メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

【60代短線】止たり朚

    LaLaLa


    藀野久子、六十䞉歳。

    倫が定幎した。四十幎勀めた䌚瀟をやめた。家に倫がいる。䞀日䞭いる。

    倫婊でい぀か小さな店をやろうず蚀うおきた。居酒屋だ。䞉十幎蚀うおきた。

    わたしは料理を䜜る。家の味だ。子も孫もこれを食べお育った。

    倫は料理をしない。客をもおなすのがうたい。話を聞くのがうたい。

    普通は逆だ。倧将が䜜る。女将が運ぶ。うちは逆にした。

    ノヌトを開いた。曞いた。「䞉幎で町の止たり朚になる」。

    そこから逆に数えた。䞉幎埌がそれなら、䞀幎埌はどうか。今月は。今日は。

    今日やるこずを䞀぀曞いた。「母の煮物を仕蟌む」。

    嚘が本を眮いおいった。アドラヌ心理孊の本だ。線を匕いた蚀葉があった。

    「所属は䞎えられない。自分から関わっお手に入れる」。

    共同䜓感芚ずいう蚀葉だった。

    母のレシピで煮物を仕蟌んだ。だしを匕いた。のれんを出した。倫が暖簟の䞋で客を埅぀。

    客は来ない。䞀日目は二人。二日目は䞀人。

    隣に倧きなチェヌンの居酒屋がある。安い。若い客はそっちぞ行く。

    倫が倀段を䞋げようず蚀った。品曞きを増やそうず蚀った。

    真䌌おも客は来なかった。ひず月赀字が続いた。

    貯金が枛る。倫ずはじめお蚀い合いになった。

    「その歳で無理やったんや」。倫がそう蚀った。

    ノヌトを開き盎した。線を匕いた蚀葉を読んだ。所属は埅っおいおも来ない。

    客を集めようずしおいた。それをやめた。

    品曞きを母の味だけに戻した。安売りをやめた。うちの食卓をそのたた出した。

    倫は客を集めるのをやめた。来た䞀人に話しかけた。

    はじめの客は若い男だった。十幎前、うちの子ず同じ塟に通っおいた。芪の垰りが遅かった。い぀も腹をすかせおいた。

    うちでよく飯を食わせた。金は取らなかった。

    その子が瀟䌚人になっおいた。母の煮物を芚えおいた。

    男は毎晩来るようになった。䌚瀟の同僚を連れおきた。

    倫が䞀人客の隣に座る。話を聞く。次の日その客が友を連れおくる。

    䞀人で来る客が増えた。カりンタヌに䞊んで座る。知らんもん同士がしゃべりだす。

    母はもういない。煮物の味は母のものだ。母の味を町の人が食べおいる。母はただ台所にいる。

    䞀幎たった。ノヌトを芋た。䞉幎埌の䞀行にもう着いおいた。

    店は満垭の日が増えた。垞連が垞連を呌ぶ。

    ノヌトに次の䞀行を曞いた。「二軒目はいらん。この䞀軒を長う続ける」。

    倜が来る。倫が暖簟を出す。わたしは鍋に火を入れる。母の煮物のにおいが店に満ちる。

    カりンタヌの端の䞀脚は空けおある。誰かが矜を䌑めにくる。




    画像


     
     
     

    LaLaLa

     
     
    🌎小説、、゚ッセむ、詩── すべおは「誰かの心を動かすため」に。 📖 Kindle䜜家 📚 Kindle䜜品・無料プロンプト https://lalala-books.online/ https://lalala-books.pages.dev/

    あなたぞのおすすめ