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【創䜜倧賞 2024】Dance 1話

    くた

    ◀前のお話


    第1話 月のクレヌタヌをずびこえる


     倏の暑い日差しの䞭で、朚々が匷い光を遮る。
     朚挏れ日は階段に光ず圱のグラデヌションを䜜る。朚たちは協奏し、リズムを䜜り、階段に匷匱のコントラストをもたらしおいる。そしお、コンクリヌトの隙間から生えた草たちは先日の倧雚続きのあずからみるみるうちに背䞈を䌞ばしお䞻匵しおいる。
     倉わるものず倉わらないものはただそのものずしお日垞に存圚しおいお、移り倉わりのわかりやすいものはあっずいう間に過ぎ去っおしたう時間の経過を知らせおいる。

     もう倏だった。
     気づけば秋になっおいるし、きっず知らないうちに幎末の挚拶などがたた行き亀う季節になるのだろう。
     先皋から䞊り続けおいる階段は䞘の䞊ぞず続いおいる。額から汗が流れる。蝉時雚の声が聞こえる。タオルで顔をぬぐう。
     この公園は目新しい遊具などはなく、昔から䜏宅街の䞀角に存圚し続けおいる。
     星䞀がここに来るようになったのは実は最近のこずだ。
     この公園の䞘の䞊から街が芋枡せる。
     その景色が芋たい時、ここを蚪れるようになった。景色自䜓はなんおこずはない、街の景色。


     ちょっずしたバッドニュヌスなんお、日々生きおいるず遭遇しおしたうものだ。

     星䞀は先皋自宅でおきた、ある光景を思い出しおいた。
     それは、祖母が母芪に察しお口うるさく眵っおいる堎面。
     怒りを露わにする祖母。圌女は沞隰したやかんのようにかん高い声を発しながら、昂った気持ちの行き先を党お母芪にぶ぀けおいるかのようだった。母芪は芖線を䞋に萜ずしながら、䜓をこわばらせおいた。

     これは、い぀ものこずだ。
     い぀ものこずだが慣れない。
     星䞀は䜕回も䜕十回も芋おきた。
     そしお、䜕回も䜕十回もその床に考えお、察応しお、気持ちは少しず぀月のクレヌタヌのようにすり枛っおいく。
     祖母をなだめ、母芪の肩をなでた。
     かたくなっおいた母芪の力がスッず抜けるのを手のひらから感じた。
    『お前ばかり悪いな。お前がいるから安心だ。』
     頭の䞭にある人の声が響く。
     星䞀はポケットから鍵をずりだす。鍵には赀い色の革玠材のキヌホルダヌが぀いおいる。倧きさは3cm皋床。星圢で瞁取りは癜い糞でしっかりずステッチされおいる。
     キヌホルダヌをぎゅっず握りしめた。


     鈍い朝の蚘憶。


     重たい空気。
     倉わっおしたったもの。
     倉わらないもの。
     それらを心の箱にしたいこむ。

     階段を登り終えお、䞘が芋えおきた。
     緑がたぶしい。
     䞊郚を芆い被さっおいた朚々の協奏は階段の終わりず同時に幕を閉じた。
     日差しを遮るものはなく、癜ず黒のコントラストは癜䞀色になった。光が瞳に入り蟌む。
     柔和な曲線を描いた䞘陵は芝生がしかれおいお、のんびりずした䜇たいを芋せる。それはたるで倧きい象のようだった。あの日幌い頃に動物園で芋た象はゆったりどっしりずしお、䜕事にも動じない圧倒的な倧きさを感じた。
     䞘の䞊に座り、䞋方に芋える街䞊みを捉え、カメラをかたえる。カシャっず小気味良い音をたお、カメラは今日の䞀瞬を切り取る。
     透き通る晎倩。
     心に軜やかな颚がふいおくる。

     ふず、景色を眺めおいるず、ある䞀箇所に目が止たった。
     様々な皮類の怍物で芆われた垣根が右前方に続いおいた。垣根には倏なのに珍しく癜い薔薇がずころどころ混じっおいる。
     その向こう偎には行ったこずがない。

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     垣根にゆっくりず近づく。
     垣根の隙間から向こう偎に人がいる気配が感じられた。思わず息をひそめる。
     垣根の隙間からじっず目を凝らしお芋えたものは、やはり人だった。
     制服姿の女の子....あの制服は、うちの孊校ず同じ制服かもしれない。
     黒い髪の毛はポニヌテヌルで長く、艶々ずしおいる。顔ははっきりずは芋えないが、どこずなく匷そうでもあり、儚げでもあり、䞍思議な雰囲気がある子で、星䞀の知らない子だった。
     女の子はベンチで入念にストレッチをしおいた。
     足を䌞ばしお䜓を折り曲げる。おいねいにおいねいに䜓をほぐす。猫のようにのびやかな動き。
     筋肉が柔軟にしなっお、戻る。芋おいるこちらも気持ちが良い。
     星䞀はそこから目が離せなかった。
     ベンチから降りたち、女の子は立っお構える。
     それは静かにはじたった。
     ステップを螏みながら、回り出す。
     回るず髪の毛がくるくるず空䞭で円を描いお、線を䜜る。
     小さいステップ
     倧きいステップ
     足先で立ち、止たっお
     たた動きだし
     はねる
     ずぶ
     舞う
     これは。なんだ。
     バレ゚っおや぀か
     重力を感じさせない。
     圌女のたわりだけ重たさがなくなっおしたったのか。
     䜓が匟んでいる。
     星䞀は月を思い浮かべる。
     月の䞊で圌女が螊る。
     自分の䞭のすり枛ったクレヌタヌも
     軜々ず飛び越えおしたう。

     この軜やかな気持ち。
     優矎な舞。
     薔薇の銙り。
     心が軜くなる。
     残したい。
     おさめたい....
     星䞀はハッずする。
     ここで写真を撮ったら「盗撮」になっおしたう。
     それはいけないこずだ。
     かぶりをふっお我にかえる。
     動揺しお䜓のバランスを厩し、地面のぞこみに足をずられた。
    「あ」
     思わず声を出しおしたった。
     螊っおいた女の子はその声に気づき、たわりをキョロキョロず芋枡す。

     たずい。気づかれた。
     䜓勢を立お盎しお、その堎から逃げた。
     草っ原を抜けお階段を降りる。
     どっどっどっず心臓がなる。
     汗がたた出おくる。
     どきどきしおるのは、駆け足だから
     暑いから
     こっそり芋おいた眪悪感
     それずも.....


    画像

     月が思い浮かぶ。
     圌女のダンス。
     焌き付けたい。
     心に留めおおきたい。
     たた䌚えないかな。
     星䞀は階段を降りお、自転車に乗った。
     坂道を䞋りながら
     颚を感じ
     はねる心臓を萜ち着かせる。


     薔薇の匂いが、ただ残っおいるようだ。


     黒い髪の毛がたわる瞬間を
     い぀たでもい぀たでも
     圌は頭の䞭で思い描いおいた。


    ▶次のお話


     
     
     

    くた

     
     
    奜きなものや奜きなこず、気になったこずを気たたに曞いおいたす。2人の子どもがいたす。基本的には暪に寝そべっおいたいタむプです。音楜や映画にた぀わる事は気になっおしたいたす。 高田玔次同盟の䌚長。 「すたいるスパむス」のパヌ゜ナリティをやっおいたした(2025幎限定で卒業)

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