横溝正史賞公募投稿完了
試行錯誤中のLaLaLaです。
試行錯誤を重ねながら、今月5つ目となる公募作品を投稿しました。 原案から書き進め、最終的に125,723字の大作となりました。 AI特有の「句読点の多さ」「文体やプロットからの脱線」「無難な結末への誘導」「要約癖」「一度に出力できる文字数の制限」といった癖のコントロールには今回も苦戦しましたが、粘り強く調整を重ね、納得のいく自信作に仕上げることができました。 一次選考を通過してくれることを願っています。
あらすじ
元校長の芦原司は、妻を亡くし、いまは老人ホームでひとり静かな余生を送っている。ある日、四十年ぶりに幼馴染の北原辰雄――四十年前に別れて以来、村長として故郷を守り続けてきた男――から一通の手紙が届く。そこに記されていたのは、たった一句の川柳だけだった。
過疎の村 みんな集まる 知らぬ場所
胸騒ぎを覚えた司は、教え子で県警刑事の重信、そして定年間際の老刑事・笹岡とともに、四十年ぶりに生まれ故郷へ向かう。だが村に着いた司たちを待っていたのは、住民八百人が忽然と姿を消した、もぬけの殻の集落だった。
手がかりは、辰雄が残していったもう一つの川柳。読み解けば、また次の句と場所が現れる――まるで司だけに宛てた、最後の授業のように。旧校舎の教壇の裏、大野家に伝わる家系図の朱印、祠に唱えられてきた数え唄、ダム湖の底に沈んでいた飯盒、久保家の蔵に隙間なく並ぶ八百体の藁人形。一体ずつに刻まれた名は、村の全戸籍と一致し、さらには司たち三人の名までもが、あらかじめそこに編み込まれていた。句をたどるたび、四十年前にこの村で起きた、少女四人の連続失踪事件の影が色濃くなっていく。
七句すべてを並べ、その最初の一文字を村の地図に重ねたとき、司はようやく気づく。辰雄が示していたのは、村を大きく囲む六つの場所と、その中心――昔から近づくことを禁じられてきた裏山の禁足地だった。
やがて司たちは、廃坑跡の地下に隠された、産業廃棄物の巨大な不法投棄施設にたどり着く。村長・辰雄が苦渋の末に誘致を受け入れたその施設こそが、すべての発端だった。しかし辰雄の計画は、何者かに乗っ取られていた。助役の見立て殺人、重信の失踪、老刑事・笹岡の殉職――司の前に立ちはだかるのは、四十年前に消えたはずの少女の一人、久保静と名乗る女だった。
彼女こそが、鉱毒に汚染された沢で行方不明となり、密かに生き延びて久保家に引き取られた少女だった。真実を隠すために犠牲にされた過去への復讐として、彼女は村人全員を地下に眠らせ、道連れに火を放とうとしていた。対峙した司は、祖母が代々書き継いできた血縁の記録から、彼女がもう一つの、思いもよらない秘密――村の旧家同士に隠された血のつながり――を背負っていることを告げる。動揺した彼女は、ついに火を放つ。
残された時間はわずかだった。かつて理科教師として教壇に立っていた司は、換気設備の仕組みを頼りに、教え子たちの名を一人ずつ呼びながら、眠り続ける村人たちを目覚めさせていく。炎の迫る地下から、司は最後まで生死の知れぬ女を残し、村人たちを地上へと導いた。
村人は全員生還し、療養を経た重信も職場に復帰する。だが不法投棄の全貌が明るみに出て、村の存続はついえる。誘致金を受け取っていた辰雄は罪を背負い、取り調べのたびに、問われたことすべてを包み隠さず語り続けた。焼け跡から女の遺体は見つからず、生死は誰にも断定できないまま、司の記憶の底に残り続けることになる。数ヶ月後、旧校舎の校庭で車椅子の辰雄と再会した司は、子供の頃に分け合った乾パンの缶の記憶を語り合う。そして別れ際、司が受け取ったのは、幼馴染からの最後の一句だった。
先生と 呼んだ日々だけ 消えのこる
消えた村と、消えなかった記憶。老教師の帰郷は、こうして静かに幕を閉じる。
(仮題)村長の川柳
――消えた八百人と、老教師の帰郷――
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