
ネットで稼ぐ第一歩!特商法・景表法の重要点とすぐに出来る対策を解説
SNSやブログなど、インターネットビジネスをする場合に悩ましいのが表示や広告のルールがわかりにくいことではないでしょうか?
「特定商取引法の表示ページって同業のコピペじゃダメ?」
「消費生活センターに最終確認画面の情報が不足していると指摘された」
「お客様の声を掲載したらステルスマーケティングだと言われた」
これらはSNSビジネスのあるあるトラブルです。
誰もがやりがちなミスですが、特定商取引法や景品表示法といった法律の違反になってしまいます。
知らない間に表示や広告のルールに違反してしまうことも多い、まさに“落とし穴”といえる問題です。
しかも、この“落とし穴”にはまると消費者庁からの行政処分や違反事実の公開というペナルティが待ち受けており、絶対に避けたい炎上や顧客離れにつながってしまいます。
そこは徹底的に回避したいところです。
それで特定商取引法や景品表示法について学ぼうとすると、通達やガイドラインまで含めると膨大な文書があって、何から読むべきかもわからないという迷路に入り込んでしまいます。
日々の業務やビジネスに忙しい方々が時間をかけて読み込んでいくのはたいへんです。
それでも放置しておくにはリスクが高い。
そんなインターネットビジネスに取り組む方々に、行政書士(業歴20年以上)と消費生活相談員(業歴10年以上)を兼務している筆者(遠山桂)が傾向と対策を徹底解説します。
膨大なガイドライン等の資料の中から重要事項だけを絞り込んで、コンパクトに解説するので、是非ともブログやSNSの運用に活用してください。
【広告】
すぐに活用できる特定商取引法と景品表示法に対応した表示の雛形と解説が必要な方へ。
本note記事の筆者(行政書士・遠山桂)が作成した解説テキスト(有料PDF)を以下のテキスト・リンク先ページにて販売しております。
「これだけで大丈夫!小規模事業のためのネット・SNSビジネスの表示・広告対策」テキスト(PDF)|著者:行政書士・遠山桂
表示・広告の違反は高速道路の速度違反と同じ?
「ぶっちゃけSNSの広告内容に違反があっても取締りなんて無くない?」
そう思ってしまうのもわかります。
でも、ネットの表示や広告の内容って意外と抜き打ちチェックされています。
東京都の「令和5年度インターネット広告表示監視実施報告」によれば、16,000件のネット広告やウェブ・SNSを監視し、153事業者(156件の広告)に行政指導がされたことが公表されています。
また、東京都の「令和5年度健康食品試買調査」によれば、インターネット等の通信販売で 81 製品を購入して調査したところ、98%(81 製品中 79 製品)に不適正な表示、広告がみられたと報告されています。
これって抜き打ちで調査したネット販売の健康食品のうち、98%に不当表示があったということなので、なかなか衝撃的な数字だと思います。
つまり消費者庁や都道府県の表示対策課の抜き打ちチェックに当たると、高確率で不当表示認定や行政指導の対象になるというのが現状です。
でも、そうしたチェックに遭遇しなければ何事もなく済んでいくのです。
これって高速道路の速度違反の取締りと似ていませんか?
オービスがない箇所では皆さんビュンビュン法定速度を超えて運転しています。
でも、運悪く?オービスの前を法定速度越えで通過したら取締りになりますよね。
表示や広告のチェックも同じような感じで、少々の誇大表現は見過ごされますが、それでもチェックがあると取締りの対象になってしまうのです。
特に目立つ誇大表現や表示不備があると行政処分一直線です。
そんな危ない橋を渡り続けるのは精神衛生上よくないですよね。
やはり広告ルールの要点を押さえて、チェックされやすいところは対策しておきたいものです。
特定商取引法と景品表示法の要点
【特定商取引法】
特定商取引法は訪問販売や通信販売など7つの業種についてルールを定めている法律です。インターネット取引は同法の「通信販売」に該当し、通信販売のルールを守らなくてはいけません。
※特定商取引法の対象となる7つの業種
(1)訪問販売(2)電話勧誘販売(3)通信販売(4)連鎖販売取引(5)特定継続的役務(6)業務提供誘引販売取引(7)訪問購入
「通信販売」は、契約書の交付義務はなく、その代わりに取引条件などをウェブサイト等に表示すれば良いとされています(特定商取引法第11条)。
また、注文時の最終確認画面にも表示義務が定められており(特定商取引法第12条の6)、これに漏れがあった場合には消費者の取消権が認められています。
更に 通信販売(ウェブやSNS等)で広告をする場合には、以下の内容は禁止されています。
・事実に相違するもの(事実相違)
・実際よりも著しく優良と誤認させるもの(優良誤認)
・実際よりも著しく有利と誤認させるもの(有利誤認)
これらを踏まえた上で、インターネットでのビジネスを行う場合に、特定商取引法対策として重要なのは以下の2点になります。
(1)「特定商取引法の表示」(第11条)を適正に表示すること
(2)「最終確認画面」の6項目の記載義務事項(第12条の6)を適正に表示すること
【景品表示法】
品表示法の「表示(広告)」ルールでは、以下の内容を不当表示として禁止しています。
(1)優良誤認表示(景品表示法第5条1号)
製品の品質等の内容が実際よりも著しく優良であると表示すること。
(例)「過剰なダイエット効果の宣伝」「産地偽装の食品」など
(2)有利誤認表示(景品表示法第5条2号)
製品の価格等の取引条件が実際よりも著しく有利に表示すること。
(例)「携帯電話がO円」「上げ底包装」「定価と売価の二重価格」など
(3)内閣総理大臣が指定する表示(景品表示法第5条3号)
※以下の7つの表示を告示において指定。
・無果汁の清涼飲料水等についての表示
・商品の原産国に関する不当な表示
・消費者信用の融資費用に関する不当な表示
・不動産のおとり広告に関する表示
・おとり広告に関する表示
・有料老人ホームに関する不当な表示
・ステルスマーケティング(消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示)
「優良誤認」表示と「有利誤認」表示については、特定商取引法も景品表示法も“著しく”誤認を誘う表現を問題視しており、消費者庁も広告である以上は軽微な誇張表現はありうるものだという解釈を示しています。
その“著しく”誤認を誘う表現なのか、容認される表現の範囲内なのか、社会通念に照らして判断するということになります。
「特定商取引法の表示」ページの記載義務事項
通販サイト等では「特定商取引法の表示」という名称のページが設けられていることが多いです。これは特定商取引法第11条により通信販売事業者に定められた表示義務に対応するものです。
ウェブサイトに取引条件等が表示されていればよいのですが、商品ページごとにバラバラに表示するよりも「特定商取引法の表示」ページを設けてまとめて表示した方が管理上の都合が良いので、そうした形式で対応しているウェブサイトが多くなっています。
SNSのみでビジネスを行う場合も、特定商取引法の通信販売ルールは適用されるので、同法第11条で指定された表示義務事項を顧客に対して表示しなくてはなりません。
特定商取引法第11条の表示義務事項は以下のとおりです。
<特定商取引法第11条>
1.商品・サービス・権利販売の対価(販売価格と送料の表示)
2.対価の支払い時期
3.商品の引渡し時期 権利の移転時期 サービスの提供時期
4.定期購入の場合には申込期間の定めと内容
5.契約の撤回や解除についての事項
6.その他の省令で定める事項
<同法省令第8条>
1.販売業者又は役務提供事業者の氏名又は名称、住所及び電話番号
2.販売業者又は役務提供事業者が法人であって、電子情報処理組織を使用する方法により広告をする場合には、当該販売業者又は役務提供事業者の代表者又は通信販売に関する業務の責任者の氏名
3.申込みの有効期限があるときは、その期限
4.販売価格以外に購入者又は役務の提供を受ける者の負担すべき金銭があるときは、その内容及びその額
5.契約内容不適合(不良品など)がある場合の販売業者責任の定めがあるときはその内容
6.プログラム・データを記録した物を販売する場合にはその動作環境
7.商品の売買契約を2回以上継続して締結する必要があるときは、その旨及び金額、契約期間その他の販売条件(いわゆる定期購入契約)
8.商品の販売数量の制限その他の特別の商品若しくは特定権利の販売条件又は役務の提供条件があるときは、その内容
9.広告表示事項の一部を表示しない場合で、カタログを有料負担させる場合はその金額
10.通信販売電子メール広告をするときは、販売業者又は役務提供事業者の電子メールアドレス
これらの特定商取引法第11条の表示義務事項に不備があった場合には行政処分の対象になります。(不備があった場合も、それを理由とした消費者の取消権は認められていません)。
なお、事業者の氏名(名称)住所・電話番号・代表者氏名については、ウェブサイトに表示しなくても注文時に即時に(メール等で)注文者に開示する仕組みでも可とされています。
「事業者の代表者又は通信販売業務の責任者の氏名」に対応する表示事項として、代表取締役もしくは業務責任者の氏名を記載します。
法人ではなく個人事業の場合には、個人事業の代表者の氏名もしくは業務責任者の氏名を記載します。この氏名はビジネスネームではなく住民票に記載されている氏名を表示する必要があります。
以上の特定商取引法第11条と同法省令第8条に指定された表示義務事項を漏れがないように掲載しましょう。
この「特定商取引法の表示」ページについて、もっと具体的な書き方の例(表示例)を知りたいという方は、以下のnote(ワンコイン有料記事)をご参照ください。
「最終確認画面」ページの記載義務事項
特定作用取引法の通信販売ルールでは、第11条の取引基本情報の表示義務の他に、第12条の6に「注文フォームの確認ページ」(最終確認画面)の表示義務も定められています。
この特定商取引法第12条の6には、「最終確認画面」についての表示義務が定められ、(1)商品分量・(2)価格・(3)支払時期と方法・(4)引き渡し時期、提供時期・(5)解約条件・(6)申込期間の6項目を表示することが義務化されています。
この「最終確認画面」の表示義務の6項目について、1つでも表示の不備があれば行政処分の対象となるだけではなく、消費者の契約取消権が認められます(第15条の4)。
販売事業者としては返金対応が必要となる落ち度となるため、「最終確認画面の表示義務事項の6項目は全て適正に表示する必要があります。
第12条の6の表示義務時となる6項目については、利用規約ページに表示しただけでは不備となり、最終確認画面のわかりやすい位置に表示することが求められています。
実際の行政処分例でも利用規約には表示していたのに、それだけでは不備とされた事例があり、その詳しい内容を以下のnoteに書いております。
SNSビジネスは電話勧誘販売契約書の交付が必要
XやInstagramなどのSNSで情報発信を行い、そこで集客したフォロワーをLINEやZOOMに誘導してセールスを行うビジネスが広まっています。
SNS自体はネット取引のツールですから、SNSやウェブサイトで申込を受けて完結するなら、それは通信販売の広告による契約になり、契約書の交付義務やクーリングオフ対応の必要はないことになります。
ところがSNSからLINEやZOOMに誘導してセールスを行った場合や、消費者をウェブから電話に誘導して勧誘するアップセル・クロスセルの販売を行った場合については、それは勧誘活動とみなされるため、訪問販売や電話勧誘販売のルールが適用され、特定商取引法で定められた事項を満たす契約書交付義務とクーリングオフ対応が求められます。
※アップセルとは、商品やサービスをより上位の高価なものに移行してもらう営業活動のことをいい、クロスセルとは、関連するものを組合せで購入してもらう営業活動のことをいいます。
これらの義務に違反があった場合は、事業者は行政処分や罰金、契約の取消し(返金)といったペナルティの対象になります。
特定商取引法の訪問販売と電話勧誘販売のルールは、ほぼ共通しているため、同じ内容の契約書を郵送で交付することが必要となります。
(訪問販売と電話勧誘販売の契約書は共通利用が可能です)。
※契約書のPDFファイルをメール添付で送付するといったデジタル手段の送付は、特定商取引法では特別な手続(承諾書交付)をしないと認められておらず、実質的にデジタル交付はできないと理解した方がよいです。
訪問販売・電話勧誘販売に該当するビジネスについては、以下の事項を漏れなく記載した紙媒体の契約書を消費者に対して交付することが義務付けられています。
<契約書面の記載事項>
・商品(権利・サービス)の種類
・商品(権利・サービス)の価格
・クーリングオフに関する事項
・事業者の名称、住所、電話番号、代表者氏名
・契約担当者の氏名
・契約を締結した日付
・商品の名称、商標、製造者名
・商品の形式があるときは、その型番
・商品の数量
・契約内容不適合責任の特約があれば、その内容
・契約解除の特約があれば、その内容
・その他に特約があれば、その内容
書面には、「書面の内容を十分に読むべき旨」を赤枠の中に赤字で記載することと、日本工業規格Z8305に規定する8ポイント(官報の文字サイズ)以上の大きさの文字と数字を用いることも義務とされています。
特に「クーリングオフに関する事項」については赤枠の中に赤字で記載することも義務とされています。
事業者の名称、住所、電話番号、代表者氏名、担当者氏名については、商業登記や住民票で確認できる名称・氏名であることが求められ、ビジネスネームだけでの記載では不備とされます。
LINEやZOOMでセールス活動を行う場合は、以上の内容を踏まえた契約書を郵送することが必要になることを心得えるべしです。
その契約書交付義務に対応しておけば適法となるので、面倒であっても契約書を郵送することは確実に実施しましょう。
電話勧誘販売契約書の雛形は、筆者が作成したものを以下のウェブページで販売しております。
電話勧誘販売契約書の雛形|アウトバウンド・マーケティングの交付書面|遠山行政書士事務所
景品表示法の不当表示とは
景品表示法では、優良誤認表示、有利誤認表示、指定告示(ステルスマーケティング等7種)について不当表示として禁止しています。
実際よりも著しく優良と誤認させる表示、実際よりも著しく有利と誤認させる表示と一言で括っても、その範囲は膨大で、消費者庁から出ている表示関係のガイドラインを読み漁ってもなかなか把握しきれるものでもありません。
そのような中でも特に処分の多い事例を以下に挙げるので、不注意で違反をすることがないように注意をしましょう。
【過大な効果標ぼう(優良誤認)】
「塗るだけでシワがスーッと消える」
「若返りすぎて炎上」など極端な効果の表示を行う場合など。
【ナンバー1表示(優良誤認)】
「販売実績ナンバー1」
「99パーセントのお客様が高評価」など販売する商品やサービスが優れていることをデータで訴求するが、そのデータが恣意的で客観性が無い場合など。
【二重価格表示(有利誤認)】
通常価格と特別価格の二つの価格が比較表示されているが、通常価格で販売していた期間が短い場合など。
また、特別価格の表示が2週間以上続くと、その価格が通常価格となるため、2週間以上の特別価格の表示も有利誤認となります。
【期間限定の虚偽(有利誤認)】
期間限定の金利無料のキャンペーンと表示しつつ、経過後も継続して実施していた場合等。
【打消し表示不備(有利誤認)】
新規入会特典の特典を大きく表示(強調表示)しながら、対象外の行為の注釈(打消し表示)が同一画面内に表示されていなかった場合など。
【ステルスマーケティング(指定告示)】
広告であるにもかかわらず、広告であることを隠す行為。
例えば、お客様の声を掲載して、それが景品や報酬によって募集されたものであることが隠されている場合など。
こうした表示は不当表示であり、景品表示法の措置命令や課徴金納付命令の対象になります。ウェブサイトやチラシ等で広告を行う際には十分に注意しましょう。
表示・広告対策としてやるべきこと
ここまで読んで頂くのはたいへんだったと思います。
本当にお疲れさまです。
せっかくインターネットビジネスに取り組んでいるのに、無意識に特定商取引法や景品表示法の違反してしまうリスクはなんとしても避けたいところだと思います。
本記事のまとめとしては、
(1)「特定商取引法の表示」ページを適正に表示する
(2)「最終確認画面の表示事項」を適正に表示する
(3)LINEやZOOMを利用して勧誘する場合は電話勧誘販売契約書を郵送する
(4)景品表示法の不当表示で多い処分例に留意する
という4つの事項に気をつけて対策しましょう!ということになります。
インターネットビジネスに関わる事業者の方や広告担当者の方は、この記事の内容を把握して、早速セルフチェックをしてみて下さい。
本記事の内容が読んで頂いた方のビジネスにお役立ち出来たら幸いです。
もっと詳しく、要点だけを把握できるテキストが欲しいという方は、以下のリンク先ページをご参照ください。(筆者への14日間のメール質問権付き)。
「これだけで大丈夫!小規模事業のためのネット・SNSビジネスの表示・広告対策」テキスト(PDF)|著者:行政書士・遠山桂
SNSでビジネスをされている方、業務で広告担当をされている方には必須の知識とノウハウが詰まったテキストになっています。
是非ともご購入頂き、あなたのお仕事にお役立てください。
既にインターネット・ビジネスを展開されている方、こらから始める方は以下のnote記事もご覧ください。
有料記事になりますが、無料部分だけでも役立ちます。