
西海市崎戸町百話#045〜蛎浦島と無田島
園崎咲人ーー第四十五話 蛎浦島と無田島
崎戸町の蛎浦に、無田島という場所がある。
「島」と付いている。
ところが、今そこへ行っても島には見えない。
蛎浦島から普通に道が続いている。橋を渡るわけでもない。海を越えるわけでもない。
知らなければ、蛎浦島の一部だと思う。
私もそうだった。
そこには浅間神社がある。
そして調べていくと、無田島は名前だけが「島」なのではなかった。昔の資料では、蛎浦島とは別の島として扱われている。
つまり、今の景色の方が後からできたことになる。
では、いつつながったのだろう。
炭鉱の時代なのか。港を造った時なのか。それとも、もっと別の理由だったのか。
そこまでは、まだ分からない。
面白いのは、島が陸続きになっても名前が消えなかったことだ。
地形は変わった。海だったところも消えた。
それでも「無田島」という名前だけは、昔ここが島だったことを覚えている。
今の景色だけを見ていたら、昔ここに海があったことには気づかない。
崎戸には、こんなふうに名前の中に昔の地形が残っている場所がある。
園崎咲人