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【選択小説】好きな子のスマホ拾ってしまった 41

    ※選択式の、ゲームブック形式(ノベルゲーム)の小説です。
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    俺のハッピーエンド

    そして、あの件から少し落ち着いた頃。
    ある放課後。
    俺と由奈は、再びあの屋上にいた。

    スマホを拾った、あの始まりの場所。
    放課後になったばかりだというのに、夕日で校舎が赤く染まっていた。

    あれから、ずいぶん時が経った気がした。

    「勇介。」
    由奈が俺の名前を呼んだ。
    照れくさそうに、でも真っ直ぐに俺を見つめて。

    「助けてくれて、ありがとう。
    全部、勇介が頑張ってくれたから…。」

    俺は照れながら頭を掻いた。
    「俺こそ……結局、モブキャラのままだと思ったけど、由奈を守れてよかった。」
    由奈がくすっと笑った。

    「本当はね、あの時、わざとスマホを落としていったんだ。
    ほら、勇介って時々あの屋上階段の辺りでソロ活したりしてたじゃない?
    そしたら、他の人じゃなくて勇介が拾ってくれるかなって。
    そんな馬鹿みたいなこと、考えてたの。」

    由奈は顔を真っ赤にしながら、恥ずかしそうに言った。

    「それに、パスワードも。
    パスワードが勇介の誕生日なら、勇介だけが開けられるかなって。」
    俺の心臓が大きく跳ねた。

    「由奈……」
    「私、ずっと勇介のことが好きだった。
    日記に書いてたの、全部本当だよ。」
    由奈は俺の胸に顔をうずめた。

    「これからは……一緒にいていい?」
    俺は由奈を抱きしめ返した。

    「もちろん!
    …これからも、由奈のことを守ります。」

    モブキャラAだった俺は、最後に自分の物語を手に入れた。

    始まりは不純だった。
    好きな子のスマホを拾ってしまった。
    彼女の「今の姿」を覗きたいと、持ち帰ってしまった。

    怖い思いもした。
    自宅の住所を特定されたり、ストーカーとの直接対決をしたり。
    どこかで間違えていたら、俺だって危険人物として対処されていたかも知れない。

    図らずも俺が主役になってしまった、この歪な物語は、ようやく幕を下ろす。
    ハッピーエンドの恋物語として。

    そして今、ヒロインは俺の腕の中に居る。

    ~完~


     
     
    役に立つことと、無駄なことの境目をウロウロしています。 【選択小説】という、選択肢で結末が変わる小説も書いています。

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