メインコンテンツへスキップ
見出し画像

🍒先生のたまご

      〜子どもの詩465 Theme-208〜

     教員の養成を目的とした「教員養成課程」の最終段階に、教育実習が行われます。付属小学校でする場合もありますが、希望する者は出身小学校で実習が行われます。
     実習の最終週には、教育実習生は「研究授業」を行います。実習クラスの担任、校長先生や教頭先生、実習校での教科担任、学年主任等の前で実習での学びを授業に乗せて示すのです。
     大学からも、それまで指導にあたってきた教授が出席する場合があり、それはそれは緊張した中で研究授業が進みます。
     Akiyama Uです。子どもの詩を紹介しています。
           🔷
       先生のしけん
    今日は小ぐに先生のしけんがありました
    このしけんに通ったら
    ほんものの先生になれるそうです
    二時間目の算数の時間です
    「大きい数」のべんきょうです
    うしろを見たら大学の先生や教頭先生
    二年生の先生たちがすわっていました
    先生がごうかくするように
    ぼくはいっぱい手をあげてはっぴょうしました
    先生もあせをいっぱいかいてがんばっていました
    小ぐに先生のしけんがごうかくだったらいいな
    ほんものの先生になって
    ふく田小学校にかえってきてほしいなと思いました
         2年 りひと


     身もふたもないことをこれから言います。長い時間をかけて養成してきた学生を、大学側としては不合格にするわけにはいかない。だから、全員合格。
     でもこの教育実習は、別な意味で人生を分ける「本物の試験」と言えるでしょう。
     これからの40年近い間、私はこの仕事を続けられるのか。判断できるのは自分だけです。教員免許を持っていても、教員にならなかった者はたくさんいますから。子どもと暮らす自分がイメージできるのか、できないのか。それが、この教育実習の本当の意味だと私は捉えています。

     先生がごうかくするように
     ぼくはいっぱい手をあげてはっぴょうしました


     子どもにこんなふうな気持ちを起こさせる先生のたまごは、合格以外にあり得ません。

       先生が泣いた
    六月二十七日  五時間目
    松田先生のおわかれ会をした
    松田先生は先生のたまごです
    先生にはないしょにしてみんなで計画した
    社会科が終わり  おわかれ会が始まった
    松田先生が前に出てきた
    初めにゆうさんのあいさつです
    「バレーボールやキックベースや野球を
    いっしょにして楽しかったです
    大学にもどって  しっかり勉強しなさぁい
    みんな応援しています」
    「ありがとうございました」
    みんなで言った
    みんなからプレゼントと手紙をわたした
    わたしの番がくるまでドキドキした
    わたしはおり紙と
    「先生が来てくれてよかったです
    いっしょに遊べてうれしかったです」
    と書いた手紙をわたした
    先生とあく手をした
    すごくうれしかった
    先生もにっこりと笑ってくれた
    先生からも
    大切にしている「アヒルの言葉」と
    一人一人にメッセージをもらった
    アヒルの「ア」は  あいさつをする
    アヒルの「ヒ」は  人の話を聴く
    アヒルの「ル」は  ルールを守る です
    メッセージには「かえでちゃんは
    上手にお話ができるから
    もっと大きな声で話したらいいよ」
    と書いてあった
    すごくうれしかった
    先生は泣いていた
    しばらく泣いていた
    みんなとそばに行った
    今日で終わりだと思うといやだった
    明るくて大きな声で話しかけてくれた
    いろいろなことをいっしょにして
    とっても楽しかった
    先生は泣きながら笑った
         4年 かえで

     先生達にとって、今は過酷な時代と言えるでしょう。教員になることはできても、続けることはそう簡単なことではありません。そのエネルギーになるものを、過酷な環境の中にあっても子ども達から得られる人。その人だけが、長い教員生活に耐えられる人です。
           🔷
     最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

     

     
     
    気がつけば、子どもの書く文章を収集する人生になっていました。職業柄とも言えますが、誰もがしていることではないので、やはり謎です。ただ一つ言えるのは、自分の体験し得なかった事やこれから起こる可能性の低い出来事を、子ども達が代わりに体験してくれている、そんな認識です。感謝です。

    あなたへのおすすめ