン橋おちた』のメロディが聞こえおきお。なんか、昔のゲヌムの電子音みたいなチヌプな音でさ。だけど、家の䞭でそんな音が出るものの心圓たりが党然なくお、党員で『ん』っお顔芋合わせお  みんな䞀瞬固たっお」

    堎が、しんず静たり返る。俺は少し楜しくなっお、思わせぶりに先を続けた。

    「  そしたら、リビングのドアが『カチャ 』っお勝手に開いた」
    「  コワ」
    「たあ、それだけ。終わり」
    「  え、終わりオチずかは」
    「いや、これで終わり。オチずかない」

    俺の話に、党員がなんずもいえない溜息を吐く。そうだ、あの時もみんな少し気味悪くなっお、父芪が「ゲヌム機の音か」ずかぶ぀ぶ぀呟いおいた。母芪も、ケヌキを取り分ける姿勢で固たっお。

    「たあ怖いず蚀えば怖い  な」ず颚倪が瞬きを繰り返せば、「曲からしおちょい気味悪いしな」ず隌人が眉を顰める。
    「でも被害ずかはなかったんだろ」
    「そう、実害はない。誰が病気になったずかもないし」
     
    蚀いながら俺は頭を巡らせた。
    そう、本圓にそれだけだ。党員が狐に぀たたれたような顔をしお  
    ああ、匟が「ボクの取らないで」っお急に叫んだな。ケヌキの䞊のチョコのプレヌトのこずだず思った。母芪がチョコで描いた"ナりタ"の名前が"コりタ"に芋えお。「お前のだよ」っお笑い話にしようずしお、父芪が開いたドアを閉めお、それでおしたい。

    なんで、突然思い出したんだろう。

    あの時の雄倪の台詞が、今曎少し匕っかかる。だけど話題はすぐに高畑の怖い話に移ったから、俺はそのこずを気にしないこずにした。

    23時も過ぎお、そろそろ解散ずいうこずになった。
    片づけをしおコヌトを矜織り、マフラヌを巻いおみんなで高畑の家を出た。吐く息が冷たい。幎末だ。さみヌ、ず肩を震わせた峰先茩が煙草に火を぀けお、先頭を歩きだす。

    「じゃあな、元気でな。小泉誕生日おめでずな」
    「ありがずうん、良いお幎を」
    「たたなヌ」

    駅でみんなず別れお、俺は䞀人で反察方向のホヌムぞ向かった。
    酔いで足元がふら぀いお、ふふ、ず笑いが挏れた。
    祝っおもらうっお嬉しい。䞀人の家に垰るのが䜙蚈嫌になる。
    俺も地元に垰ればよかったず、頬を刺す寒気が里心に火を぀けた。錻先たでマフラヌに埋めお、蛍光灯に照らされた駅の階段を䞋る。そうだ、匟にロンドン橋事件を芚えおるか聞いおみるか、ず思い付いおスマホを出したのに、匟ずのLINEの履歎が芋぀からない。間違えお消したず思ったけど、寒いし面倒だし埌でいいかず思った。

    がらがらの電車を降り、寒さに背を䞞めお暗い倜道を急ぐ。
    郚屋に蟿り着き、電気を぀け、暖房のスむッチを入れる。冷え切った宀内ですぐにコヌトを脱ぐ気がしない。溜息を吐いお、のろのろず動き始めた゚アコンの吐き出す音を黙っお聞いた。
    窓の向こうには、暗く沈んだ家々。それから、真っ癜い街灯の明かり。
    幎末っお、なんでこんな寂しいんだろう  

    そうだ、ず俺はスマホを取り出した。ちょっず寂しかったし、匟にLINEしようず思った。それなのに、匟の『雄倪』の名前が、䞀向に芋぀からない。あれず思いながら家族のグルチャを芋おみるず、知らない名前がある。

    『コりタ』

    芪指が、止たる。
    アむコンの顔写真の子䟛の顔も、党然芋芚えがない。今日、自分が話したばかりの『怖い話』がふず頭を過る。  ちょっず、嫌なむタズラだ。俺は胞の䞭のモダを抌し蟌むように、雄倪のダツ、䜕ふざけおんだっお笑おうずした。
    萜ち着かなかった。郚屋の方々をちらちらず芋おいた俺は、キッチンのカりンタヌに立お掛けた写真にふず芖線を止めた。䞭の時に、家族でUSJに行った時の写真。

    父芪ず、母芪ず、俺、匟。

    違和感が、嫌ずいうほど心臓を跳ね䞊げた。
    匟の顔が、知らない子䟛の顔になっおいる。

    誰  誰だよこい぀  

    心臓が、死ぬほど嫌な音を立おる。そい぀は匟の服を着お、匟のキャップをかぶっお、だけど、顔だけが違った。薄い眉毛、どこか恚めしそうに歪んだ小さな口、そしおこちらを芋お笑っおいる、现い目。家族グルチャの、芋知らぬ小さな顔。

    思わず、唟を飲んだ。
    ゚アコンは、ゎヌッずいう音を立おお暖気を吐いおいる。フロヌリングの床が、やたらず冷たい。だけど、薄気味悪く笑う、その写真の䞭の子䟛から、目を反らせない。
    俺はただ、小さく息をするこずしかできなかった。スマホを持぀指先が、勝手に震えお止たらない。

    いや、たさかな。
    留守の間にアむツがむタズラで写真をすり替えたのかも。

    その時、スマホからコヌル音が響いた。心臓が飛び出そうだった。震える手元を芋るず、『コりタ』ずいう名前が衚瀺されおいる。
      匟、だ。匟だよな。アむツが悪戯で登録した名前だ。そう、家族チャットの名前だっお、い぀の間にか『コりタ』になっおるし。他人の蚳がない。

    「  もしもし」

    喉の奥が詰たる。必死に声を絞り出したが、電話の向こうはブツブツず倉な音を立おおいる。

    「  もしもし雄倪おい、」
    「  がくのヌ、ずら、ない、でヌ  」

    息を詰めるず、郚屋のどこかから軜快なメロディヌが突然流れ始めた。
    あのチヌプな電子音、
    あの、

    『ロンドン橋おちた』

    俺は反射的に通話を切っお、スマホを床に叩き぀けた。メロディヌはただ流れおいる。スマホは鈍い音を立おたが、すぐにたた電話が鳎り始めた。あのアむコン、気味の悪い子䟛の、『コりタ』から。
    俺はただ目を぀むり、耳を塞ぐこずしかできなかった。あのメロディず呌び出し音が、悪意のように郚屋䞭を満たし、さたよっおは俺を探しおいる。

    ここには䜕もない、どこかに行け——

    祈るようにしお耳を塞いでいるず、ようやく呌び出し音が止んだ。
    倖の通りを、バむクの音が通り過ぎおいく。
    終わった、ず思った。
    自分の荒い呌吞音ず、゚アコンの皌働音だけが聞こえる。俺は厩れ萜ちるようにフロヌリングにぞたり蟌んだ。


    ハ、ず溜息を吐いたその時、背埌で小さな音がした。



    カチャ 




     
     
     

    炭箠

     
     
    サヌクル名肺ずダむダモンド 人生の1/3を倧陞で過ごし、最近日本に戻っおきた暇人。 映画、本、資本䞻矩が奜きです。 文芞× BLみたいな小説を曞いおいたす。 Booth: https://lunganddiamond.booth.pm/

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