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🍒子どもの詩296 Family-40

      〜私のお母さん〜

     Akiyama Uです。子どもの詩を紹介しています。
           🔹
     瀬戸内の海岸に沿うように、3年生のゆうきさんが通う小学校の校区があります。校区の北側には、東西2キロメートルほどの細長い北谷山(標高92m)があって、山越えの道はわずか二本。山の北側には山陽新幹線、国道2号線バイパス、JR神戸線、国道2号線の交通インフラが4本、ぎゅっと束ねられるようにして走っています。たくさんの会社も立ち並んでいる所です。
     私の知っている場所が登場し、驚きました。そしてもっと驚いたのは、小さな子が夕暮れに一人で山を越えた事でした。
     二本の道は、どちらも小さい子が歩くには難しい道です。北谷山を南北に通り抜ける道は、二本ともほぼ直線で、400mほどの長さです。
     西側の道は、交通量の多い道路です。歩道はあります。しかし最も困難が伴うのは、150mの隧道(ずいどう)部分にあります。トンネルの古い言い方ですが、それだけ昔からあったトンネルと言う事でしょうか。隧道部分にも、車道と歩道(片側)があります。歩道は狭く、一人歩くイメージがピッタリです。利用者もいるようですが、子どもが一人で歩くことは、私には想像ができません。
     もう一本の道(東側)は、幅1.5mほどの荒く簡易舗装された道です。自転車やバイクが行き交うような道ではなく、歩いて通り抜けるための道に見えます。この道の両側には樹木が生い茂り、鬱蒼とした雰囲気になっています。今回あらためてGoogleマップで歩いてみましたが、大人の私でさえ歩くのがためらわれる道でした。
     この道(どちらか)を小学1年生で1回、小学3年生で1回、歩き越した女子児童の詩です。

       私のお母さん
    その日の夕方さびしくなって
    お母さんにすごく会いたくなった
    お母さんは朝から夜おそくまではたらいている
    ぬいぐるみをだいて
    リュックをせおって
    北谷の山をこえて
    お母さんの会社まで歩いて行った
    これでニ回目だ
    一回目は一年生の冬だった

    お母さんにおこられると思いながら歩いた
    お母さんは
    私がきたからびっくりして
    「仕事が終わるまで外でまっといて」と言って
    そのまま仕事をした
    早く終わらせようといっしょうけんめいだ
    お母さんは
    朝から夜おそくまではたらいている
    「仕事  仕事でごめんなぁ」と
    いつも私に言う
    でもそんなお母さんが大すきだ
    お母さん
    びっくりさせてごめんね
         3年 ゆうき

     ゆうきさんの家庭的な事情は、何も分かりません。お母さんを頼りにして過ごしている事。時々、山を越えてでも会いたくなるほど寂しくなる事。どうしても、幸せになって欲しい。そう願わずにはいられません。
           🔹
     最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

     
     
    気がつけば、子どもの書く文章を収集する人生になっていました。職業柄とも言えますが、誰もがしていることではないので、やはり謎です。ただ一つ言えるのは、自分の体験し得なかった事やこれから起こる可能性の低い出来事を、子ども達が代わりに体験してくれている、そんな認識です。感謝です。

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