
固有値・固有ベクトル 宇宙生物を餌付けしてみた
ある時,あなたの元に宇宙から謎の生物Aが飛来したとしよう.
その謎の宇宙生物を飼育することになった.

餌をやるにあたり,何が好きで何が嫌いかを把握したい.食べること自体はなんでも食べてくれる.ただ,好き嫌いが知りたいというわけだ.宇宙生物Aだから言葉は通じない.色々な食べ物をやって,普通に食べてくれるか,食いつきが良いか,それともいやいや食べるかをチェックする.後者2つに興味がある.
結果は次のようになった.
ピーマン:普通に食べる.
牛乳: 食いつきがとてもいい.
人参:普通に食べる.
チーズ:食いつきがとてもいい.
豚肉:いやいや食べる
なす:普通に食べる
鶏肉:いやいや食べる
みかん:普通に食べる

上記の結果からおそらく,あなたは次のような結論を下すだろう.
この宇宙生物Aがとても好きなものは乳製品であり,嫌いなものは肉である.
他は普通に食べる.
この宇宙生物Aが行列A,好き嫌いの程度が固有値,色々与えた食べ物がベクトル,そのうち好き嫌いの対象となった食べ物が固有ベクトルである.重要なのは,好き嫌いの程度と好き嫌いの対象はセットの概念であるということ.
今回, とても好きをに数値化し,嫌いをに数値化しよう.

すると,宇宙生物A(行列A)のとても好き(固有値)なものは,乳製品(固有ベクトルその1),嫌い(固有値)なものは肉(固有ベクトルその2)ということになる.
さて,上記の実験において,好き嫌いの程度と好き嫌いの対象がどうやって定まったであろうか.実験の手順を想像してほしい.色々な食べ物(色々なベクトル)を与えて,その時の反応を見たわけである.これは行列の演算でいうと,ベクトルの左から行列をかけたことに対応する.そして,出てきた反応が,計算結果右辺のベクトルに対応する.すなわち,好き嫌いの結果が出てくる(固有値がくくりだされる)ということ.
ではまとめてみよう.
この宇宙生物は実験の結果,何がとても好きだったか?→牛乳・チーズ(固有ベクトル1つ1つ)
結局それはどういうくくりなのだ→乳製品(固有ベクトルの代表)
具体と抽象を行き来している様子も見えてくるだろう.論理を鍛える上でも,固有値・固有ベクトルは優れている.
また,実際の計算の手順も確認しておこう.固有値が先に出て,固有ベクトルはその後.例えるならば,この宇宙生物はとても好きなものと,嫌いなものがそれぞれ1つある,ということが判明している状況.そこから,とても好きなものは何か,嫌いなものは何か,を突き詰めていくのが,固有ベクトルを求めるということ.
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