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高卒事務職から社内SE、SIerのSEへ。遠回りだったキャリアが線になった話

    私は現在、SIerでシステムエンジニアとして働いています。

    ただ、昔からシステムエンジニアとして働いていたわけではありません。

    システムエンジニアになったのは30代になってからです。

    学生時代からIT関連の勉強をしてきたわけでもありません。


    私は元々は高卒で事務職として事業会社に勤めていました。

    ITにもともと強かったわけでもありません。

    コードを書くことが得意で楽しかったわけでもありません。

    今働いていても、周囲の同世代、年下のエンジニアと比較すると今でも知識やスキルでは差を感じます。


    それでもシステムエンジニアとして働いている今に後悔はありません。

    むしろ、今この場所にいなければ、心の中で

    「これからもこの仕事をずっと続けていくのか」

    と不安や葛藤と戦っていたと思います。

    今回は私の一見バラバラに見えるキャリアが、今にちゃんとつながっていることを紹介していきます。

    今回の記事はこんな方におすすめです。

    • 今の仕事でスキルが身につかないと感じている人

    • 人のキャリアを見て、自分のキャリアの棚卸に役立てたい人

    • 高卒・未経験からでもエンジニアになった人のキャリアを見たい人

    • これからのキャリアについて考えるきっかけが欲しい人

    それではぜひ、最後まで読んでみてください。


    学生時代:いたって普通の学生で就職


    事務職になる前に私の学生時代について少しだけ触れます。

    私はいたって普通の高校を卒業しています。

    ただ実は、高校進学の際に情報系の学校に興味がありました。

    小さいころから家にパソコンがあり、パソコンでゲームしたり調べものしたりするのが好きで、興味があったんだと思います。

    具体的に何をしたいか決めていたわけではないですが、機械を作ったり、パソコンで何かしたいなとぼやっと考えていました。

    しかし、自分の行きたい学校への通学の利便性や自分の学力から、情報系の学校への進学は諦め、普通高校に進学することとなりました。


    その学校ではパソコンや簿記の授業がありましたが、人よりも得意でした。

    得意といってもさほど人数が多い学校でもなかったのでたかが知れていますが、それでも自分の中では、

    「働くならパソコンを使って事務所で仕事をしたいな。外で働くのは何年もは無理だし、パソコン触るのは苦ではないし。」

    と考えていました。

    高校から進路を決める際に、進学をするか就職をするかここでも悩みました。

    当時の私は、

    「大学に行くにも奨学金がかかる。奨学金は借金みたいなものだから、働けるのであれば早く働いた方がいいのではないか。大学に行ってもそこまで学びたいことがあるわけでもないし、家も裕福な方でもないし。」

    と考えていました。

    めちゃくちゃ現実的な思想していますね…。

    本音を言うと少しだけ情報系の学校にも興味があったんですが、この時点ではそこまで大きな興味があったわけでもありませんでした。

    会社からの募集が来ているなかで、そこそこ規模も大きく、営業・事務として働けそうな会社があったので、その会社に応募し、無事内定をもらいました。

    この時には一生その会社で働き、いい会社で仕事をこなしていくんだろうなと考えていました。


    事務職時代:慣れれば仕事はできたが不安を感じる


    高校卒業後は、少しの研修を経て、現場へ配属されました。

    部門によってやることは少し違いますが、私の会社の事務職では、

    • 顧客の管理

    • 接客・電話対応

    • 既存顧客への個別営業・対応

    • 請求書やお知らせメールの作成

    • 各種システム登録

    こういった業務を行っていました。

    事務職といってもいろいろな種類の事務職があると思いますが、私の場合は既存顧客への営業もあったため、営業職と事務職を足した感じの仕事でした。


    私は最初から要領をつかんで仕事をこなせるタイプではなかったので、最初の1~2年目は仕事が全くできませんでした。

    書類作成はミスをする、顧客との対応もうまくできない、指摘をされても何を言っているのかもわからない。

    今思うと高卒の1~2年目なんてそんなものかなと思いますが、当時はかなりつらいと感じていました。

    それでも3~4年経ってくると、大体同じ仕事でパターンもつかめてきたので、ある程度仕事をこなせるようになってきました。

    そこからは特に新しいスキルや能力が伸びている感覚はなく、なんとなく仕事をこなせるからこなしているというような状態でした。


    この時の私のスキルとしては、

    • タイピングは結構できる

    • ExcelやPowerPointは自力では作れない

    • すでに作られたExcelやPowerPointを使うことはできる

    • 最低限の接客対応はできる

    こんな感じでした。

    自分で見て思いますが、本当に決められた作業をただこなすことしかできないレベルの事務職でした。

    正直新しい知識は学ばなくてもある程度仕事はできるし、基本的に社内のシステムへ登録していく作業がメインだったので、社内システムと会社の業務さえ覚えれば困ることはありませんでした。

    決まった作業をこなすことはできたものの、それ以上のスキルはない状態です。


    内心、

    「このままで本当にいいのか」
    「もっとスキルアップするべきなんじゃないか」
    「新規顧客への営業もした方がいいのか」

    と悩んでいた時期もありましたが、行動することができず、ただ毎日・毎月の決まった業務をこなす日々でした。

    この当時、自分の中では生活できるだけの給料がもらえていたので、特に転職を考えたりすることもありませんでした。

    正直、この時に転職活動してもどこにも採用されなかったと私は思っています。

    こんなモヤモヤしながらも仕事をこなしていた事務職時代に転機が訪れます。


    社内SE時代(前半):仕事ができずに悩む日々


    とある人事異動で、私は情報システム部門(社内システム管理部門)に異動することになりました。

    この時の会社では定期的に人事異動があり、「別地域か別部門での事務職だろうな」とのんきに構えていた私にとっては衝撃的な話でした。

    正直戸惑いました。

    どうやら社内SE部門に欠員が出るらしく、その穴埋めとのことです。


    特に情報系の学校を出ているわけでもない私ですので、不安でいっぱいでした。


    「まずどんな仕事をするの?」
    「システムの開発・保守・運用って何?」
    「プログラミングなんてできないけど大丈夫なの?」

    次々と不安が出てきます。

    不安は出てくるものの、異動を告げてくれた上司もなにをするのかあまりよくわかっていないらしく、

    「まあ、ウィッチゃんならできるよ。今の仕事もちゃんとこなしてくれてたし。」

    みたいな感じで、あまり仕事について教えてくれませんでした。


    人事異動で社内SEになったものの、最初は何が何だかよくわかりません。

    何がわからないのかもわからないんです。

    無理もありません。

    私はこれまで事務職しかしてこなかったので、急にシステムの管理をしろと言われても何をどうしていけばいいのかわからないんです。

    同じ部門の先輩たちはある程度年数を経験しているので、

    「経験すればわかるようになってくるよ」

    と言われましたが、正直全くわかる気がしていませんでした。

    事務職だったら、顧客対応、社内システムの操作、PCの操作など必要なスキルがなんとなくわかりますが、社内SEでは何を身につけていけばいいかもわからない状態でした。

    そんな状態では仕事をちゃんとこなせるわけもありません。

    人と人との間に入って話をつないで、また話をつなぐ。

    ただの伝書鳩状態で自分が存在している意味が分からなくなっていました。

    自分に知識や経験、価値観がないからだと感じていましたが、どうすればいいのかもわからないまま、半年ほど仕事を続けていました。


    そんなある日、たまたまネットで「基本情報技術者試験」というIT系の資格があることを知りました。

    エンジニアの登竜門と言われている資格で、エンジニアの基礎が学べる資格とのことです。

    今のままではいけないと思っていた私、とにかくこの基本情報技術者試験を合格しようと思い、勉強することにしました。

    この時なぜITパスポートからとらなかったかというと、なぜか自分の中で社内SEとしてやっていくならとにかく基本情報技術者試験を取らないと意味がないという謎の価値観があったからです…

    基本情報の勉強をするときも独学だったのでとにかく大変でしたが、3か月間勉強して合格することができました。

    合格した後は資格手当がもらえるので上司に申請。

    その時の上司からは

    「おお、ちゃんと勉強してて偉いな、この調子で頑張れよ」

    と言われ、仕事がちゃんとできない自分へもちゃんとほめてくれ、嬉しく感じました。

    また、後でわかったんですが、私の周囲では基本情報技術者試験に合格している人はいませんでした。

    そこから自分の中で少し自信ができ、主体的に仕事を進められるようになりました。

    今までベンダーさんと話していても何もわからなかったのが、用語がわかり、言っていることが分かるようになってきました。

    システムを作るうえで何がネックになるのか、性能を上げるにはどうすればいいのか、こういったことを自然に考えることができるようになってきて成長を感じました。

    社内SEとしてキャリアを開始し、できることも増えてきているように感じ、これで悩みも晴れると思いきや、そう簡単にはいきませんでした。


    社内SE時代(後半):IT職にはなれたが技術者にはなれてない


    社内SEとなってから約3年が経ち、ある程度の業務はこなせるようになってきました。

    社内SEとなる前と比べると、できることも増えてきましたが、このあたりで不安が襲ってきました。

    「IT職として仕事しているっぽいけど、実際自分では何もできなくないか?」

    そう、社内SEになったものの、開発や実際の作業はベンダーさんに外注してやってもらいます。

    自分は要件整理や社内外の調整、システムチックな仕事をするにしても受入テストやマスタのメンテナンスくらい。

    「これ、本当に社内SEじゃないとできないのか?正直PC使えるならだれでもできるんじゃないか?」

    実際はそんなことはないんですが、私はこのように考えていました。


    この時から同僚や先輩、上司の発言にも少し引っかかるようになりました。

    「ベンダーは下請けなんだからこれくらいやらせればいいんだよ」

    「発注してお金払ってるんだからやってもらって当然」

    「こっちでそこまでシステムのことを知らなくていいし、知る必要ない」

    これらの発言が目につき、私はモヤモヤすることが増えてきました。

    「下請けと言っているけど、自分達では何もメンテナンスできないし、作れないじゃないか。そんなに偉そうに言えるのか?」

    「自分たちでできないからお金払ってやってもらうんだから敬意をもっと持った方がいいだろ」

    「もしベンダーさんがいなくなったら誰がシステムのことわかるの?自分たちの会社のシステムは自分たちが知っておかないといけないのでは?」

    こんな風に考えていました。

    少し過剰な考えだとは思いますが、この時は技術者に対する敬意がない発言がすごく嫌で、敏感になっていました。

    そして、

    「自分も長くいたらこの考えになるかもしれない。知らないが故にこんな発言をするようにはなりたくない。そもそも今の自分、ITスキルなんて身についていて身についていないようなものだ。」

    と考えていました。

    私のいた社内SEでは、結局外注して管理するのがメインで、自分で何かを作ったりというのことをしていないので、実務ベースでの知識は全くないと感じていました。

    これだと表面上の仕事しかできず、将来スキル不足で困るし、何より自分で作ったりできないのでやりたいことができないと考えていました。

    そう考え、転職活動を始めることにしました。


    転職活動時代:社内SE経験はIT未経験?


    事務職、社内SEを経験して、働きながら転職活動をしてみることになった私。

    転職活動なんてしたことない私はネットから情報集めて、まず転職エージェントと面談することにしました。

    転職の目的としては、自分で手を動かすエンジニアになれることを面談で話をして、今のままではスキルが身につかない不安を話しました。

    そこで転職エージェントから現在のスキルなどを聞かれて、転職エージェントから告げられたのは、

    「ウィッチゃんさんは今のスキルだと、未経験扱いでの応募となります。募集はあると思いますが、年収は下がるし、30代になると簡単ではないかもしれません。」

    こう言われました。

    正直、めちゃくちゃショックでした。

    「基本情報も応用情報も取ったのに? 障害対応や保守、機能追加など案件もたくさんしたのに?あの数年は何だったんだ?」

    この時は基本情報に加え、応用情報技術者試験も合格していたのですが、実務経験がなく、使用できる言語やサーバ構築などの経験もないことから、未経験と判断されたようです。

    「未経験か…やはりスキルはなかったんだな私は」

    と落ち込みながらも、ほかの転職エージェントとも面談することにしました。

    すると次のエージェントから言われた言葉に驚きました。

    「ウィッチゃんさんは、基本情報も応用情報も持っているし、システム管理経験もある。確かにサーバ構築や開発などの経験はないが、ITの基礎やユーザ側の視点、社外との折衝経験もあることから、未経験ではないですよ。希望のSIerへの転職成功確率はかなり高いです。」

    転職エージェントが違うだけで、これほど評価が違うことに驚きました。

    この言葉に、私の今までやってきたことを肯定してくれたような感覚があり、自信をもって転職活動に取り組むことができました。


    そして、応募した会社からも、実務経験はないものの、ユーザ視点を開発に活かしてほしい、応用情報も持っているから適性はあると判断され、内定をいただくことができました。

    今まで自分のスキルに全く自信がなかった私が、ほかの会社でも評価されたことに、大きなうれしさを感じました。

    スキルを評価してくれた会社で実際に手を動かす側として仕事したい。

    そう思い、内定を承諾し、SIerに転職することを決めました。


    SIer転職後:システムに近づいたが、別の壁にぶつかった


    転職してから私は開発をやりつつも、問い合わせ対応や保守運用といった幅広い業務をやらせてもらいました。

    前職で発注しているだけでは見えなかった世界がここにはありました。

    • 依頼内容を正確にこなすためにミスが許されないプレッシャー

    • 一つの作業ミスが顧客の業務に大きな影響をおよぼすこと

    • 顧客の依頼の意図がなかなかこちらに伝わらないこと

    • 依頼に対して想定以上に作業量が多いこと

    • 管理することが非常に多いこと

    • 自分でやるだけでなく、協力者との調整も必要であること

    • 資格の知識以外にも実務を通してでないと身につかないことがあること

    このように転職して様々なことを学び、感じました。


    また、転職してから私は、またスキル不足を感じるようになりました。

    • ソースがすぐに読めない

    • 実装するための方法がわからない

    • エラーが出たときの解決策がわからない

    • 会話の内容がわからない(社内SE時代と同じ)

    • エンジニア間のコミュニケーションをどうすればいいかわからない

    • なぜこうなるのかの深掘りが足りない

    私は中途入社ですが、こういったシステムに関する知識は新卒数年の方よりも劣っていると自負しています。

    もしかしたら周囲からは、中途なのになぜこのくらいもわからないのかと思われているかもしれません。

    それでも私はくらいつき、またスキルを身につけるよう努力していきます。


    スキル不足を感じつつも、今まで身につけてきたスキルが役に立つと感じることもありますし、他の人との差別化も図れると感じます。

    • ユーザの業務をイメージして要件を聞き取れる

    • テスト時にユーザが困りそうなところがなんとなくわかる

    • 問い合わせを受けたときの業務の影響を真っ先に考える

    • 業務を止めないための考えを常に持ち続ける

    • 相手の意図をくみ取り、自分のイメージと相違がないか確認をする

    • 会社のお作法やルールも確認し、迷惑をかけないようにする

    私が事務職、社内SE時代に実際に業務を通じて自然に身についたことです。

    ユーザとしての業務を経験していることで、最初から開発をしている人よりも、より業務に寄り添った考え方ができているので、今までの経験も決して無駄にはなっていないと感じました。


    遠回りだった経験が今の仕事でつながった


    事務職としてシステムへの登録や顧客対応。

    社内SEとして関係部署との調整や、要件整理。

    基本情報・応用情報の勉強。

    ベンダーさんとの調整や実装に向けた取り組み。

    これらの仕事が今の仕事で少しずつ活きています。


    自分には何もないと思っていましたが、キャリアを振り返ってみると、その時その時一生懸命やってきたことが積み重なって、今につながっていると感じます。

    最初からこうなることを見越してやってきたわけではありませんが、結果としてうまくつながっているなと感じます。

    事務職、社内SEとして仕事をしたことは、無駄ではなかったと感じます。


    これからは自分で作れる側になる


    今までの経験から、人に作ってもらったり、お願いしたり、どうしたらシステムが止まらずに稼働できるのかといったことはできるようになっています。

    これからはこの経験を活かして、

    「稼働し続けることを見越した、よいシステムを作れるような人」

    になりたいと思っています。

    システムを動かす側から作る側。

    自分で苦労して手を動かして悩んで、よいものを作っていく。

    こうなれるよう、これからも少しづつ自分の理想とする姿に近づいていきたいと思います。


    最後に


    今回は私のキャリア、高卒事務職から社内SE、そしてSIerのSEへ進んだ過去について紹介してきました。

    一見バラバラに見えるキャリアですが、今振り返ってみるとちゃんと全部がつながって、今があるのだと感じます。

    ここまで読んでくれた人の中にはキャリアに悩んでいる人も多いでしょう。

    自分の道があっているのか。

    この道でいいのか。

    もっとほかの道があるのか。

    遠回りに感じているかもしれませんが、結果的にキャリアにはつながっていくものです。


    学生時代の私がこのキャリアを見たら、

    「情報系の学校にも行っていないのにエンジニアになっているなんて!」

    と驚くでしょう。


    時には自分の道に悩み、考えることも大切ですが、今やっていることにも将来大きな価値になる可能性があります。

    今の仕事、行動に力を注ぐことも忘れないようにしてください。

    ここまで読んでいただいたことに深く感謝します。

    ありがとうございました。



     
     
    事務職→社内SE→Sier アラサー会社員。 元々は事務職をしていましたが、急な異動で社内SEへ。その後Sierへ転職。 未経験SEの方へ、少しでも役立つよう、知識と経験を共有します。 非情報系の視点からエンジニアのノウハウを伝えます。 ◇Amazonアソシエイトに参加しています

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