
西海市崎戸町百話#038〜にがり-新婚旅行の土産品
園崎咲人ーー第三十八話 にがりー新婚旅行の土産品
2004年、新婚旅行で長崎に来て、崎戸に立ち寄った。
妻の父が崎戸出身で、叔母たちが実家に住んでいたので、崎戸に立ち寄り挨拶をしたのだ。
そのため、長崎観光をしながら、崎戸にやって来た。
この旅行で困ったのが、会社の同僚へのお土産だった。
何を買おうか。出来るだけ、現地の品がいい。
そして私が選んだのが、「にがり」だった。
当時の私は、にがりというものをよく知らなかった。
海水から塩を作る時にできるものらしい。
その程度の知識だったと思う。
調味料みたいなものだろう。
崎戸らしいし、珍しい。それなら土産にいい。
そんな感覚で買って帰り、会社の同僚に配った。
ところが、どうも反応がいまいちだ。
「にがり?」
という感じである。
考えてみれば当然だったのかもしれない。
お菓子ならその場で食べられる。酒なら飲める。
ところが、にがりをもらっても、どう使えばいいのか分からない。
渡した私自身がよく分かっていなかったのだから、なおさらである。
あれから二十年以上が過ぎた。
今になって崎戸について調べ、百話を書いている。
そして、にがりについても当時よりずっと知るようになった。
それでも思う。
新婚旅行のお土産に「にがり」。
もう少し何かあっただろう、2004年の私。
園崎咲人
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