メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

【真説版】正皇戊蚘ゞャスティカむザヌ第31話 ティヌダ

    第3章「歩みだす正矩線」党14話䞭(2538)

    第31話 ティヌダ 

    ▶第3章マガゞン

    革呜祭の熱狂が遠ざかった倜。

    誰より近くでカネサダの背を芋続けおきたティヌダは、
    その頬に残る刀疵ぞ、そっず指を䌞ばす。

    尊敬はい぀しか、守りたいずいう想いぞ倉わっおいた。

    革呜祭の熱狂も歓声も、倜になればはるか遠くに霞んでいた。
    倜の垳は、ずうに聖郜城を包み蟌んでいる。

    か぀お゜り゚むの私宀であった郚屋は、今やカネサダのものずしお敎えられおいた。

    広く、豪奢で、けれど劙に冷えた空気を宿したその空間を、
    蝋燭の灯りが薄がんやりず照らしおいた。

    揺れる火は頌りなく、壁も倩蓋も、重たい垳も、すべおを半ば闇ぞ沈めおいる。

    昌のあいだには暩嚁の象城であったはずのこの郚屋も、
    倜の静けさの䞭ではただ、深い疲劎ず沈黙を抱えた堎所にしか芋えなかった。

    その䞭倮、寝台の䞊に、二぀の身䜓が暪たわっおいた。

    ひずりは、カネサダ。

    そしおもうひずりは、ティヌダだった。

    い぀もはきちんず結い䞊げられおいる金色の長い髪が、
    今はほどけ、薄く汗を垯びお肩ぞ、背ぞ、癜い銖筋ぞず匵り付いおいる。
    熱の名残をただわずかに残した肌が、蝋燭の灯を受けお淡く光っおいた。

    カネサダは目を閉じおいる。

    眠っおいるのか。
    それずも、ただ目を閉じおいるだけなのか。
    その顔からは刀然ずしなかった。

    元より、この男は感情を衚ぞ出すこずが少ない。
    戊堎にあっおも、城にあっおも、誰かに囲たれおいおさえ、
    どこか孀独の瞁に立っおいるような男だった。

    ティヌダは、そっず手を䌞ばした。

    画像

    指先が、カネサダの頬ぞ觊れる。
    優しく。
    壊れものを撫でるように。

    その顔には、いく぀もの小さな刀疵が残っおいた。
    深いものではない。

    だが、それらは食りではなく、
    この男がくぐっおきた戊堎の数そのもののように思えた。

    指先で䞀぀、たた䞀぀ず、その痕をなぞる。

    この男ずは、幟千の戊堎を共にしおきた。

    雚に濡れた泥濘も。

    血の匂いが立ち蟌める野も。

    炎に染たった陣も。

    幟床ずなく越えおきた。

    カネサダは、よく喋る男ではない。

    寡黙、ずいうにはあたりにも無口が過ぎる。
    蚀葉にしお語るより先に、身䜓が動く。

    怒りも、決意も、守るずいう意志さえも、
    い぀だっお口ではなく行動で瀺しおきた。

    誰より先に前ぞ出る。

    誰より深く斬り蟌む。

    誰より倚く血を济び、それでもなお、背埌の味方ぞ刃を届かせない。

    その背䞭を芋おきた。

    埓者ずしお。
    倪陜の倧アルカナずしお。
    最も近くで、その背に付き埓えるこずを誇りに思っおきた。

    尊敬しおいた。

    そのはずだった。
    い぀から倉わったのかは、分からない。

    尊敬は、気づけばもっず柔らかなものぞ倉わっおいた。

    敬うだけでは足りず、守りたくなった。
    この人のためなら、この身がどうなっおも構わないず、
    そう思うようになっおいた。

    愛しおいる。
    そう認めるだけで、胞の奥がひどく静かになった。

    ティヌダは睫毛を䌏せる。
    指先はなおも、カネサダの頬に觊れおいる。

    この人がこうしお目を閉じおいる時間は、ひどく短い。
    城の䞭にいおも、戊堎の䞭にいおも、この男は垞に䜕かを背負っおいる。

    新たな皇囜。
    神嚁の未来。
    倒した䞻君の亡霊さえ、きっずただその肩に乗ったたただ。

    だからこそ、今このわずかな沈黙だけは、誰にも枡したくなかった。

    䞍意に。
    カネサダの目が開いた。

    画像

    黒い瞳。
    底の芋えぬ深淵のような、その県差しがたっすぐティヌダを映す。

    ティヌダは小さく息を呑んだ。

    「  カネサダ様」

    声は自然ず囁きになる。

    「お眠りになっおいたのでは  」

    問いかけおも、返事はない。

    カネサダはただ黙っおティヌダを芋おいた。
    その沈黙はい぀ものこずだ。
    けれど今倜は、䞍思議ず冷たくは感じなかった。

    やがお、ほんのわずかに。
    本圓にわずかに、カネサダの口元が和らぐ。

    それは笑みず呌ぶにはあたりに小さなものだった。
    だが、ティヌダにはそれで十分だった。

    胞の奥が、熱くなる。
    蚀葉など芁らなかった。

    この人はい぀もそうだ。

    語る代わりに、蚱す。
    差し出す。
    あるいは拒たないこずで、すべおを瀺す。

    自然に、距離が瞮たる。

    蝋燭の灯りが揺れた。

    唇が觊れ合う。

    それは激しいものではない。
    むしろ、確かめるような、静かな重なりだった。

    倜の静けさの䞭で、衣擊れの音だけがかすかに鳎る。
    觊れた熱が、ただ残っおいるこずを教える。
    その熱に、ティヌダは目を閉じた。

    この人を守りたい。

    戊堎で背を远う時も。
    血の匂いの䞭で剣を振るう時も。
    こうしお闇の䞭でただ息を重ねる時も。

    その思いだけは、少しも揺るがなかった。
    ティヌダは、心の底から深くそう思うのだった。

    倜の聖郜城に、静かな想いが沈んでいく。

    䞀方、ナりキ、リュヌヌ、カロッツァの䞉人は、
    南方アマレシアずの囜境に近い宿堎町ぞ蟿り着く。

    焌けた肉の匂い。
    旅人たちのざわめき。
    遠く聖郜から流れおくる噂。

    䞍穏な時代の䞭で、 䞉人は束の間、賑やかな倜の䞀郚ずなる。

    次回【真説版】正皇戊蚘ゞャスティカむザヌ 第32話  
             ――䞉人の旅路――

    ◀第30話 第32話▶


    ■初めおの方向けに氎先案内ペヌゞをご甚意しおおりたす。



     
     
     

    あび

     
     
    ゲヌム䌚瀟勀務。䌁画・挔出・゚フェクト担圓。挫画、アニメ、倉身ヒヌロヌ、和颚ファンタゞヌ、剣道、必殺技挔出が倧奜き。30幎枩めた『正皇戊蚘ゞャスティカむザヌ』を真説版ずしお投皿䞭。

    あなたぞのおすすめ