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🍒子どもの詩227 Theme-72

      〜温かい手〜

     読みに来ていただき、ありがとうございます。
     子どもの詩を紹介するnoteです。
           🔹
     人が「生きる」と言う時、二つの意味があると聞いた覚えがあります。一つは、息をして心臓が動いて脳が活動するという〈生物〉としての「生きる」。後一つは、他者の心の中にくっきりと残る〈記憶〉としての「生きる」。

       あたたかい手
    私の一番大好きな手はおばあちゃんの手
    大きくて丸っこくてあたたかい
    小さいとき泣いて座り込んでいると
    「なほ  泣いとらんと
    ほら  手つないで一緒に帰ろ」
    そう言ってギュッとにぎってくれた手が
    やさしかった
    とてもあたたかくてやさしかった

    でも「なほ  おばあちゃんがたおれたんや
    もう死んでしまうかもしれへん」
    急いで病院へかけつけた
    ベッドで機械をいっぱいつけられて
    横になっているおばあちゃん
    手をギュッとにぎってみた
    あたたかい
    おばあちゃんのぬくもりはまだ残っている
    よかった
    またいっしょに手がつなげる

    次の日
    おばあちゃんが死んだ
    手は冷たい
    うそや  うそや
    昨日はあんなにあたたかかったのに
    くやしい
    なんで昨日のうちに
    もっともっと手にぎっとかへんかったんや
    あたたかいうちに
    なんでギュッとにぎっとかへんかったんや
    一日中泣いた
    何も考えられない

    お葬式の日
    最後に一度だけ手をにぎってみた
    あっ!
    あたたかかった
    本当の一しゅん
    気のせいかもしれない
    でも確かにあたたかかったんだ
    おばあちゃんが最後に
    あたたかい思い出をよみがえらせてくれた
    ありがとう  
    おばあちゃん
         6年 なほ

     なほさんには、おばあちゃんの手の温もりが、くっきりと記憶されているようですね。これもおばあちゃんが、なほさんの心の中に「生きている」ことになると思います。
           🔹
     最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
     また読みに来ていただけたら、嬉しいです。

     
     
    気がつけば、子どもの書く文章を収集する人生になっていました。職業柄とも言えますが、誰もがしていることではないので、やはり謎です。ただ一つ言えるのは、自分の体験し得なかった事やこれから起こる可能性の低い出来事を、子ども達が代わりに体験してくれている、そんな認識です。感謝です。

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