
崎戸島でジョギング〜西海市崎戸町百話#034
園崎咲人ーー第三十四話 崎戸島で7キロ走る
私は普段、一回にだいたい7キロジョギングしている。
崎戸島でもジョギングをしてみた。
家のある本郷から北緯33度線展望台までは、だいたい2キロ。往復しても4キロ少々しかない。
これでは足りない。
そこで本郷橋を渡り、蛎浦の方まで走った。閉鎖されたRV村の先の方まで行って距離を稼ぎ、再び崎戸島へ戻る。それでも足りないので、最後は本郷港の周辺を走った。
これでようやく7キロになった。
二回目は、はじめから蛎浦方面へ行ってみた。
家から本郷橋を渡り、さんさん元気らんどを目指した。
その日は大雨のあとだった。
元気らんどへ着くと、広い芝生にはあちこちに水がたまっていた。その中を走り、また来た道を崎戸島まで戻った。
走ってみると、車で通る時とは距離の感じ方が違う。
今は静かな道を走っている。
もし炭鉱の時代にこのルートを走ったのなら、浅浦の炭坑や美崎アパートもあったのだろう。そして炭坑夫たちの住居街を走っていたのだろう。
今とはまったく違う景色の中を走っていたに違いない。
崎戸島だけでは7キロにならない。
だから橋を渡り、蛎浦まで走って、また島へ帰ってくる。
7キロ走るだけで、今の崎戸と昔の崎戸の両方を通っているような気がした。
園崎咲人