
【15話】呪いがとけるまで・・・
狂った自己顕示欲
店長との話し合いで
キャバクラの出勤が週6から週3出勤になった。
とはいえやる気も、もうなく
油断すれば泣き出す私にできることなどなかった。
店長と話し合いをした1週間後
出勤確認の電話も無視して
私はついにお店を飛ぶことにした。
鬼のようになる携帯
店長からだ。
そしてLINE
「おい!!!!!」
「電話出ろ”!!!!」
「飛ぶ気か?!」
「そんな仲じゃないやろ?連絡くれ」
「おまえに飛ばれたら俺人間不信なるわ!!!!!」
と店長もなかなかの量の着信とLINEをしてきた。
さすがに人間不信になる理由が私なのは
申し訳ないなと思いLINEを返した。
私「やっぱり働けません。辞めさせてください!」
店「無理!!このまま飛んだら給料出さんぞ!」
私「それで辞めれるならいらない。」
店「もったいないやろ!!!取りに来い!
ってか辞めるな!!!!」
LINEでの押し問答の末
翌日一旦お店に行って店長と話をした。
店「どうしても無理なん?」
私「うん」
店「吉田の思う壺やん・・・」
私「出勤してもできることもうないし・・・」
店「今しんどいのはわかるけど、
続けてたら気が変わるって!
それまで俺も待つから!」
私「もうイヤや・・・泣」
もうこの1,2か月で
何度見たかわからない私の泣き顔を
店長は黙って見ていた。
そして沈黙の後店長の表情が変わった。
店「わかった。じゃぁ次の締め日で辞めていいよ。」
私「ほんまに?!」
店「もうおまえ無理なんやろ。
とりあえず死ぬなよ。
俺が出来ることはもうない・・・。」
締め日に退店で話が決着した。
それから締め日までの約2週間
週3日で出勤した。
キャバクラ最終日
いつものお客様
(当時の太客ブースカ)と同伴
相変わらず暇な店で
ブースカ以外のお客様は1組だけだった。
ブースカは延長含めて3時間の滞在。
あいだバックヤードにさぼりに行く私
(指名客いるとすぐバックヤードにさぼりに行く)
仲のいい女の子達と戯れていると
そこに店長が来て
店「吉田は?なんで来うへんの?」
と冷たく怒りに満ちた顔で話しかけてきた。
私「来ないよ。」
店「何で?店の女傷物にして退店させるのに
最終日にすらこんの?
店としてはどんだけの損失やと思ってんねん!
ほんまあのデブス腹立つわ💢
おまえも最後やから来いって言えよ!!」
店長の怒りに圧倒しながら私は
私「うん・・・忙しいんだって・・・」
店「はぁ?ここで時間作らんって何様なん?
ブスのくせに!
これで他で飲んでたら死んでほしいけどな」
と誰よりも怒っている店長をなだめ
私はブースカの席に戻った
のちにこの日の店長の怒りを上回るほどの事を
吉田はしていたことに
私はこの時はまだ知る由もなかった。
退店後
案の定私は家に引きこもった。
それでも平日は昼や夕方に吉田がほぼ毎日迎えに来て
ランチや近所をドライブしたりしていた。
日曜日は夜に迎えに来てディナーに行ってラブホに泊まる
これがこの頃のルーティンになっていた。
ある日いつものように
吉田の営業車の中で他愛ない会話をしていたら急に
吉「俺がこんなん言うたらあかんのかもしらんけど
いつ痩せるん?妊娠して太ったのはわかるけど
もう2か月経ってるで!」
私「え?あぁ~・・・」
吉「だ・か・ら!いつまでデブでおるん?
って聞いてんねん!
俺デブ嫌いって言うてるやん?」
と唐突に言ってきた。
吉田の子を妊娠して初期で降ろしたものの
食べつわりだったので
その短い期間で2~3㎏体重が増え、
そのままだった。
80㎏越え、メタボボディのおデブおじさんに
レイプされ、妊娠させられ、嘘つかれてた私が
少し太っただけでこんなに罵倒されることに
ビックリしたのと同時に
怒りを通り越してとてつもない惨めさが襲ってきた。
私「わからん・・・」
吉「はぁ~。わかってないなら
わかるようにもう1回言うてあげるな!
俺はデブが嫌い!!おまえ痩せろよ!!十分デブやで!!
」
私「そっか。もう何も食べへんわ・・・」
吉「そんな極端な事言うてないねん!
俺とおる時は食べたらいいけど
それ以外はそんな食べんでいいやろ。
蓄え十分あるんしな!笑」
私「うん・・・食べへん。」
吉「俺とおる時は美味しい物食べさせたるから
余計な物食べなくていいねぇ!」
とこの日吉田はご機嫌で帰って行った。
そこから私は本当に何も食べる気がしなくなった。
【吉田の理想】になろうとは一ミリも思っていなかったが
【生きてる価値がない】と言われた気分だった。
地球上の体積をこんな私が1mmでも使っているのが
申し訳ないようなそんな気持ちになり
私の中で
『もう私の生命を維持させる行動はするな。』
『餓死しちゃえ!』
『少しでも体積減らせ!』
『死ねばいいのに。』
って言葉が聞こえていた。
何も食べず、
カエデが買ってくるカフェオレとタバコのみで
生活をしだした。
カエデは心配して
コンビニにある私が好きそうな物を
片っ端から買ってくるが
結局1口だけ食べてカエデに返した。
固形物を口に運ぶのも
噛むのも、飲み込むのも
消化するのも全てが面倒に思えた。
いよいよ日曜日
毎度のことながら焼肉へ
私はただ目の前に並ぶ食べ物を眺めるだけ。
吉田が頼んだ生ビールの一つが私の前に置かれる。
それを飲みながら
皿に置かれていく肉を見つめる。
私「いらない。」
吉「え?なんで??お腹空いてないの?」
私「うん。」
吉「ちょっとくらい食べろよ~!
俺がせっかく焼いてんねんから!」
(いちいち恩着せがましい。)
少しイラっとして
私「・・・デブだから食べない」
吉田は少し沈黙した後嬉しそうに
吉「もしかしてこないだの話気にしてんの?!笑
だから俺とおるときは食べていいって言うたやん!笑」
と自分の発言の影響力を感じて嬉しそうにしていた。
私「ずっといらない。何もいらない。」
一瞬泣きそうになったが堪えた。
(私なんか死んでしまえばいいんだから)
と心の声が聞こえる
吉「ずっといらんってことはないやん💧
もしかして怒ってんの?!💦」
私「怒ってない。」
吉「じゃぁ食べよ!なっ!」
私「いらない・・・固形物口に入れたくない。」
吉「そんな事言うなよ~!
じゃあ酒は飲めるやろ?
それくらい付き合えよ~」
と乾杯してきた。
この頃私は少しづつ感情がなくなりつつあったように思う。
表情もなく、アンドロイドのように目も合わせず
言葉も最小限で、ただ相槌を打つだけ。
この日、私は本当に何も食べず
注文した肉を吉田は一人で食べることになった。
その後のホテルで
注文した肉を1人で食べさせられたと
悪態をつきながらも
いつものように何度も私を抱く。
そして私はいつものように彼に合わせて
感じている演技をする。
いつも食事後、ラブホテルに行くと
朝方4時頃まで執拗に私を抱く。
それから朝10時頃に起き出し
また腰を振り出し
一緒にシャワーをしてそこでまた勝手に興奮し
ホテルを出るのは昼頃になる
そこから私を家に送り
吉田は会社に行く。
こんな不毛な関係を
なぜ受け入れているのかと
吉田がバカでかいイビキをかいて寝ている横で
思いながらも
ただ1人になることが
この頃から怖くなりだしていた。
それから平日ランチに行っても私は何も食べず
また日曜日になった。
吉「り~ん、何なら食べれる?」
私「何も食べない。」
吉「デートやのに何も食べへんかったら
楽しくないやん!!」
私「私は何ともない。気にせず食べて。」
吉「そういうわけにいかんやんけ!!
食べれそうな物教えて!」
私「いつも通り吉田さんが食べたい物食べて。」
吉「ほんまに俺の好きな物でいいの?」
私「うん」
そして私はまたお酒だけを飲んで
吉田の食事を眺め、ひと時も黙ることなく話続ける
吉田の話に相槌を打つだけだった。
そんな状態が1か月以上続き
体重は8㎏落ちた。
持っていたズボンは全部ズリ落ちてくる。
そんなある日
地元の友達の美希の家に1か月ぶりに行った。
お互い子供達もほぼ同級生で
子供の頃から一緒にろくでもない事をしてきた友達だ。
私の実家も徒歩1分の距離だった。
私を見て開口一番
美「えーーーー?!どうしたん?!」
私「ん?」
美「ガリガリやん!!!待って!
最後会ったの1か月前やで?!
何があったん?!」
私「何も食べたくないの・・・。」
美「いつから食べてないん?」
私「美希と最後会った後くらいから。」
美「なんで?!!!!」
そこで吉田に言われたことを話した。
すると美希は今まで見たことないくらい
怒りだし、
美「あのキモイおっさん何言うてんねん!!
凛の事殺したいん?!
精神的にあんだけ追いやって、
別れてもくれんくて、今度は痩せろ?!
まずお前が痩せてから言え!!!」
と大爆発💣
この日は水曜日
1週間で唯一吉田からの連絡がない日
そのまま美希の家に泊り
美希の子供たちと一緒に
美希の手料理を食べた。
久しぶりの温度のある食事に
久しぶりの安心感と安堵を感じた。
夜中まで泣きながら美希に話をし
それを美希は真剣に聞いてくれた。
落ち着いてきた私は
久しぶりに爆笑して眠りについた。
次の日お昼に吉田の電話で起こされた。
吉「おはよう!」
私「おはよう」
吉「何してんの?」
私「美希の家おる」
吉「え?!美希ちゃんの家行ってたん?!
いつから?なんで?どうやって行ったん?」
一気に質問攻めに合う
一瞬で昨日の楽しかった気分が吹き飛んだ。
私「昨日電車で来た」
吉「いつ帰るの?」
私「決めてない。」
吉「じゃぁ1件
仕事終わらしたら迎えに行くわ!」
と電話を切られた。
数日泊まっていくつもりだったのだが
こういう時吉田は異常に勘がいい。
このまま美希の所にいたら
マインドコントロールが解けかねないのが
わかってるかのように
すぐに迎えに来た。
BMWの爆音が住宅街に
響き渡りながら近づいてくる。
吉「着いたで!」
の電話で私はカバンを持った。
美希は私を心配して
美「凛!いつうちに来てもいいからね!」
と言って送り出してくれた。
吉田は私の実家と美希の家の間くらいに
車を停めタバコを吹かして待っていた。
私は車に乗り込んだ。
車はすぐに発進し吉田はすぐに話し出した。
吉「美希ちゃんの家行ってたんやん!
知らんかったやん!言うてよ!」
私「うん。昨日水曜やしいいかなと思って。」
吉「関係ないやん!
どこ行くかちゃんと言わないと心配するやん!」
吉田が少しイラだったのがわかった。
それと同時に24時間365日
私の行動を報告する義務が出来ていることに
私も少しイラだった。
黙った私に
吉「美希ちゃんの家楽しかった?」
と少し機嫌を取るように聞いてきた。
私「うん。会った瞬間美希に心配された。」
吉「何で??」
私「一気に痩せたから。」
この一言で吉田の怒りに火が付いた。
吉「え?痩せた?誰が?」
私「私、気が付いたら8㎏も落ちてた。」
吉「たいして痩せてないやん!」
と私を見て嘲笑った。
吉「相変わらず顔もでかいし、
腹も出てるで!
こんなんで痩せたとか言うて
女同士でぬるま湯に浸かって褒め合ってたん?
気持ち悪!」
言葉を放つたびに
怒りのボルテージが上がっていく吉田を見て
今言い返したら何されるかわからないなと思った。
私は黙り、
今すぐ車から飛び降りたい衝動を抑え
窓の外を見ていた。
吉「今度はだんまりですか?!」
と煽ってくる。
私「吉田さんには痩せたように見えないんでしょ。
私が死ぬくらいまで痩せたら満足?」
と腹から湧き上がってきた怒りと共に言葉が出ていた。
吉「そんだけ肉蓄えて何言うてんの?!笑
気分悪いし帰るわ!!!!」
と家の近くのコンビニにで降ろされた。
怒りなのか、虚しさなのか、
今までに感じたことがない、
言葉にもならないような
ネガティブな感情につつまれ家に帰った。
家に帰るとカエデが嬉しそうに迎えてくれた。
カ「久しぶりの美希ちゃん家で
ちょっとは癒されてきた?」
私「うん。おっさんが迎えに来るまでは。」
カ「やっぱりおいちゃんが水差したんや・・・」
私「私相変わらずデブなんやって。
1か月何も食べてなくて、8㎏痩せてもデブなんやって。」
カ「はぁ?!あのおっさんマジで言うてんの?!」
カエデも美希同様ブチぎれた。
その日2人で吉田の悪口を言いまくり
少しスッキリして眠りについた。
次の日私が起きた時には
カエデは仕事に行っていた。
シャワーを浴びようと服を脱いだ。
吉田の子を妊娠した頃からあまり鏡を見なくなっていた私は
久しぶりに全身鏡の前に立って自分の姿を見てみた。
髪はストレスで薄くなり
肌はボロボロ
胸は急激に痩せたことで
しぼみ切った風船のようになり
肋骨と骨盤の骨がしっかり浮き出ていた。
(数十年ぶりに押し入れから出したリカちゃん人形みたい)
自分を見てそう思った。
こんなに身も心もボロッボロになっている
自分を見ていたたまれない気持ちになった。
シャワーを浴びながら涙が溢れてきた。
元旦那の借金でキャバ嬢に戻り
寝る間も惜しんで働き3人の子育てをし
元旦那にも実母にも日々心無い事を言われ続け、
やっと味方になってくれると思った男は
大ウソつきなあげく
この仕打ち。
私はそんなに生きてちゃいけない存在なのか?!
私が生きるには誰かに
踏みつけにされ続けないといけないのか?
と自分の人生の悔しさと
不甲斐なさに涙が止まらなくなった。
シャワーから出て泣きながら美希に電話した。
美希はすぐに
美「すぐおいで!駅まで車で迎えに行くから駅までは来れる?」
(家と駅が遠いので)
泣きはらした顔で電車に乗り
地元の駅で降りた。
すぐに美希の車に乗り込んだ。
幽霊のように白く痩せた私を見て美希は
美「この女タクシーなら乗車拒否されるぞ!笑
見えたらあかん人みたいやで!」
と言い私を笑わした。
美希の家について
美希の家族と食事をした。
美希の旦那(同級生)にも
美旦「人ってこんなボロボロにねんな!💦
ほんまに死なんといてや!!
ってかそのおっさん死神やん!」
と心配された。
スマホを別の部屋に置いて
美希と美希の旦那と3人で飲みながら
今の状況、一昨日の帰りの車内の話をした。
トイレから帰ってきた
美希が私のスマホを持ってきて
美「実はさっきからあなたのスマホがずっと鳴っています。
廊下出るたび見えてたけど、
どうせおっさんが電話してるんやと思って
無視してたけどそろそろ充電切れるで?」
と渡してきた。
美希の家に着いた頃から6時間の間に
着信は30件近くメールも10件ほど入っていた。
その数に
美希も美希の旦那も
「こわっ💦」
と声を揃えて言った。
その直後また着信が鳴りだす。
フル充電で来たはずのスマホの充電は残り6%になっていた。
そのまま電源を切りスマホはカバンにしまった。
次の日お昼頃に起きて美希に充電器を借りて
スマホの電源を入れた。
SMSから着信通知が鳴り止まない。
さらにメールの通知も鳴り出す。
めんどくさくなって
もう1回電源を切ろうかと思ったその時
吉田からの着信が鳴り出す。
出ようか迷って無視した。
それを見ていた美希が
美「一生無視しても追いかけてきそうやから
ここにおるうちに決着つけたら?
帰るの危なかったら
ここにいてたら旦那もいてるし
おっさんが諦めるまで泊まっていいよ!」
と言ってくれた。
私「ありがとう・・・
次掛かってきたら出るわ」
と言うてる最中にかかってきた。
イヤイヤ電話に出る。
私「はい。」
吉「やっと出た!!お前どういうつもりやねん!!
どこおんねん!!おい!聞いてんのか?!!」
と勢いよく怒号を飛ばして来る。
私「うん」
吉「うんじゃわからんやろ!!
おまえどこおんねん!!!」
私「どこでもいいやん。」
吉「あぁ??お前誰にモノ言うてんねん!?
どこおるか言えや!!!」
もうもはや反社の取り立てのように
怒号を飛ばして来る。
私はそんなことは想定内だった。
私「私がどこにいようが関係ない。」
と冷静に言い放った。
吉「関係あるやろが!!!!」
私「そうなん?じゃぁ関係なくなりたいので別れて。」
吉「はぁ?!・・・おまえ美希ちゃんところおるやろ?
俺の悪口で盛り上がって気が大きなって
しょうもないこと言い出してるんやろ?💢」
更に切れる吉田
ついにスイッチが入った私
頭の中でゴングがなった。
私「悪口言われる覚えあるんやん!笑
メタボのおっさんが標準体重以下の女に
『デブデブ』言うて目見えてないん?
そもそもどんだけ高い棚に自分事置いてるん?
あぁ~棚が高すぎて見えへんのか?!」
吉「おまえ調子乗ってんな!!
デブにデブって言うて何が悪いねん!
俺はお前のことを思って
痩せろって言うてあげてるねん!
今まで付き合ってきた子はみんなもっと骨出てたし、
俺デブに興奮せぇへんから!」
私「デブにデブ言いたいなら
鏡の前で言うたらいいやん!
それに骨骨しいガイコツみたいな女がいいならそっちいけよ!
私も願ったり叶ったりやわ!
私が付き合ってほしい、
別れないで何て言うたことないよね?
こっちはいつだって別れてほしい!
それにデブに興奮せぇへん?!
嫌がっても執拗にsexしてくるのに?女となれば何でもいいんやん!
こっちは別にあなたに付き合ってもらわんでも
男に困ってませんので!!
骨出てないと興奮しないなら人体模型かなんかとやっとけよ!
ほな、さいならぁ~」
とマシンガントークで煽り散らかして
最後は明石家さんまを想像しながら電話を切った。
電話を切る直前吉田は何か叫んでいたが
そのままスマホの電源も切った。
私は興奮で手が震えていた。
久しぶりにまともに感情が帰ってきたことで
何か付き物が取れたかのように
スッキリしていた。
美「凜が刺されんことを願う」
一言いい食事の用意を始めた。
居場所がバレていることが少し怖いなと思いながらも
その日もスマホの電源を切ったまま
美希の家に泊った。
次の日またお昼頃にスマホの電源を入れた。
SMS通知とメールが数件あった。
メールには
『こんな別れ方はない。一旦冷静に話しよう』
『俺が悪かったんなら謝る、だから電話でてくれ』
『もうデブとか言わない』
『ちゃんと会って話そう』
と昨日の電話とはかなり温度が違った。
それを美希に見せると
美「これたぶん終わられへんな。」
と悟ったように言った。
美「ただこのまま凛を帰すわけにはいかんから
私が話しして大丈夫か確かめる」
と言い
私のスマホから美希が吉田に電話をした。
美希は部屋を出て行き1時間ほど
経ってまだ吉田と繋がっているスマホを返してきた。
私「はい。」
吉田は嬉しそうに
吉「今から迎えに行くわ!♪」
と言い電話を切った。
迎えに来た吉田の車まで美希もついてきた。
美「電話でも言いましたけど、
次こういうことがあれば、凛とは一生会わせませんから!!
だから大事にしてくださいね。」
と美希は運転席の吉田に厳しい口調で言った。
吉「はい💧大変お世話になりました。
失礼します。」
とめずらしく吉田が人に敬意を払って受け答えしていた。
帰りの車内
吉「美希ちゃんさまさまやな!ええ友達持ったな!」
としみじみ話しかけてきた。
吉「美希ちゃんとも約束したし、
もうり~んにデブとか思っても言わない!」
と子供のお約束の話のように言ってきた。
結局電話で何を話したかはその後
美希も吉田も教えてくれなかった。
私のよくわからない間に
問題が解決されたような
されてないような
14年経っても腑に落ちない喧嘩だった。