メインコンテンツへスキップ
見出し画像

🍒私のこと ずっと覚えといてよ

      〜子どもの詩508 Theme-243〜

     "登校しぶり"は、一件一件その前提条件がことなるため、判を押したような決めつけはタブーです。こうしたら良いなどと言うアドバイス自体、よくよく関わっている者しか言うべきではないと私は考えています。
     今回あえて取り上げた理由は、これまで親の立場から述べられたり、学校の立場から述べられることの多いこの事象に、登校班の班長(おそらく)の立場から切り込んだ文であること、それが理由です。一体、どういう心持ちで登校を渋る子を支えようとしているのか。
     Akiyama Uです。子どもの詩を紹介しています。
           🔹
       ずっと覚えといてよ
    「今日は神社の入り口までな」
    朝  登校をしぶる同じ班の子
    「手下げ  持ったげるわ」
    「ランドセル  貸してみ」から始まって
    「おぶったげるわ」になる
    しきりに後ろを振り返る
    「行こっ  お母さんとバイバイや」
    「あかん  あかん  まだや!」
    泣いて追いかけようとする
    「おばちゃん  帰ってええよ
    早く行って  大丈夫」
    しっかり押さえて言った
    通りかかった三班が助けてくれた
    千紗ちゃんと健吾君が
    「泣いとったら笑われるで」と言ってくれた
    手を引くと泣きながらも歩き出した
    ほっとして歩いていると
    「大丈夫か」
    後ろから声がした
    心配したおばちゃんが  また戻ってきたのだ
    「おばちゃん  大丈夫やで」
    小さな手を握りしめた
    おばちゃんは小さく笑って行ってしまったが
    またその子は泣き出した
    止まってしまった
    そして前より大きな声で泣き出した
    せっかく歩きよったのに‥‥
    「さあっ  行こっ」
    「歩けるやろ」
    「ランドセル  持っちゃろか」
    また振り出しに戻ってしまった
    おんぶするしかないか
    「諒君  みんな連れて先に行って」
    副班長に頼んだ
    自分のランドセルを前にかけて
    背中におんぶして
    先に行く子らの後を追った
    今日は  私の誕生日やのに‥‥

    「まみちゃん  重たい?」
    背中から聞いてきた
    「うん  重たいで  歩くか?」
    「ううん‥‥」
    背中にぴたっと  もたれてきた
    私のこと
    ずっと覚えといてよ
         6年 まみ

    「まみちゃん、重たい?」
     この言葉には、自分をおんぶして登校する、6年生のお姉ちゃんへの気遣いが感じられます。少しだけ、他者の立場に立って物事が考えられるようになってきたのかな?自力登校の日も、近いのではないでしょうか。
     この子が最高学年の6年生になった時、何らかの形でその時の新1年生に「恩送りサポート」ができること。これが今考えられる、最高の結末です。
           🔹
     最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

     
     
    気がつけば、子どもの書く文章を収集する人生になっていました。職業柄とも言えますが、誰もがしていることではないので、やはり謎です。ただ一つ言えるのは、自分の体験し得なかった事やこれから起こる可能性の低い出来事を、子ども達が代わりに体験してくれている、そんな認識です。感謝です。

    あなたへのおすすめ