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🍒子どもの詩240 Pet-10

      〜ペットを飼う理由〜

     読みに来ていただき、ありがとうございます。
     子どもの詩を紹介するnoteです。
           🔹
     ペットロス。ペットと出会った時の喜びの感情と同等の、時にはそれ以上の重い喪失感を飼い主は持つことになります。飼い始めた時にある程度は覚悟はしていても、喪失感はそれを上回ってやってきます。ならば、初めから飼わなければいいのに‥‥。それでもまたペットを飼ってしまうのは、一体なぜなのでしょう。
     ペットロスになってまで、ペットを飼うのはなぜなのか。この問いかけは、「どうせ死ぬのに、人はなぜ生きるのか。」という哲学的問いかけに、言い回しがどことなく似ています。

       ぼくの友だち  チビ
    「はるくん  チビあかんかったみたいやで」
    というお母さんの声に
    ぼくは大いそぎで犬小屋に走った
    チビはもう箱の中に入れられていた
    おばあちゃんに
    赤い小さいふとんをかけてもらっていた
    チビは目をあけていた
    暗い目でぼくを見つめていた

    このごろぜんぜんご飯を食べなかった
    学校から帰るとそっと頭をなでてやっていた
    でもチビは動かなかった
    「ワン」ときのうの晩六回ほえた
    「苦しいんやろか
    砂糖水やったら飲むやろか」と
    お母さんが砂糖水を口までもっていった
    でもチビは飲もうとしなかった
    体を動かそうともしなかった

    チビはぼくが生まれて五ヵ月の時に
    お父さんがもらってきてくれた
    チビは生まれてまだ一ヵ月だった
    「ワンワン  ワンワン」とぼくはいって
    いつもチビのそばへ行きたがったそうだ
    小学生になると
    日曜日の朝はいつも散歩に連れて行った
    両手でひもを思いっきりもたないと
    ころんでしまう
    それほどチビは力が強かった

    「チビははると同じ十才
    チビが人間だったら九十才ぐらいかな
    大往生やな」とお父さんが言った
    朝ご飯の時
    「竹やぶにうめてやろな」と
    おばあちゃんが言った
    ぼくは思いっきり鼻水をかんだ

    その晩ぼくは手のひらに書いた
    「一番のぼくの友だち チビ  
    好きだったよ」と書いた
    ぼくは その手をにぎりしめてねた
         5年 はると

     出会いの喜びの感情が「正」で、喪失時の悲しみの感情が「負」と考えてしまいがちですが、それは正しい捉え方なのでしょうか。掌(てのひら)に、「一番のぼくの友だち、チビ。好きだったよ。」と書いて、手を握りしめて寝る。このはると君の行為が、「負」の感情に基づく行為だと、どうしても思えません。出会いの喜びと同等の、人にとって大切な感情だと思えます。ペットは、多くの感情を飼い主の心に残して、人よりうんと短い一生を終えます。          
           🔹
     最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
     また読みに来ていただけたら、嬉しいです。

     
     
    気がつけば、子どもの書く文章を収集する人生になっていました。職業柄とも言えますが、誰もがしていることではないので、やはり謎です。ただ一つ言えるのは、自分の体験し得なかった事やこれから起こる可能性の低い出来事を、子ども達が代わりに体験してくれている、そんな認識です。感謝です。

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