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🍒子どもの詩184 Pet-8

      〜小太郎ごめんね〜

     読みに来ていただき、ありがとうございます。
     子どもの詩を紹介するnoteです。
           🔹
     ゲームアプリの関係か、それともアニメの影響か、「メメントモリ」という言葉を耳にするようになりました。「死を忘れるな」あるいは「死を想え」。子どもの頃に出逢ったメメントモリな体験を記した作品を取り上げます。

       小太郎ごめんね
    「生まれるかも知れんから見といてな」
    お母さんが弟二人連れて出かけた
    ダンボールの中の犬のももを
    お兄ちゃんとかわるがわるのぞいていた
    「キャイン!」
    なき声でそばに行くともう産んでいて
    赤ちゃんの入った袋をずっとなめている
    「早くお母さんに電話せい!」
    あわててすぐそばの電話で知らせた

    お母さんは車を飛ばしたのかすぐに帰り
    走って家の中に入ってきた
    赤ちゃんをタオルの上に乗せ手袋をつけて
    「死なんといて 死なんといて」と言いながら
    包まれた袋をこすり続けた
    ももも半泣きのように目になみだをため
    袋をやぶってくれるお母さんを見ていた
    「早く袋をやぶらな」
    一生けん命なお母さんと
    心配そうに見つめるももの姿を
    お兄ちゃんとぼくで見ていた

    「やぶれた!」
    生まれる前から決めていた名前「小太郎」
    やっと小太郎が出てきたときは
    生まれてから十五分ぐらいもたっていた
    目をつぶったままの小太郎をそっとさわると
    冷たくなっていた
    「こすったらあったまるから」と
    こすり続けたけれどだめだった
    かなしくてくやしくて泣いてしまった
    家族みんなも泣いていた

    花がさいた後に花びらがちって
    きれいな海のみえる海岸の梅の木の下に
    家族五人で小太郎をうめた
    その上に海岸近くで見つけた石を置き
    手を合わせながら言った
    「小太郎ごめんね
    今度生まれたらこわかわらずに
    ぼくがすぐにこすって
    生まれ変わりだと思って育てるからね」
         5年 あきら


     自分がもしペット犬だったとしたら、この家族と一緒に暮らしたいと思います。
           🔹
     最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
     また読みに来ていただけたら、嬉しい

     
     
    気がつけば、子どもの書く文章を収集する人生になっていました。職業柄とも言えますが、誰もがしていることではないので、やはり謎です。ただ一つ言えるのは、自分の体験し得なかった事やこれから起こる可能性の低い出来事を、子ども達が代わりに体験してくれている、そんな認識です。感謝です。

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