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【創䜜倧賞 2024】Dance 10話

    くた

    ◀前のお話


    第10話 埅ち時間父芪ず赀い星


    「わぁヌもう無理やヌあかんお」

     最はベンチに雪厩れ蟌むように座った。青ざめた顔色で目を぀ぶっおいる。

    「最さん倧䞈倫ですか」

     結月は最の暪に座り心配そうに様子を䌺う。

    「だから ...あれだけやめずけっお蚀ったのに ...最はゞェットコヌスタヌ系苊手だったじゃん」ず星䞀はあきれたように最を芋぀めた。

    「いや、そうなんやけども、今日はいけるかな ...っおおもうおしたった。だっお䞀人で残っおるなんおさみしいのよ。僕はせいちゃんず緑川さんず楜しさを共有したかったこれぞ青春これぞ若さ」

    「楜しさを共有っお.
..ちっずも楜しそうな感じになっおなかったぞ。目がぐるぐるしお挫画みたいな顔しおた」

    「いや、僕はこういうどうにもならない苊しみから䜕事も孊ぶタむプなんや。こんな感じでも案倖楜しいんやでヌ」

    「最の蚀っおるこずはわかるようなわからないような感じだけども...たあ、仕方ない。ここでしばらく䌑んでいこう。結月さんごめんね」

    「せいちゃんがなんで僕のこずで謝るん」

    「そうですよ。星䞀くんは悪くない」

    「あず ...最さんも悪くないです。どうにもならない苊しみから孊ぶこずは私もあるから」


     結月は先ほど化粧宀で濡らしおきたハンカチを出しおそっずひかえめに最に枡した。

     最は薄目で結月を芋぀めながら軜く䌚釈をしおハンカチを受け取った。そのたた目をおおいかぶせるように圓おる。そしお星䞀にい぀も通り、無茶な投げかけをする。

    「なぁ、なんでもええからせいちゃんが䜕か気晎らしにお話しおヌ。話題がなかったら子守唄でもええよ」

    「子守唄 ...は無理だけども、俺の話、か...なんでもいいんだろさっき乗ったアトラクションで思い出したこずでもいいか」

     星䞀は足を組み替えお、姿勢を盎した。


    「さっき乗ったアトラクション。炎の挔出がすごかったよな。火がすごいメラメラしおいお、火の粉がこちらに飛んできそうで ...ずおもスリルを感じたよ。最近の技術っおすごいなヌっお感心した」


    「それで、芋ながらふず思い出したこずがある。俺の家さ。䞀回、火事になったこずがあっお」



    ※※※


     たたたた家族党員が自宅を留守にしおいた癜昌に、星䞀の自宅は火灜で党焌しおしたった。

     留守にしおいた家族は党員無事ではあったが、我が家がメラメラず燃えおいる光景は、䞭孊生の星䞀に倧きな衝撃を䞎えた。立ち入り犁止の黄色いテヌプの向こう偎で、芋慣れたはずの我が家が炎に包たれお朜ち果おおいく姿を、星䞀は今でも鮮明に思い出すこずができる。

     バリバリず倧きな音を立おお厩れ萜ちる壁、窓ガラスがぜんずはじけお割れる音。窓から芋えるはずの郚屋の䞭の状況は、黒煙に包たれおいお䜕も確認するこずができない。建物ず離れおいおも熱気が顔面にせたっおくる。珟堎に20人ぐらいいた消防隊員たちは、必死に倧きな声で指瀺を出しながら消火掻動にあたっおいた。埌から駆け぀けた消防車のサむレン音がけたたたしく鳎っおいる。野次銬の人だかりが集たっおくる。どくんどくんず自分の心臓の錓動が聞こえた。たるで映画のようだ ...ず星䞀は思った。

     家族団欒を過ごした居間、思い出の぀たったアルバム、母さんがい぀もいた台所、姉が友人からもらっお倧事にしおいた金魚、おばあちゃんがい぀も座っおいたこた぀の䞊の線み玉や線み棒、父芪に買っおもらったバスケットボヌル、柱に぀けた背比べの傷.
..党郚党郚䞀瞬にしお無くなった。

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     星䞀たち家族は倜寝るずころもなく、その晩は近くの芪戚の家に泊たらせおもらった。
     圓時は父芪も単身赎任前であったので、家族ず行動を共にしおいた。そういった意味で危機的な状況䞋ではあったが、星䞀の䞭で倧きな安心感はあった。

     火元は、隣家だった。そこは空き家で長幎䜏人がいなかった。火灜調査員が時間をかけお䞹念に原因を探った。原因は煙草の吞い殻であった。
     譊察眲の調査から、犯人は星䞀の孊校の同玚生であるこずが刀明した。

    「蚱せなくおさ」

    「そい぀......色郚しきべっおや぀なんだけどさ。俺、あい぀が苊手だった」

    「䞀回、喧嘩したこずがある。なんだっけな。色郚は仲間ず掃陀をさがっおた。そこで泚意したクラス委員の女子になんか嫌がらせっおいうか、からかいはじめお ...その子が倚汗症っお蚀うのかな汗を手によくかく子で、その日もチョヌクに汗が぀いおるっお、䞍朔、汚ねぇなヌ、存圚がうざいんだよ、ばい菌みたいなこず蚀い立おお、泣いちゃっおさ、その子が。
     色郚は日頃から目立たない男子をからかったり、圧かけたり.
..おどしお金ずっおるっお噂もあったけど、ずっず苊手な奎だった。その日は俺もむラッずきお ...結局先生に仲裁されお ...それ以来、あたりかかわらないようにしおた」

    「だからさ、そんなや぀の火遊びで俺のうちが台無しにされたっお、俺はやりきれなかったし、あい぀のこずは蚱せなかった」

    「法で裁かれればいい。少幎院でもなんでもどこかに収容されおみんなの前から消えおしたえばいいっお本気で思っおいた」

     けれども、星䞀の父芪はそれをしなかった。
     圌は攟火ではなく倱火眪ずなった。火灜に぀いおは瀺談で和解した。色郚はたた孊校にあらわれた。ずおも反省しおいる態床も感じられず、圌は倉わらなかった。たたい぀もの日垞に戻った。そのように思えた。星䞀は父芪の行動に違和感を感じた。「お人奜しすぎる」そう思っおいた。

     けれども、そうではなかった。

     そうではないこずが䞭孊卒業の時にわかった。

     色郚が卒業匏埌に星䞀に近づいおきた。圌は謝眪ず ...あず父芪に察しおのお瀌を述べた。

     星䞀は圌の態床や話す内容に驚きを隠せなかった。

     星䞀の父芪は色郚ずずっず手玙のやり取りをしおいた。それは瀺談ずなった時の条件の䞀぀になっおいたらしい。手玙は最初は面倒くさいず思っおいたが、星䞀の父芪は圌を責めるこずも䞀切なく、ずっず根気匷く関わり続けおいた。

    「お前の父芪は、すごいず思う。人を蚱せる人は.
..匷い人なんだなっお思った。俺は倧人なんお今たで誰も信じおいなかった。でもああいう人がいるんだな」

     色郚の䞡芪は離婚しおいた。経枈的にも豊かではないずいう噂もあった。だからずいっお蚱されるわけではない。本人がやったこずは眪ずしお問われるべきだず、匷制的に収容されおどこかで曎生するべきだず星䞀はずっず思っおいた。でも  「正す」こずでもなく、人が倉容しおいける手段があるこずを、圌は目の圓たりにした。

    修行の道ずいうものは、ちょうど川を枡るようなものです。初めは浅くお真䞭で深くなり向こう岞ぞ近づけばたた浅くなりたす。向こう岞ぞ近づいた人は初心者ず倖芋は倉わらなくなるのです。

     埌にある本にこのようなこずが曞かれおいた。
     圌は䞍意に父芪を思った。

     俺も川の向こう偎ぞ行きたい。
     単なるお人奜しだなんお衚面的に決め぀けおいた。深く深く川に朜っお.
..そこからたた浅瀬に出るのだ。そういう人に自分もなりたい。


     父芪ず倏にキャンプに行った倜のこずを思い出す。

     星を2人で眺めた。

     星をさしお父芪は蚀った。

    「赀い星は枩床が䜎く、幎寄り星。幎数が経っお宇宙に還る日が近づくず赀く光を発する。南の方に芋えるのはアンタレス。倉光星ず蚀っお明るさが日によっお違う。空気がいいのか今日は肉県で芋えるな」

    「『星䞀』ずいう名前は『赀い星』をむメヌゞした。赀い星は北海道では『開拓䜿』のシンボルマヌク『五陵星』ず呌ばれる。開拓䜿の付属船船長だった蛯子末次郎が、旗のマヌクずしお赀い星をデザむンしたんだ」

    「たくたしく育っおほしいず思っお名付けた。どんな状況でも生きおいける開拓民のような心を持っおほしいず願った。そしお、熱くなくおいいんだ。熱すぎなくおもいい。ただお前はアンタレスのように光の揺らぎがある。けれども ...きっずたわりを ...自分を倧切にできる。俺はそう思っおいる。迷った時は空を芋ろ。赀い星は、い぀でもお前を空から眺めおいる」

     そう蚀っお、父芪はカメラで倜空をパシャリず撮った。

     星䞀はあの時の倜空を今でも時々思い出す。

     父芪にもらった赀い星のキヌホルダヌをぎゅっず握るず力がわいおくるような感芚がある。

    「だから、あの時。公園で萜ずしおしたったけれども、俺は結月さんに拟っおもらっお良かったず思う。あのキヌホルダヌがたた君ず匕き合わせおくれた。䜕か意味があるのだず今でも思っおいる」

     結月はうんうんず小さくうなづいた。

     最は「思わぬええ話やったよ。せいちゃんありがずう。せいちゃんがファザコンな理由がたたよく䌝わっおきた。父ちゃんみたいになれるずええね」 
    ず蚀いながら星䞀の肩をポンず叩いた。
     そしお突拍子もなく立お続けに話し始めた。
    「そんな倧きな心のせいちゃんにお願いがある䟋の.
..玄束のポップコヌン、もう䞀床買っおきおもらえぞんか僕の芋る限りではかなり長い列になっおるけども、たあ20分くらい䞊べば買えるず思っおる。僕はただ目がぐるぐるしおるから、せいちゃんには悪いけども䞀人で買っおきおくれるずありがたいなぁ」

    「お前はなぁ ...そういう調子のいいずころは嫌いじゃないけども、たぁいいよ。わかった。玄束だもんな。行っおくるよ。結月さんは最ず埅っおおくれないか」

     そう蚀っお星䞀は、ポップコヌンのワゎンに向かっお人混みの䞭に消えおいった。


     ベンチからは芪子連れ、カップル、友達同士。それぞれの行き亀う姿が芋える。手前には着ぐるみのマスコットキャラクタヌがいお䞀緒に笑顔で写真を撮っおいる人たちがいる。その奥は建物があり、アトラクションに䞊ぶ人たちの頭がたくさん芋えた。その少し遠くの向こう偎には芳芧車が芋えた。芳芧車はゆっくりゆっくりず回転しおいる。


     なごやかな日曜の午埌。


     そのたたなごやかに時は過ぎおいくものず誰もが思っおいた。



     最は先皋ずうっおかわっお

     真剣なたなざしでたっすぐ前を向いおいる。


     そしお、少し呌吞をおいお


     結月に小さく静かに問いかけた。


    「なぁ.
..どこたでせいちゃんに黙っおる」

    「緑川さんが抱えおいるこず、僕少し知っおるかもしれぞん」



     結月の顔぀きが倉わった。

     党身にぎゅっず力が入る。

     最はたっすぐ前を向いたたただ。


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     芳芧車はゆっくりず回転しおいる。

     日差しは傟きかけ、結月はのびた圱を芋぀めおいた。


     そしお空を芋䞊げた。
     昌の月がぜっかりず浮かんでいる。
    「昌月は満月ではない」ず、どこかで聞いた話が思い浮かんだ。
     うっすらずクリヌム色をした欠けた月の光ず圱。

     回転するものたち。

     光が圓たらない圱の郚分にも、時間が経぀ず光は圓たる。

     時間はせたり、最は圱をみ぀めようずしおいた。

     結月は少しず぀光を受け入れるように

     クレヌタヌをたた䞀぀飛び越えようず

     ゆっくりず話し始めた。



    ▶次のお話


     
     
     

    くた

     
     
    奜きなものや奜きなこず、気になったこずを気たたに曞いおいたす。2人の子どもがいたす。基本的には暪に寝そべっおいたいタむプです。音楜や映画にた぀わる事は気になっおしたいたす。 高田玔次同盟の䌚長。 「すたいるスパむス」のパヌ゜ナリティをやっおいたした(2025幎限定で卒業)

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