
ぬい活とサメヲタ|雑サメ。〜勇者の隣で普通に暮らす……多分♯62 |第9章 世界が更新されたのかどうかは、よく分からなかった(たぶん気のせい編)
神殿内の自室。
シオリが縫い物をしてるとミカルが帰ってきた。
ミカルはシオリの制作物を一目見ると、
「なんだそりゃ」
と呟く。
「……ぬいぐるみ?」
「灰色の三角形の物体だな」
ミカルはそれ以上何も言わなかった。
ある日。
「だいぶ増えたな」
「でしょ!」
シオリはニンマリする。
「これが初代ジョーズで、こっちは2代目。あ、こっちはファイブヘッドジョーズ!!!」
心なしかミカルの顔が青い気がしたが、そこは気付かないふり。
「こっちの世界はサメ映画ないでしょ?だから隙間を埋めたくて手を動かしてたらいっぱいできた!」
「嬉しそうだが、そのヒトデみたいなのはなんだ」
「いいね。そこ食いつくんだ。ファイブヘッドジョーズは多頭ザメでね」
シオリは左手にぬいぐるみ、右手に棒人間を構える。
全部フェルト製。自作手作り。
「食べられるとき、人が吸い込まれるように消える」
棒人間をヒトデに突っ込んだ。
「意味がわからん」
「でね。最初の仲間が食べられたとき、みんな一斉に嘆く。本当に悲しむ」
「当たり前だろ?」
「わかってないなあ」
シオリはため息をついた。
「……ここでこの映画は思ったより本気度高いって気がついたの」
「……」
ミカルの顔が曇った気がした。
多分気のせい。
「ちゃんとテンプレ市長さんみたいな人もいて最後は多分爆破された。あれだけテンプレ沿ってくれてると気持ちよくってさー」
喋る速度が自然と上がる。
気分が高揚し、背筋が伸びる。
ついでに腕も。
「「……」」
「まだその話、続くのか?」
「……うーん、ここまでにしとく」
サメ映画は興味無い人には拷問レベル。
「ミカル、ジュース飲む?」
「……なんでだ」
「なんとなく」
ミカルは少し考えて、頷いた。
◻︎◻︎
おまけ
「テンヘッドジョーズ!!!」
「……座布団だな」