
🍒子どもの詩153 Worker-5
〜競り人〜
子どもの詩を紹介するnoteです。
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世の中には、実に様々な仕事が存在します。「マツコの知らない世界」というテレビ番組がありますが、私は子ども達の書いた文を読んで、たくさんの「知らない世界」を覗かせてもらい生きてきた気がします。
りょうと君のお父さんは、その地域の野菜の基本的な値段を決める人。中央卸売り市場の競り人(せりびと)です。その仕事ぶりを早速見学させてもらいましょう。
お父さんの仕事
朝四時半
「りょう君時間やで 起きよ」
お母さんの声で飛び起きた
今朝はお父さんの仕事場
中央卸売り市場の見学に行く日だ
お父さんはとっくに出かけたらしい
外は暗い
周りの山の連なりも黒く見える
途中ほとんど車に出会わなかったのに
市場に着くとたくさんの車が出入りしていた
市場にいっぱい荷物が並んでいる
もうあちこちで現場せりが始まっていた
五時ニ十分
「カラーン カラーン カラーン」
かねの音と共に台せりが始まった
会社のぼうしをかぶり
前かけをしたお父さんがせり台に上がった
家にいるお父さんじゃないみたいだ
「エーエーエー」
お父さんは大きな声を出して
両手を前や後ろに動かした
すると周りの四十人ぐらいの仲卸さんの指が
一せいに動いた
指の数で値段を決めるのだ
「六十番!」と言って
お父さんは動かしていたうでを止めた
六十番の人が一番高い値段をつけたのだ
また「エーエーエー」
お父さんの声が市場にひびく
お父さんの目は仲卸さんの指を追いかけている
真剣に追いかけている
仲卸さんはお父さんの目を追いかけている
良い品物を買おうと追いかけている
次々と野菜の値段が決まっていく
六時
次の人と交代して
お父さんがせり台から降りてきた
「お茶でも飲むか」
にこにこして言った
朝早くから
ぼくが眠っている時から
こうしてお父さんは働いている
お父さんのせりが野菜の値段を決める
お父さんのせりをした野菜が
みんなの家の食卓に並んでいる
6年 りょうと
各家庭の食卓に並ぶ野菜の多くが、一度はりょうと君のお父さんの目前を通り過ぎて行くのです。すごい話だと思いませんか?