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第4回分数の割り算は、なぜひっくり返しおかけるのか――数孊アレルギヌのための芋取図


    分数で数孊が嫌いになる最倧の関門は、たぶんこれです。

    分数の割り算は、ひっくり返しおかける。

    たずえば、

    2/3 ÷ 4/5  2/3 × 5/4

    こう蚀われた瞬間、倚くの人は思いたす。

    「なぜ、ひっくり返すのか」

    しかも、割り算をしおいたはずなのに、い぀の間にかかけ算になっおいたす。

    割り算なのに、かけ算。
    分母ず分子を、ひっくり返す。

    そしお、それを圓然のように蚈算する。
    これは、なかなか怪しい話です。

    「そういうルヌルだから芚えなさい」
    そう蚀われるず、数孊アレルギヌは増幅したす。


    前々回、分数ずは「割り算の答え」でもあるず考えたした。

    1 ÷ 2  1/2
    5 ÷ 4  5/4

    分数は、割り切れない䞖界を芋捚おないための道具でした。

    そしお前回は、分数の足し算ずかけ算に぀いお考えたした。

    分数の足し算では、別々の量をひず぀に合わせる。
    分数のかけ算では、郚分のさらに郚分を芋る。

    では、その分数でさらに割るずは、いったい䜕をしおいるのでしょうか。

    ここで倧事なのは、「割る」ずいう蚀葉の芋方を少し広げるこずです。

    割り算ずいうず、倚くの人は「分けるこず」を思い浮かべたす。

    6 ÷ 3  2

    これは、6個のものを3人で分けるず、1人分は2個、ずいう意味です。
    だから、割り算ずは「分けるこず」だず思いやすい。

    けれど、割り算にはもう䞀぀、ずおも倧事な意味がありたす。

    それは、「いく぀入るか」を調べるこずです。

    たずえば、

    6 ÷ 2  3

    これは、6個の䞭に、2個のたずたりがいく぀入るか、ず考えるこずもできたす。

    2個のたずたりが、3぀入る。

    だから、

    6 ÷ 2  3

    です。

    ぀たり、割り算には二぀の顔がありたす。

    ひず぀は、同じ倧きさに分けるこず。

    もうひず぀は、その䞭にどれだけ入るかを調べるこず。

    分数の割り算では、この二぀目の芋方がずおも倧切になりたす。

    たず、簡単な䟋から考えおみたす。

    6 ÷ 1/2

    「6を2分の1で割る」ず蚀われるず、急に難しく芋えたす。

    でも、「いく぀入るか」で考えるず、かなり芋えやすくなりたす。

    6の䞭に、1/2はいく぀入るか。

    1/2ずは、半分です。

    1の䞭には、半分が2぀入りたす。

    だから、6の䞭には、半分が12個入りたす。

    ぀たり、

    6 ÷ 1/2  12 です。

    ここで、少し䞍思議なこずが起きおいたす。
    6を割ったのに、答えが12になりたした。
    割り算なのに、答えが倧きくなったのです。

    でも、これは䜕もおかしくありたせん。
    割る数が1より小さいからです。

    倧きな箱の䞭に、小さなものがいく぀入るかを数えれば、個数は倧きくなりたす。

    6の䞭に、2はいく぀入るか。答えは3぀です。
    6の䞭に、1はいく぀入るか。答えは6぀です。
    6の䞭に、1/2はいく぀入るか。答えは12個です。

    割る数が小さくなるほど、「いく぀入るか」の答えは倧きくなる。

    6÷23
    6÷16
    6÷1/212

    だから、分数で割るず答えが倧きくなるこずがあるのです。

    次に、

    2 ÷ 1/3 

    を考えおみたす。

    これは、2の䞭に、1/3はいく぀入るか
    ずいう意味です。

    1の䞭には、1/3が3぀入りたす。

    では、その「1」が2぀あったらどうでしょうか。

    3぀入る堎所が、2぀ある。

    だから、

    3 × 2  6

    ぀たり、

    2 ÷ 1/3  6

    です。

    ここで、蚈算だけを芋るず、

    2 ÷ 1/3  2 × 3  6

    ずなっおいたす。

    ぀たり、1/3で割るこずは、3をかけるこずず同じになっおいたす。

    なぜでしょうか。

    1/3で割るずは、「3分の1がいく぀入るか」を数えるこずです。

    1の䞭に、3分の1は3぀入る。

    その入れ物が2぀ある。

    だから、3぀が2組ある。

    ぀たり、2 × 3。

    これが、

    1/3で割る  3をかける の正䜓です。

    ここたで来るず、「ひっくり返しおかける」の気配が少し芋えおきたす。

    1/3をひっくり返すず、3/1。

    ぀たり、3です。

    だから、

    2 ÷ 1/3  2 × 3

    になるのです。

    ただし、いきなり「ひっくり返す」ず考えるから怪しく芋えるだけです。

    本圓は、3分の1が䜕個入るかを数えおいるだけなのです。


    ここで、蚈算方法ずしおの考え方も芋おおきたす。

    分数のこずはいったん忘れお、普通の割り算を思い出しおみおください。

    たずえば、

    4 ÷ 2  2
    8 ÷ 4  2

    どちらも答えは同じ2です。

    「4 ÷ 2」の、割られる数である4ず、割る数である2の䞡方を、それぞれ2倍したのが「8 ÷ 4」です。

    ここに、割り算の䟿利な性質がありたす。

    割られる数ず割る数の䞡方に、0ではない同じ数をかけおも、割り算の答えは倉わらないのです。

    4 ÷ 2 の䞡方を3倍しお、

    12 ÷ 6

    にしおも、答えはやっぱり2です。

    䞡方を10倍しお、

    40 ÷ 20

    にしおも、答えはやっぱり2です。

    これは、比が倉わっおいないからです。

    この性質を、分数の割り算にも䜿っおみたす。

    たずえば、

    1/2 ÷ 2/3

    を考えたす。

    この蚈算をややこしくさせおいるのは、右偎にある「÷ 2/3」です。

    もしもこれが「÷ 1」だったらどうでしょうか。

    5 ÷ 1  5
    100 ÷ 1  100
    3/4 ÷ 1  3/4

    どんな数字であっおも、1で割るなら、巊偎の数字がそのたた答えになりたす。

    だったら、右偎の「2/3」を1に倉えおしたえばよいのです。

    2/3を1にするには、䜕をかければよいでしょうか。

    分母ず分子をひっくり返した数、぀たり「3/2」をかけたす。

    2/3 × 3/2  6/6  1 ずなるからです。

    ただし、右偎だけに3/2をかけるず、割り算の答えが倉わっおしたいたす。

    だから、巊偎ず右偎の䞡方ぞ同じ数、3/2をかけたす。

    ​1/2 ÷ 2/3

    1/2 × 3/2÷2/3 × 3/2

    ​右偎のカッコ2/3 × 3/2を蚈算するず、

    2/3 × 3/2  1

    になりたす。

    ​するず、匏はこう倉わりたす。

    1/2 × 3/2÷ 1

    1で割るず、そのたたです。

    だから、

     1/2 × 3/2

    になりたす。

    元の匏ず芋比べおみたす。

    【元の匏】  1/2 ÷ 2/3
    【今の匏】  1/2 × 3/2

    「÷ 2/3」が、「× 3/2」に倉わりたした。

    ぀たり、割る数である2/3を1にしお、ややこしい割り算を消そうずした結果、巊偎に「ひっくり返した数をかける」ずいう圢が残ったのです。

    これが、「ひっくり返しおかける」の正䜓です。

    孊校で習ったあの怪しいルヌルは、理䞍尜な呪文でも、数孊の䞍思議な儀匏でもありたせん。

    割る数を1にしお、割り算を扱いやすくするために、割り算の性質を正しく䜿った結果なのです。

    ここで、䞀぀だけ泚意しおおきたす。
    前々回、分数は「割り算の答え」だず考えたした。

    2/3は、2 ÷ 3の答え。
    4/5は、4 ÷ 5の答え。

    では、

    2/3 ÷ 4/5 は、

    2 ÷ 3 ÷ 4 ÷ 5

    なのでしょうか。

    違いたす。

    2/3も、4/5も、それぞれ䞀぀の数です。

    だから、

    2/3 ÷ 4/5 ずは、

    「2 ÷ 3の答え」を、

    「4 ÷ 5の答え」で割る

    ずいう意味です。

    ぀たり、2 ÷ 3÷4 ÷ 5です。

    2 ÷ 3 ÷ 4 ÷ 5 ではありたせん。

    分数の暪棒は、ただの線ではありたせん。䞊の数ず䞋の数を、ひずたずたりにしおいる線です。

    ここは、分数を考えるずきの倧切なポむントです。

    最埌に、最初の䟋に戻っおみたす。

    2/3 ÷ 4/5

    これは、4/5で割る蚈算です。

    4/5で割るずは、

    4/5がいく぀入るかを調べるこずです。

    蚈算のルヌルずしおは、4/5をひっくり返しお、5/4をかけたす。

    2/3 ÷ 4/5

     2/3 × 5/4

    分子同士、分母同士をかけるず、

    2 × 5  10
    3 × 4  12

    なので、 10/12 になりたす。
    玄分するず、5/6 です。

    ぀たり、

    2/3 ÷ 4/5  5/6 です。

    ここで倧事なのは、答えの感芚です。

    2/3は、4/5より小さい数です。

    2/3は、およそ0.666  。
    4/5は、0.8。

    ぀たり、

    2/3の䞭に、4/5は䜕個分入るかを芋おいるこずになりたす。

    4/5をたるごず1個入れるには、2/3では足りたせん。だから、答えは1より小さくなるはずです。

    実際、答えは5/6。

    これは1より小さい数です。
    蚈算結果ず感芚が、ちゃんず合っおいたす。こういう確認は、地味ですが倧切です。

    数孊で怖いのは、蚈算ルヌルだけを動かしお、答えの倧きさの感芚を芋倱うこずです。

    分数の割り算でも、

    「これは1より倧きくなりそうか」

    「それずも1より小さくなりそうか」

    を少しだけ芋おおくず、数孊はかなり安心できたす。


    孊校では、分数の割り算は、割る数をひっくり返しおかける、ず教わりたす。

    たしかに、蚈算だけならそれで十分です。

    3/4で割るなら、4/3をかける。
    2/5で割るなら、5/2をかける。
    7/9で割るなら、9/7をかける。

    詊隓では、このルヌルを䜿えれば点数は取れたす。

    でも、それだけでは、なぜその蚈算が成り立぀のかたでは芋えおきたせん。点数は取れたすが、どこか䞍気味さが残りたす。

    なぜ、ひっくり返すのか。
    なぜ、割り算がかけ算になるのか。

    その理由が芋えないたた進むず、数孊はどんどん「勝手に決めたルヌルの暗蚘」に芋えおきたす。

    でも、本圓は違いたす。
    割るずは、「分けるこず」だけではありたせん。
    その䞭に「いく぀入るか」を調べるこずでもありたす。

    6 ÷ 1/2 は、6の䞭に半分がいく぀入るか。
    2 ÷ 1/3 は、2の䞭に3分の1がいく぀入るか。
    そしお2/3 ÷ 4/5は、2/3の䞭に4/5がいく぀入るか。

    そう考えれば、分数で割るこずは、決しお謎の儀匏ではありたせん。

    「䜕個分あるか」を調べおいるだけなのです。

    そしお蚈算の圢ずしお芋れば、割る数を1にするために、その逆数をかけおいるだけです。

    だから、

    分数で割る  割る数をひっくり返しおかける

    になるのです。

    数孊は、蚈算ルヌルだけを先に枡されたずきは意味䞍明な呪文のように芋えたす。

    マむナスずマむナスをかけたらプラス。
    分数の割り算は、ひっくり返しおかける。

    どれも、䞞暗蚘だけで通り抜けるこずはできたす。

    でも、その奥にはちゃんず理由がありたす。

    ただ数字をひっくり返すのではなく、芋方をひっくり返す。

    「分ける」から、「いく぀入るか」ぞ。

    その芖点の切り替えこそが、分数の割り算を理解するための入口なのです。



    数孊アレルギヌのための芋取図 第回はこちら↓


     
     
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