
🍒子どもの詩200 Family-20
〜幸せな時間〜
読みに来ていただき、ありがとうございます。
子どもの詩を紹介するnoteです。
🔹
穏やかで幸せになれる時間は、いつでしょう。私の場合は、朝の畑で野菜の収穫をしている時と、小学1年生の孫娘と会話している時でしょうか。では、この二つを同時にしたら‥‥。
おじいちゃんの畑
日曜日 早起きすると下の台所から
「えりか しゅんぎく取ってきてー」と母の声
「はあーい いいでぇ」と自転車に乗った
おじいちゃんの畑は池の向こう側にある
太陽がのぼってきて水面をキラキラ光らせていた
そのまぶしさに目を細めながら
ペダルをこいで行った
やっぱりおじいちゃんとおばあちゃんは畑にいた
二人はいつも
日が射し込んで暑くなる前に仕事をする
「おばあちゃーん 春菊またちょうだーい」
と大きな声で言うと「なんぼでも取りよー
春菊は油炒めが一番おいしいよ」と
にっこり笑ってくれた
先っぽの柔らかい葉だけ摘み取った
ポキポキと茎が折れていき
指からほろにがい香りがしてくる
「四人分だったらこのぐらいかな」と
おばあちゃんも一緒に手伝ってくれた
持ってきたナイロン袋がはちきれそうになり
「おばあちゃんありがとう もういいよ」と言った
「また取りにおいで」と言ってくれた
おじいちゃんも畑の向こうで手をふってくれた
おじいちゃんの畑に行くと
いつも気持ちがよくなるから不思議
二人はいつも仲良く一緒に畑の仕事をしている
おじいちゃんは夏でも長袖のシャツを着て
トンガでかじき うねを作っている
おばあちゃんはエプロンをして
かがんでせっせと草引きをしている
「えりか おじいちゃんの畑の野菜はなあー
農薬をつことらんから安全だよ」と
ちょっと自慢しておじいちゃんは言う
私の家の軒下はおじいちゃんと
おばあちゃんが育てたタマネギがつるしてある
じゃがいももダンボールにいっぱいある
「えりか 家の野菜を食べると
元気になるぞ」と言ってくれる
おじいちゃんの畑に行くと
おもしろい発見でいっぱい
四月 三センチぐらいだったかぼちゃの葉が
今 私の顔ぐらいになり
つるを畑じゅうに伸ばしている
緑の葉が増えて畑が勢いづいている
畑に行くたび成長しているのが分かる
前よりずっと大きくなった野菜を見ると
「自然はすごいなあ」
「自然は生きているんだなあ」と
私に強い力をくれる
おじいちゃんとおばあちゃんの
畑の中に立っていると
「えりか えりか」という二人の
私を愛おしんでくれる声が聞こえてくる
つらいことがあったって
さみしいことがあったって
うまくいかないことがあったって
優しく私をつつみ私の心を温かくしてくれる
おじいちゃん
おばあちゃん
いつもありがとう
夏休みには私も一緒に草引きするね
5年 えりか
2001年の作品です。祖父母に、愛おしまれて育ったえりかさん。年月を経た今、きっと人を愛おしむことのできる大人になっていることでしょうね。