『Blue Ivyから読むBeyoncé③』RenaissanceにおけるBlue Ivy ― “未来世代”としての身体
1. はじめに
『Renaissance World Tour』で、当時11歳だったBlue Ivyは、最初から完成されたパフォーマーとしてステージに立ったわけではありませんでした。
前回まで見てきたように、自分から出演を望み、初出演後には厳しい反応も受けながら、練習を重ねていきました。
では、そのBlue Ivyが立った場所を、『RENAISSANCE』という作品の側から見てみるとどうでしょうか。
『RENAISSANCE』には、Beyoncéが前の世代から受け取った音楽や文化があります。その作品をもとにしたステージに、Beyoncéの次の世代であるBlue Ivyが加わった。
私はこの光景を見ていると、「受け継ぐ」ということを考えずにはいられません。
今回はBlue Ivyを「未来世代」という視点から見ながら、『RENAISSANCE』の中で親から子へ何が手渡されていくのかを考えてみます。
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2. 『RENAISSANCE』が受け取ったもの
Blue Ivyを「未来世代」という視点から見る前に、『RENAISSANCE』がどんな音楽や文化を受け取っているのかを確認しておきたいと思います。
アルバムには、ハウスやディスコをはじめ、黒人やクィアの人々が育ててきたダンスミュージックの歴史が色濃く流れています。
Beyoncé自身もアルバム発表時、この作品のインスピレーションとなった音楽や文化を教えてくれた存在として、亡きUncle Jonnyへの感謝を綴りました。そして、文化を生み出してきた先駆者たちや、長い間その貢献を十分に認められてこなかった人々にも敬意を示しています。
つまり『RENAISSANCE』には、Beyoncéより前の世代が育ててきた音楽や文化が、確かに流れ込んでいます。
その作品をもとにしたツアーに、今度はBeyoncéの娘であるBlue Ivyが加わりました。
過去からBeyoncéへ。そしてBeyoncéの隣には、次の世代がいる。
もちろん、Beyoncé自身が「文化を継承させるためにBlue Ivyを出演させた」と語ったわけではありません。それでも私は、この世代の並びに『RENAISSANCE』とBlue Ivyを一緒に考える面白さがあると思います。
3. 完成していない姿のまま、ステージに立った
Blue Ivyが『Renaissance World Tour』に加わったとき、彼女はまだ11歳でした。
前回見てきたように、初出演後にはダンスへの厳しい反応もありました。それでも出演を続け、練習を重ねるうちに、その変化を称える声も見られるようになります。
ここで注目したいのは、Blue Ivyが「受け継いだもの」を完成された形で披露したわけではないことです。
母と同じステージに立ちながら、本人はまだ経験を積んでいる途中でした。
親から子への継承というと、すでに身につけた技術や仕事を次の世代へ渡す姿を想像しがちです。
ではBlue Ivyの場合、その「受け取る時間」は、実際にはどこから始まっていたのでしょうか。
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ここからは、成長途中だったBlue Ivyの姿を手がかりに、「受け継ぐ」とはどういうことなのかを考えていきます。
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Blue Ivyから読むBeyoncé
Beyoncéのステージに立つようになったBlue Ivy。なぜBeyoncéは最初、娘の出演に「NO」と言ったのか。なぜ観客は、批判する…
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