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Photo bychizuru0916

🍒子どもの詩249 Theme-83

      〜小学5年生の世界〜

     読みに来ていただき、ありがとうございます。
     子どもの詩を紹介するnoteです。
           🔹
     学年別に見ています。
     直木賞作家、重松清さんの小説に「小学五年生」があります。教育学部で学び、教員免許を取得している重松さんは、「青い鳥」「きみの友だち」「十字架」等、教育現場を扱った小説を数多く書き残しています。
     小説の舞台として五年生を選んだ理由は、その帯から伺い知ることができるでしょう。

    人生で大事なものは、みんな、この季節にあった。

    重松清「小学五年生」帯のキャッチコピーより

     まだ「おとな」ではないけれど、もう「子ども」でもない。 微妙な時期の小学五年生。この時期の様々な経験は、その後の人生を左右する原体験となります。特に「命との向き合い方」は、決定的な意味合いを持ちます。

       くもの助の旅
    おばあちゃんの庭の木にくもの巣がはっていた
    きのうも同じ場所にはっていた
    真ん中にくもの助がいた
    ママの車のミラーにくもの助が巣を作っていた
    私は「うわぁ  こんなところにくもの助」
    とびっくりした
    いつも木にぶらさがっているのは
    つまらないんだろう
    だからいっしょに買い物に連れていってあげよう
    行き先は「たな文」
    ノートとおかしを買いに
    私はママに「くもの助がいるので
    ゆっくり走ってね」とお願いした
    ママはくもの助のためにゆっくりと走ってくれた
    くもの助の巣はすごくゆれていた
    私はくもの助が落ちそうなのでとても心配だった
    でもぶじに「たな文」に着いた
    くもの助のはじめての旅は
    近かったけど楽しかったかな
    ジェットコースターみたいにこわかったかな
         5年 ゆな

       ひいばあちゃんのこしかけ
    「よっこいしょ」
    ひいばあちゃんはいつも同じいすにすわっている
    家族で話をしている時も
    本を読む時も
    お茶を飲む時も
    テレビを見ている時も
    必ずそのいすにすわっている
    そのいすは木でできていて
    やわらかい布のところもある
    ある日「何でいつも
    このいすにすわるん?」と聞いてみた
    私のお母さんがあげたいすらしい
    「何でくれたん?」
    すると「普段の感謝の気持ちをくれたんや」
    それに付けたすように
    「ありがとうは大事やで」と言った
    このいすにはありがとうがある
    ええいすやなあ
         5年 さり

       おじいさん
    お花見をした
    桜のところにレジャーシートをしいて
    お弁当を食べた
    食べていると「神乃駅はどこですか」
    おじいさんが言った
    「この桜からやったらけっこう遠いな」
    私たちは「あっちの方」と指さしたり
    どんなところを通るか教えてあげた
    「ありがとう」
    おじいさんは行ってしまった
    私たちはおじいさんが
    ちゃんと行っているか見ていた
    でもおじいさんは
    指さした方とは逆の方に行ってしまった
    追いかけないとおじいさんが帰れない感じがした
    二人はお弁当の見張り
    三人は追いかけることにしてじゃんけんをした
    ゆうちゃんとひなちゃんと私で追いかけた
    だいぶはなれたところにおじいさんがいた
    もう一度おじいさんに声をかけた
    それからもっと詳しく教えてあげた
    おじいさんは「ありがとう
    親切にありがとう」と言ってくれた
    とてもうれしかった
    追いかけてよかった
         5年 ゆか

     くもの助のために、車をゆっくりと走らせたママの存在。孫の嫁(私のママ)からプレゼントされた椅子に感謝の気持ちを感じ、座り続けることで応える大姑(私の曽祖母)。家族の中に価値観の基準を示してくれる者がいることは、何と大きなアドバンテージであることか。道を間違えたおじいさんを追いかけ、もう一度声をかけるゆかさんの身の回りにも、きっと厚い感情を持った大人がいたのではないかと想像します。メーテルリンクのお話に掛けて言うならば、幸せの青い鳥は身近な所にいるものです。
     大人でも子供でもない5年生。そこを通り抜けた先には、大人への入り口が姿を現しています。
           🔹
     最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
     また読みに来ていただけたら、嬉しいです。





     
     
    気がつけば、子どもの書く文章を収集する人生になっていました。職業柄とも言えますが、誰もがしていることではないので、やはり謎です。ただ一つ言えるのは、自分の体験し得なかった事やこれから起こる可能性の低い出来事を、子ども達が代わりに体験してくれている、そんな認識です。感謝です。

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