秋の空
秋。
マッチョ華道の野外大会が開かれた。
審査基準は、
「秋の空に映えること」
だった。
朝。
青空に負けないよう、
太い枝を高く伸ばした。
昼。
雲が出た。
「もっと迫力を」
石が増えた。
夕方。
風が強くなった。
「もっと強固に」
花器が大きくなった。
台風が来た。
参加者たちは作品を守るため、
柱を立てた。
ワイヤーで固定した。
防風壁を作った。
最後に、
大きな屋根をかけた。
翌朝。
作品は無事だった。
審査員たちは、
満足そうに見上げた。
秋の空は、見えなかった。
『風まかせ文芸部』×『毎週ショートショートnote』
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