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🍒子どもの詩149 Theme-49

       〜文学少女〜

     子どもの詩を紹介するnoteです。
           🔹
     答えが曖昧な国語という教科には、ずっと苦手意識を持っていました。だから私は、小学校では算数、中学や高校では数学を好んで学びました。
     中学で連立方程式を習った時、クッキリとした答えに行き着くこの教科が、自分の性(しょう)に合っているなと自覚した覚えがあります。
     一方学校の図書室には、文学少女がいました。いつも静かに本を読んでいます。ある時は図書委員として、ある時は利用者として。苦手では無かったけれど、私にはどこか遠くの人のような気がしていました。
     次に挙げる作品。どう考えても書き手は「文学少女」でしょう、と思えるものです。題名からして、文学少女全開。小さい頃から、答えのない世界を悠然と?泳ぎ続ける才女達がいるのですね。驚くべきことです。

       このぬぎすてて  とびたつもの
    茶色いさけめから
    よごれもしらないものが見えてきた
    なにやら
    やわらかそうな頭が出てきた
    「せなかが見えた」
    弱々しくぬれて
    パーマをかけたようなはねが出てきた
    のけぞりながらすべてを現したすがたは
    白くにぶく
    光っているように見える
    ブーン
    けい光とうの音がする
    はねに木の葉の緑がしみ出した線を書く

    もうすでに死んでしまった以前の体に
    まだしっかりとしがみついて動かない
    「まだ土の中のつづきを見てるんやろか」

    ジンジン
    脚がジンジンしてきた
    むねや頭に幹のこげ茶がうき出した
    「ふしぎや
    自然が体にえのぐをぬっていくみたいやわ」

    フラアと体がゆれた
    はねに茶色のもようがそめられた

    ピクリ
    ゆめからさめたように
    ピクリ
    はじめて息をしたように

    ドキンと息がつまった
    「ミーン」

    「一週間  ええ事見てきぃなー」
    なき声が
    耳に
    むねに
    のこる     
         4年 はなえ

     1991年。チャッピーどころか、インターネットも普及していなかった時代の作品です。
     最後の最後まで、昆虫名を明かさない周到さ。研ぎ澄まされた言語感覚。方程式の好きな私は、もう脱帽するしかありません。
     三上延「ビブリア古書堂の事件手帖」に登場する扉子のような少女は、実際にこの世に存在しています。

     
     
    気がつけば、子どもの書く文章を収集する人生になっていました。職業柄とも言えますが、誰もがしていることではないので、やはり謎です。ただ一つ言えるのは、自分の体験し得なかった事やこれから起こる可能性の低い出来事を、子ども達が代わりに体験してくれている、そんな認識です。感謝です。

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