
西海市崎戸町百話#053〜崎戸にいなくても、崎戸の天気を見る
第五十三話 崎戸にいなくても、崎戸の天気を見る
私は崎戸にいない時でも、崎戸の天気を見ている。
スマホの天気情報の地域を、西海市に設定しているからだ。
「大雨注意報、警報」
「強風注意報」
結構な頻度で通知が届く。地震があれば、その情報も来る。
崎戸にいる時なら当然気になる。しかし私は普段、崎戸にいるわけではない。
それでも西海市に大雨警報が出れば、崎戸の家は大丈夫だろうかと思う。
特に心配になるのが裏山だ。
強い雨が続けば、崩れないだろうかといつも気になる。離れた場所にいるから、なおさら何もできない。
以前、崎戸で夜中に激しい雷雨に遭ったことがある。停電してエアコンも使えなくなった。雨は激しく、裏山も心配だった。
結局、その夜は家族で車に避難して過ごした。朝6時ごろ、ようやく電気が戻った。
そんな経験があるから、西海市から雨の通知が来るたびに、まず裏山を思い浮かべるのかもしれない。
長崎の中でも、崎戸だけが特別に雨の多い場所というわけではないらしい。
それでも私のスマホには、何度も西海市の雨や風の情報が届く。
私は崎戸にいない。
遠く離れていてもいつも心配する。
天気予報だけは、いつも崎戸とつながっている。
園崎咲人