
🍒ひい婆ちゃんの笑顔を描く
〜子どもの詩480 Family-86〜
曽祖母とひ孫。いくら身内だからと言っても、確率として、そう簡単に出逢えるわけではないでしょう。むしろ、数奇な出会いなはずです。この広い世界で、常に進み続ける時間の中で、歳の大きく離れた二人が顔を合わせること。
Akiyama Uてす。子どもの詩を紹介しています。
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ひいばあちゃんの笑顔
「いらっしゃい」
姫島のひいおばあちゃんの家に行くと
必ずそう言ってくれる
ひいおばあちゃんは あんまり耳が良くない
音のない世界にいるおばあちゃん
音のない静かな世界
ひいおばあちゃんの家に行くと
「ひな 絵を描いてくれんか」
必ずそう言ってくれる
私はワクワクしながら大きな声で
「うん」と返事をする
「何を描いてほしい おばあちゃん」
大きな声で言っても返事がない
もっと大きな声で
「何を描いてほしい!」
おばあちゃんの顔が ビクッ
「そうやなあ おばあちゃんの顔や」
優しい顔で返事が返ってきた
シュッシュッ
ゴシゴシ
おばあちゃんの顔をじっくり見ながら
夢中でえん筆を動かした
「できたよ」
大きな声と笑顔でさけんだ
おばあちゃんも優しい笑顔で笑ってくれた
何度も何度も笑ってくれた
楽しい時間は あっという間に過ぎる
「じゃあね おばあちゃん」
「気ぃ付けて帰りよ じゃあね」
涙がこぼれそうになったけど
グッとこらえて手をふった
ガラス戸の外は雪がまっていた
さっきよりも大きく もう一度手をふった
「また来るからね」
おばあちゃんの家が小さくなる
こらえていた涙がポロッとこぼれた
6年 ひな
こんなにも豊かで楽しい時間を過ごしているのに、なぜ涙がこぼれるのでしょう。きっと、残された時間には限りがあることに、ひなさんが気付いたから?
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最後まで読んで頂き、ありがとうございました。