
〔講義006〕『レジェンド論〜金澤慎という才能〜』[蹴球学部|社会学科]
■ ユースからトップへ
金澤慎。2002年に大宮ユースからトップ昇格した選手である。
2シーズン東京ヴェルディにレンタル移籍していたので、残念ながら正確にはワンクラブマンではないが、クラブのバンディエラとして知る人ぞ知る選手だ。
■ 温厚で物静かな人柄
人柄はインタビュー等を見る限り、とても温厚で物静かな好青年といった印象。
見た目は、アンパンマンのキャラクター「かつぶしマン」そっくりで、当時はよくイジられていたそう。
■ 三浦俊也監督の信頼
三浦俊也監督に見出されレギュラーの座を射止めたが、当初は不安定なプレーに終始し、懐疑的な意見も決して少なくなかった選手だった。
プレースタイルも何か目立つ特長があったわけでもなかったが、前述の三浦監督が辛抱強く彼を使い続け徐々にプレーの安定性が出てきたのだ。
■ いつしか欠かせない存在に
それからの金澤慎は、どの監督の下でもなんだかんだレギュラーになり、いつしかユース出身者の最多出場記録を打ち立てたりもした。
失礼な言い方になるけれど、一選手としては並だったが、大宮OBの氏家英行・斉藤雅人・他チームでいえば浦和の内舘秀樹といったいぶし銀の素晴らしい11分の1の選手になった。
■ 大宮のユース出身者らしからぬプレー
テクニカルな選手を輩出してきた大宮のアカデミーでは異色のプレースタイルである。
よくぞトップ昇格まで漕ぎ着けたと言ってもいい。
はっきり言うが、基本的な技術が平均以下なわけではなく、あくまでもテクニックを前面に押し出すようなプレースタイルではなかっただけである。
彼のような汗かき役が注目されることは少ないが、チームになくてはならない潤滑油であったことは声を大にして言いたい。
派手な足技を披露するよりも、監督が求めるプレー・チームが必要としている最適解を具現化するプレーを常に意識していたからこそ、どの監督の下でもベテランになっても必要とされる存在であり続けたのだ。
■ レジェンドの証
大宮のユース出身者がアルディージャの一員として引退したのは、金澤慎以外にはそう多くない。
金澤がつけていた23番を受け継いだのは、FC東京から移籍した矢島輝一。
ポジションもプレースタイルもまったく違うが、期待している若手にクラブは23番を託したのだ。
そしていま、23番を背負っているのは元浦和戦士の杉本健勇。
前述の矢島が期待したパフォーマンスを披露できなかったからか、今度は実績・知名度抜群のベテランに23番を託した。
数年後は大宮の23番といえば杉本健勇となるだろう。
しかし、これからも大宮の23番を誰が受け継ぐのか?
この興味が尽きることはない。
【了】
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