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【真説版】正皇戊蚘ゞャスティカむザヌ第18話 狩人を狩る者

    第2章「詊される正矩線」党11話䞭(1424)
    第18話 狩人を狩る者
    ▶第2章マガゞン

    癟幎の眠りから醒めた男は、狩人を獲物ずしお芋た。

    銀の鎖が広間を芆い尜くす。

    だが、二挺の銃はその起点を正確に撃ち抜いおいく。

    チェむサヌのザむルは初めお知る。

    狩られる偎の恐怖を。

    癟幎。

    眠り。

    目の前の男が蚀っおいる意味は、䜕ひず぀理解出来ない。

    だがその県差しだけは、嫌でも分かった。

    目の前の存圚は、自分たちず同じ戊堎の理屈では動いおいない。

    広間の入口に立぀ザむルが、䜎く唞る。

    「なんだ貎様」

    「俺様の狩りを邪魔するなら容赊せんぞ」

    人圱はゆっくりず顔を向けた。

    その芖線がザむルぞ向いた瞬間、空気が倉わる。

    「  敵意確認」

    淡々ず、ただ事実を読むように蚀う。

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    「排陀察象」

    ザむルの顔が歪む。

    「おのれ 舐めるな」

    怒声ず共に、無数の鎖が唞りを䞊げお人圱ぞ殺到した。

    だが、次の瞬間――。

    銃声が響いた。
    䞀発ではない。

    也いた蜟音が、ほずんど同時に空間を撃ち抜く。

    リュヌヌが目を芋開く。
    ナりキも息を呑んだ。

    人圱の䞡手には、い぀の間にか二挺の巚倧な銃が握られおいた。

    拳銃ずいうにはあたりにも倧きい。
    到底、人が片手で扱えるずは思えない倧口埄の火噚。
    それが、たるで手足の延長のように静かに構えられおいる。

    その銃口から攟たれた無数の銃匟が、
    ザむルの鎖を正確無比に撃ち萜ずしおいた。

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    銀の鎖が、空䞭で次々ず火花を散らす。

    矢尻のような突起も、うねる軌道も関係ない。

    根元から。
    節から。
    連なりそのものを寞断され、すべお匟き返されおいく。

    ザむルが目を芋開いた。

    「銬鹿な  」

    「俺様の鎖を  党お撃ち萜ずしたずいうのか」

    人圱は、たるで退屈そうに銃口を䞋げた。

    「遅い」

    その䞀蚀に、ザむルの額ぞ青筋が浮かぶ。
    人圱が二挺の銃を、今床は正面からザむルぞ向ける。

    「次は倖さん」

    「ぐ  舐めるな」

    ザむルの背埌で、無数の鎖が束ずなっお珟れた。

    それらは互いに絡み合い、捻じれ、波打ち、
    䞀本の巚倧なうねりぞ倉わっおいく。

    たるで金属の蔊が生きおいるかのように、郚屋䞭ぞ広がり始めた。

    「瞛鎖閃刃ばくさせんじん」

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    咆哮ず共に攟たれたそれは、ただの連撃ではなかった。

    郚屋そのものを芆い尜くし、逃げ堎ごず呑み蟌むための殺意だった。

    四方八方から、茚のような鎖が人圱ぞ襲いかかる。

    だが、人圱は慌おない。
    避けるそぶりすら芋せず、静かに二挺の銃の匕き金を匕いた。

    蜟音。

    連続する銃声が空気を裂く。
    ザむルの鎖は、今床もたた途䞭で断たれた。

    いや、途䞭ではない。

    人圱はその束そのものではなく、絡み合った起点
    ――力の集玄点だけを正確に撃ち抜いおいた。

    連撃でも、力抌しでもない。
    構造そのものを芋切り、根本から無効化する射撃。
    束になっおいた鎖が、たるで呜を倱った蛇の矀れのように
    次々ず地ぞ萜ちる。

    「銬鹿な」

    ザむルの声が裏返る。

    その瞬間、人圱が動いた。

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    速い。

    銃を構えたたた、䞀瞬でザむルずの間合いを詰める。
    走るずいうより、空間を滑ったような速床だった。

    ザむルが反応するより早く、二挺の銃口がその身䜓ぞ定められる。

    匕き金が匕かれた。

    蜟、蜟、ず立お続けに銃声が鳎り響く。

    同時に、無数の薬莢が金属音を立おお床ぞ散った。

    「グオォッ」

    ザむルの絶叫が䞊がる。

    䞡肩。

    䞡手。

    すべお撃ち抜かれおいた。

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    肉が裂け、骚が軋み、腕から先の感芚が䞀瞬で狂う。
    鎖を操るための芁である手指が、もはや思うように動かない。

    激痛が、ザむルの党身を支配した。
    人圱は、なおも衚情を倉えない。

    「排陀する」

    片目を芆う機械の県垯が、䞍気味な赀光を攟぀。
    その光を芋た瞬間、ザむルの背筋ぞ䜕かが走った。

    ――恐怖。

    生たれお初めお味わう、生々しい恐怖だった。

    獲物を远い詰める偎ずしお圚り続けた自分が、
    初めお“狩られる偎”の感芚を知る。

    「こ、これで終わったず思うなよ  」

    ザむルが歯を食いしばる。

    次の瞬間、残された鎖が䞀斉にザむル自身ぞ巻き぀いた。

    竜巻のように。
    繭のように。
    己の身䜓を包み蟌み、防埡ず離脱を同時に果たすための緊急機構。

    人圱は即座に発砲する。

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    甲高い音が連続しお空間ぞ響く。

    匟䞞が鎖の防壁ぞ激突し、火花を散らす。

    数発は貫通し、数発は逞らされ、金属音が遺跡の広間に鋭く反響した。

    やがお、鎖が力なく地面ぞ萜ちる。

    その䞭心には、もうザむルの姿はなかった。

    逃げたのだ。
    蟛うじお。
    無様に。

    だが確かに、生き延びるためだけに。

    静寂が萜ちる。

    床に転がるのは、千切れた鎖ず無数の薬莢だけ。
    ナりキは、なおも蚀葉を倱ったたた、その人圱を芋䞊げおいた。

    ぀い今しがた、自分たちを完璧に远い詰めおいたザむルが、
    䞀方的に叩き朰され、恐怖ず共に撀退した。

    その珟実を、頭がただ受け入れきれおいない。
    リュヌヌもたた、刀を構えたたた埮動だに出来なかった。

    人圱はゆっくりず銃口を䞋ろす。

    それから、床にぞたり蟌むナりキぞ改めお芖線を萜ずした。

    癟幎の眠りから醒めたず告げた、その異圢の男は、
    冷たい県差しのたた、次の蚀葉を埅っおいるようだった。

    人圱はナりキを䞀瞥した。

    「起こした者を確認」

    ナりキは䜕も蚀わず、その姿を芋返す。
    人圱はわずかに眉を寄せるような気配を芋せた。

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    「貎様  本圓に継承者か」

    「はぁ」

    ナりキが思わず声を荒げる。

    「䜕蚀っおんだ、急に」

    「貎方こそ䜕者なのよ」

    リュヌヌが鋭く問い返す。
    だが人圱は、リュヌヌを䞀瞥しただけで切っお捚おた。

    「お前には聞いおいない」

    「  っ」

    リュヌヌが目を现める。

    決戊兵噚。

    先ほど遺跡の声は、そう告げおいた。

    ならばこの男は、チャリオット――戊車の倧アルカナに連なる䜕かなのか。

    胞の内でそう枬りながらも、リュヌヌはすぐには口にしなかった。

    人圱はなおナりキを芋たたた、䜎く告げる。

    「感情が乱れおいる」

    「正芏の継承者ずは思えん」

    「䜕だず  」

    ナりキが顔をしかめる。

    「だが、俺を起こした」

    䞀拍。

    「名は」

    「お、オレはナりキだ」

    「カロッツァだ」

    名乗りは短かった。

    それだけで十分だず蚀わんばかりだった。

    「ナりキ」

    カロッツァは広間の奥ぞ芖線を向ける。

    「状況を芋ろ」

    「この遺跡は安党ではない」

    カロッツァが呚囲ぞ目を向ける。

    「俺が目芚めたこずで、この遺跡の機構も動き出した」

    「倖から入った者には容赊しない」

    「埅っお、ナりキ」

    リュヌヌが䜎く制する。

    「出䌚ったばかりのこの男を、そう簡単に信甚しおいいのかしら」

    カロッツァは振り返りもしない。

    「信甚は䞍芁だ」

    そのたた歩き出す。

    「死にたくなければ、来い」

    あたりにも䞀方的な蚀葉だった。

    「ちょ、おい 埅およ」

    ナりキが慌おお声を䞊げる。
    だがカロッツァは足を止めない。
    ナりキは舌打ちしながら、その背を远う。

    リュヌヌもたた、譊戒を解かぬたた、仕方なく埌に続いた。

    遺跡の奥ぞ進む赀い倖套の背は、
    人ずも兵噚ずも぀かぬ異様さを纏っおいた。

    カロッツァ。

    決戊兵噚チャリオット。

    その正䜓はただ䜕ひず぀芋えない。

    だが少なくずも、ナりキたちが足を螏み入れた運呜が、
    さらに深い堎所ぞ続いおいる事だけは確かだった。

    ザむルを退けた謎の男は、カロッツァず名乗る。

    決戊兵噚チャリオット。
    癟幎の眠りから醒めたその男は、ナりキを継承者ず認めながらも、
    正芏の継承者ずは思えないず告げる。

    遺跡の奥で埅぀のは、さらなる排陀機構。
    そしお、ナりキ自身が越えなければならない黒い衝動。

    次回【真説版】正皇戊蚘ゞャスティカむザヌ 第19話      
        ――䞍完党な正矩――

    ◀第17話 第19話▶


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