
ブーメラン効果と逆張りの不当表示|マーケティングと景品表示法(12)
行動心理学をマーケティングに活用しつつ、景品表示法ルールもしっかり守るための知識について解説するシリーズです。
今回はブーメラン効果を活用したマーケティングが景品表示法の不当表示に該当するケースについて解説します。
ブーメラン効果とは、人を説得するつもりが、かえって相手の強い反発抵抗を招き逆効果に働く現象のことです。
売り場において販売員が大声で呼び込みをすると客がそれを嫌忌して逃げてしまうといった場面が該当します。
人は自分の信念や大切にしている価値観に逆行するような説得が行われたり、物事を強制されたりすると強い反発心を抱き、それは心理的リアクタンス理論とも呼ばれています。
このような人間の心理を逆手に取り、ブーメラン効果を狙った逆張りのマーケティングを行う手法も存在します。
そうしたブーメラン効果のマーケティングへの活用事例としては以下のようなものがあります。
・「在庫僅少につき、買わないでください」という広告をする。
・アプリの広告で「本気じゃない人は絶対にダウンロードしないでください」と訴求する。
・SNSキャンペーンで「この投稿にはいいね!しないでください」と告知する。
これらの事例は、ブーメラン効果を逆手に取り、閲覧者の心理的抵抗を利用して関心や行動を引き出す戦略になります。
挑発的な働きかけとなるのでターゲット層に刺されば大きな反応を得られますが、反発を招く可能性もあり、活用する場合にはターゲット層と状況を見極めないといけません。
(常時活用できる手法ではなく、ここぞという場面でのみ使う手法といえるでしょう)。
こうした逆張りの広告をする場合は景品表示法の禁止する不当表示にならないように注意する必要があります。
心理的反発から閲覧者の印象に残る可能性も大きいことから、不当表示があった場合には消費者庁への通報リスクも高くなるので特に注意が必要です。
景品表示法の禁止行為とされる不当表示には以下の3種があります。
(1)景品表示法第5条1号(優良誤認表示)
実際のものより著しく優良であると一般消費者に誤認される表示は禁止行為に指定されています。
例えば、健康食品の広告で「このサプリは効果がなさそうに見えますが、実は業界No.1!」と謳い、根拠なく他社製品より優れていることを表示するのは優良誤認表示になります。
(2)景品表示法第5条2号(有利誤認表示)
実際のものより著しく有利であると一般消費者に誤認される表示は禁止行為に指定されています。
例えば、「この商品は人気すぎて在庫がありません!絶対に買わないでください」と表示し、実際には十分な在庫がある場合には有利誤認表示となります。
(3)景品表示法第5条3号(総理大臣指定告示:ステルスマーケティング)
広告であるにもかかわらず広告であることが分からない表示(ステルスマーケティング)は内閣総理大臣の指定する不当表示として禁止されています。
例えば、SNSで「この商品、誰も買わないよね?でも実は…」と一般消費者を装ったインフルエンサーが投稿し、企業から報酬を受けていることを隠す行為はステルスマーケティングになります。
※総理大臣が指定する告示は2025年4月現在で7種あります。
ブーメラン効果の逆張りを狙った広告はインパクトが強いだけに、不当表示の要素があると大炎上につながるリスクがあります。
不当表示の要素を排除し、ここぞという場面に活用すれば強烈な反応を期待できるだけに、慎重に状況を見極めて活用をしましょう。
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【参考】
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