
西海市崎戸町百話#033〜「とんぼ公園」
園崎咲人ーー第三十三話 とんぼ公園
蛎浦の道路を走っていると、「とんぼ公園」という看板が目に入る。
道路沿いにあるので、崎戸へ行ったことのある人なら、見覚えがあるかもしれない。
私もいつも目にしている。
ただ、いつ通っても、それほど人がいる印象はない。
なぜ、ここに「とんぼ公園」があるのだろう。
調べてみて、初めて知った。
この公園の池には多くの種類のトンボが生息し、その中には絶滅が危惧されているベッコウトンボもいるという。
ベッコウトンボ。
名前の通り、羽に鼈甲を思わせる模様を持つトンボである。
私は見たことがない。というより、とんぼ公園を知りながら、そこにそんな貴重なトンボが生息していることさえ知らなかった。
崎戸というと、どうしても海に目が向く。
水の透明さ、魚、港、入り江。
しかし、島の内側に目を向ければ、小さな池があり、そこにも守られてきた命がある。
いつも道路から何気なく見ていた「とんぼ公園」という看板。
今度は通り過ぎずに立ち寄ってみたい。
そして、本物のベッコウトンボを見てみたいと思う。
園崎咲人