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🍒商売を続ける理由

      〜子どもの詩490 Theme-228〜

     商売の原点とは何でしょう。
     八百屋を営む祖父と共に、早朝市場へ仕入れに行ったはると君は、祖父が八百屋を続ける理由を知りました。
     Akiyama Uです。子どもの詩を紹介しています。
           🔷
        おじいちゃんと市場に行った
    「おはよう  ちょっと早いけど行こか」
    やくそくの時間よりも早く
    おじいちゃんがさそいに来た
    げんかんを出ると
    青いぼうしをかぶって
    お金の入ったかばんをわきにかかえた
    おじいちゃんが立っていた
    午前四時三十分
    夜みたいにまっ暗だ
    おじいちゃんのトラックで市場にむかった
    おじいちゃんのトラックは
    いつも魚のにおいがして  ちょっとくさい

    おじいちゃんは七十才
    仕事は八百屋さん
    おかしやジュース  野さい  魚  ラーメン  
    何でも売っている
    毎朝市場に仕入れに行っているらしい
    市場ってどんなところなんだろう
    一度見てみたかった

    市場にはすごくたくさんの人がいて
    おまつりみたいだ
    そうこみたいなところに店が百こ以上ある
    いろいろな物がつみ上げられて売られている
    おじいちゃんは  どんな店に行くんだろう
    まず  みかんを二箱買った
    中を見て大きさや
    ひんしつをたしかめてから買っていた
    同じように見えても「優」や「秀」があって
    箱にはんこがおされている
    次にパンやさん
    しな物をえらんだら
    ほったらかしにして次に行く
    お店の人が車まで運んでくれるらしい
    次はおかしや
    おいしそうな物がたくさんある
    おじいちゃんは何箱もかった
    「仕入れはふつう  箱ごと買うんやで」
    おじいちゃんが言った
    買ったらかならずでんぴょうをうけとる
    「おまごさんかいな」
    どの店の人もおじいちゃんに話しかけてくる
    「べん強のために  つれてきたんや」
    おじいちゃんは  ニコニコしながらこたえた
    魚やに行った
    しっぽの切れた大きなマグロが何びきもいた
    本物を見たのははじめてだ
    「しっぽを切って  身の色をたしかめて
    ねだんが決められるんやで」
    と  おじいちゃんが教えてくれた
    「ぼく  いいもんやるわ」
    魚やさんが小さなてつのかたまりをくれた
    まぐろをつるつりばりだった
    すごく大きくて  なんだかかっこよかった
    「これ  もって行き」
    次の店でおかしをもらった
    おじいちゃんは  お店に行くたびに
    買っても買わなくても
    お店の人とじょうだんを言いあって
    楽しそうによくしゃべっていた
    トラックにもどると  しな物がもうつんであった
    魚のにおいが  ますますした
    気がつくと  まわりは明るくなっていた
    もう六時だ

    おじいちゃんはお父さんから
    「そんなに売れへんのに
    もう店やめてもええのとちがうか」と
    ときどき言われている
    でも「たよりにしてくれる人がおってんや」
    と言い返して  元気にがんばっている
    ぼくは  いつまでもがんばってほしいと思う
    市場に行っているおじいちゃんは
    いつものおじいちゃんより  
    ちょっとだけかっこよかった
    ぼくはおじいちゃんと
    また市場に行ってみたいなと思う
         3年 はると

     1970年代のピーク時には、約6万店の八百屋が日本各地にありました。その後大手スーパーマーケットやコンビニ店の進出で、現在8200店舗まで減っており、今なお減少傾向が続いています。
     それでも続けようとする八百屋の営みの中に、商売の原点を見る思いがします。
           🔹
     最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

      


     
     
    気がつけば、子どもの書く文章を収集する人生になっていました。職業柄とも言えますが、誰もがしていることではないので、やはり謎です。ただ一つ言えるのは、自分の体験し得なかった事やこれから起こる可能性の低い出来事を、子ども達が代わりに体験してくれている、そんな認識です。感謝です。

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