
石炭シリーズ③〜西海市崎戸町百話#056:アワビを採っていたら石炭があった
第五十六話 石炭シリーズ③〜アワビを採っていたら石炭があった
崎戸で石炭が採れた。
では、最初に誰が見つけたのだろう。
調べてみると、始まりが意外だった。
1886年。場所は千畳敷、芋島の南。
アワビを採っていた海士が、海底で石炭を発見したという。翌年には炭層が確認され、1888年には芋島で鉱区が取得された。
つまり最初から、崎戸の石炭は海と一緒に見つかったことになる。
石炭がある。それなら掘ればいい。
そう簡単な話でもなかった。
崎戸の炭層は海底へ広がっている。陸上の露頭を掘っていく炭鉱とは違い、本格的に採掘するには大きな資金と技術が必要だった。
1905年、鉱区の所有者たちが崎戸鉱業発起組合を結成。ボーリング調査を行うと、15箇所で炭層が確認された。
そして1907年、九州炭鉱汽船が設立され、崎戸炭鉱の本格的な開発が始まっていく。
石炭は、ずっと海の下にあった。
そして、きっかけはアワビだった。
崎戸の巨大な炭鉱の歴史は、海士が海へ潜ったところから始まったらしい。
園崎咲人