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🍒子どもの詩214 Family-21

       〜エールを送る〜

     読みに来ていただき、ありがとうございます。
     子どもの詩を紹介するnoteです。
           🔹
     歳をとって、体が思うように動かなくなってくると、人は自分の価値が下がってきたような気持ちになります。退職して、一線から身を引いた後は尚更です。しかしそれはどうやら違うのではないかと、次の作品が問題提起してくれています。

       がんばれ
    「愛媛のおじいちゃんが倒れて入院したって」
    お母さんがあわてて行く用意をしながら言った
    あんまり大変なことだと
    思っていなかったぼくは
    病院についてびっくりした
    体が動かず顔も半分しか動かない
    真っ青でいっぱい機械を
    つけられていたおじいちゃん
    左目でギョロっとぼくを見て
    わずかに動く左手で
    ぼくの手をぎゅっとにぎった
    一生懸命何か言ってくれるけど
    口が半分しか動かないから分からない
    ぼくは少しこわくなった
    その時「おじいちゃんはがんばって生きるから
    たかしもがんばれ」と言っているのが分かった
    みんなに分からなくてもぼくにだけは分かった
    おじいちゃんがあんまり力を入れるから
    息が乱れて別の装置がつけられた
    「もう  今日はこのへんで」
    言われて部屋を出た
    帰る途中も
    おじいちゃんの姿ばかりが浮かんできた
    「おじいちゃん  死んじゃうのかな」
    不安でいっぱいになった

    小さいころおじいちゃんが苦手だった
    厳しくて
    騒いだり妹とけんかしたりすると
    きつく叱られた
    ぼくの中では
    強くて大きくて恐いおじいちゃんだった
    でも今は別人のようだった
    「お母さんは三人姉妹だったから
    おじいちゃん  男の子がほしかったんだって
    それで初孫のたかしに期待して
    厳しくしてしまったみたいよ
    今日はたかしが来てくれて
    嬉しかったと思うよ」とお母さんが言った

    一週間  二週間‥‥一ヶ月と
    不安な日が過ぎた
    病室のおじいちゃんはさ少しずつよくなっていった
    表情がわかるようになった
    言葉もだいぶんはっきりしてきた
    「手足を動かす練習をしているんだ
    痛いけど絶対がんばりぬくよ」
    おじいちゃんの体中から
    生きる力が湧き出ているみたいに見えた

    ぼくは元気なのに何かがんばっているかな
    水泳  マラソン  サッカー
    練習から逃げていないかな
    がんばっているつもりだけど
    おじいちゃんのがんばりにはまけたよ
    おじいちゃん
    ぼく  もうにげないよ
    ぼくもがんばるよ
    おじいちゃんもがんばれ!
         6年 たかし

     若い人、特に子ども達は、年老いた後の人の生き様を見て学ぼうとしているのです。どのように「生」を全う(まっとう)しようとしているのか、ずっと見ているのです。たかし君のおじいちゃんの言動から学ぶことは、とても多いと私は考えます。
           🔹
     最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
     また読みに来ていただけたら、嬉しいです。

     
     
    気がつけば、子どもの書く文章を収集する人生になっていました。職業柄とも言えますが、誰もがしていることではないので、やはり謎です。ただ一つ言えるのは、自分の体験し得なかった事やこれから起こる可能性の低い出来事を、子ども達が代わりに体験してくれている、そんな認識です。感謝です。

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