
自分に意地悪しないで
ギョッとする瞬間 ーーー
名刺を差し出した時の、ひどい爪の縦ジワ。
エレベーターの鏡に映った、無表情なマリオネット。
振り向きざまの鏡に映った、もっさりした襟足。
そういう時は決まって、
人差し指にサカムケ。
余裕なく、ゴム手袋を履かずに食器洗いとか。
ハンドクリームを塗る余裕がないとか。
そもそも全身乾燥しきっているとか。
ピロッ。痛!
ピロピロッ。痛い!
しばらくサカムケをがまんする。
こういう時は、
巻き肩になっていて、
呼吸も苦しくて。
話し方もトゲトゲしているような気がする。
忙しい!忙しい!
痛いけど、早く終わらせなくちゃ!
痛いけど、痛いけど、
これくらい、がまんできるし!
あー!
いちいちピロピロ!痛いな!もう!
我慢せずに、サカムケを優しくカットして、
ばんそうこうをあてて、
ピロピロを防ぐだけでも
心のトゲがチクチクしなくなる、のにね。
わかってる。
そんなこと。
でもなんで、自分を痛めつけるのかしら?
私は時々、自分に意地悪だ。
やっと、ばんそうこうをあてる。
最初から、こうすれば良かった、とやっと我に返る。
我に返ったら、
私は垢すりマッサージに出かける。
2~3か月に一度。
いつも同じ垢すり師の女性にお願いする。
黒い紙パンツ一丁で、宇宙空間に放たれるがごとく、ベッドに浮かぶ私。
眼鏡を外すと、自分がどんな状態かも、彼女が私をどう見ているかもわからない。
ベッドの上で全てを、彼女に委ねる。
脚から背中から腕から、力が抜けていく。
彼女は気を遣わせることは一切言わない。
ほぼ全裸で委ねておきながら言うのもなんだが、距離感がちょうどいい。
ウトウト。
とはいえ、熟睡はさせない、適度な間合いの会話。
いつも最後の方で、たぶん一瞬、私は寝落ちしている。
恥ずかしいくらいボロボロで、恥ずかしいくらい身体も固くて。
ちゃんと手当てしていなかったことを思い知らされます。
「いえいえ、毎日、とってもがんばっていらっしゃるんだな~
と思いながら、施術させていただきましたよ♪
今日はたっぷり水分摂ってくださいね。」
浴室の湯気じゃない。汗でもない。
ジュワッと、両胸の間が熱くなって、
ジュワワッと、瞳の周り360度から熱いものが滲み出る。
泣きそうだ。
私が見て見ぬふりしていた、
私のがんばりを教えてくれた気がしたから。
自分に意地悪なんかしないで、
誰よりも先に、
「私、よくがんばってる」って言いたい。
それは、
水に濡れたばんそうこうが指からスルリと抜けるくらい、
カンタンで気持ちが軽くなることなのに、ね?
いつも読んでくれてありがとう!
4月、5月と乗り切れた人も、疲れが出てくる頃かも。
6月の雨だけでは、心は潤いませんぜ!
♡v( ̄Д ̄)v イエイ
Header Illustration courtesy of うみ|50代で仕事辞めましたさん.
私の心にキターッ!素敵なイラストをお借りしました。ありがとうございます♪