
西海市崎戸町百話#028〜崎戸島の自販機
第二十八話 崎戸島の自動販売機
私が知る限り、今の崎戸島にある自動販売機は、本郷公民館前の一台だけだ。
以前は、山の上、旧咲都ホテルのところに自動販売機が置かれていた。
ところが、この夏に行ってみるとなくなっていた。
いつ撤去されたのかは知らない。
それだけのことかもしれない。
でも、そのことで、本郷公民館前の自動販売機も、以前とは少し意味が変わった。
かつて、公民館の前にある親戚の家のすぐ横には店があったと思う。
だから店の前に自動販売機があるという、ごく普通の風景だったはずだ。
店はなくなった。旧咲都ホテルのところにあった自動販売機もなくなった。
そして今、私が知っているのは公民館前の一台だけになった。
炭鉱がなくなった。学校がなくなった。店もなくなった。
そういう大きな変化ばかりを崎戸の歴史として見てしまう。
でも、島の変化はもっと小さなところにも現れる。
そこにあった自動販売機が、次に来た時にはない。
そんなことからも、人の暮らしが少しずつ変わっていることに気づかされる。
園崎咲人