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【Legend of Lineage】第4話勇気ず浅知恵の代償第2章

第2章掞窟の厩萜ず「爆砎テロ」疑惑

第4話勇気ず浅知恵の代償

【前回たでのあらすじ】

アルトリりスの正䜓――それは叔父りィルの裏切りにより囜を远われた王子゚リオスだった。自らの名も䜿呜も忘れたたた、圌ぱリヌれの「埓階士」ずしお王郜の調査隊ぞず入隊する。

䞀方、そんな事情は露知らず、手に入れた「最匷の駒」を䜿い、゚リヌれは自らの野望を叶えるべく最初の任務地・魔窟「゚コヌ・グロット」ぞず足を螏み入れる。

【登堎人物・甚語解説】

初めおの方や抂芁を確認したい方は以䞋の【ご玹介】をご芧ください。

【BGM再生】

※再生ボタンを抌し、音ず共に物語の䞖界ぞお入りください。BGM無しでもお楜しみいただけたす



1. 調査任務ず「゚コヌ・グロット」の惚劇

 王郜アれルロヌドを囲む険しい山脈の裟野に、その忌たわしい口は開いおいた。「゚コヌ・グロット」ずいう名の、か぀おは矎しい残響を奏でる芳光名所ずしお芪したれたその掞窟は、今や湿った䞍快な冷気ず、死の匂いが肌を刺す恐るべき魔窟ぞず倉貌を遂げおいた。

 最近になっお呚蟺で急増した魔物の出どころを突き止めるべく、時の囜王アランが発した厳呜に基づき、アれルロヌド階士団を䞻軞ずした倧芏暡な調査隊が線成された。

「  ったく、新入りだからっお最埌尟なんお。私たちの実力を完党に芋くびっおいるわね。あの門番、埌で芚えおなさいよ」

 湿り気を垯びたぬめるような岩壁を睚み぀けながら、゚リヌれが䞍服そうに唇を尖らせる。

 だが、階士団偎にも切実すぎる事情があった。これたでに掟遣された数々の先行調査隊の倚くが音信䞍通ずなっお消息を絶ち、生還した数少ない戊士たちの蚌蚀も「掞窟の途䞭に巚倧な奈萜があり、そこから無尜蔵に魔物が溢れ出しおくる」ずいう絶望的なものばかりだったからだ。

 掞窟の入り口付近では、傷぀いた戊士たちが束明の明かりの䞋で恐怖に震えながら囁き合っおいた。

「あの穎を物理的にふさがない限り、アれルロヌドは魔物の海に飲み蟌たれるだろう  」
「だが、あの巚倧な番人が穎の前に立ちはだかっおいる以䞊、近づくこずすら叶わん。あれはもはや生き物ではない、岩の化身だ  」

 その悲芳的な声を背䞭で聞きながら、゚リヌれは隣で静かに剣の柄に手をかける癜銀の階士を振り返り、ニダリず䞍敵に笑った。

「聞いたアルトリりス。ようやく私たちの出番よ。退屈な行列はおしたい。䞀気に最前線たで駆け抜けお、その『穎』ずやらを拝んでやりたしょう」

2. 巚倧な掞穎の死闘

 掞窟内郚は、闇の䞭から容赊なく飛びかかる魔物たちの咆哮ず、それに抗う兵士たちの怒号で満ちおいた。しかし、最埌尟にいたはずの二人が匟かれたように動き出した瞬間、戊況の色圩は䞀倉した。

 アルトリりスの剣が、たるで闇そのものを切り裂く閃光ずなっお䞀振りで数䜓の魔物を䞀掃し、その背埌から゚リヌれが、挏れ出た敵を拳䞀぀で朚っ端埮塵に粉砕しおいく。呚囲の兵士たちが戊うこずを忘れお唖然ずする䞭、二人はあっずいう間に調査隊を远い抜き、最深郚の倧空掞ぞず到達した。

 田舎の村での生掻で、隠すように抑えおきた自身の胜力。それを誰に遠慮するこずもなく解き攟おる党胜感。゚リヌれは䞀皮の高揚すら芚えおいた。

「口ほどにもないわね。このペヌスなら䜙裕じゃない」

 ゚リヌれが匷気の笑みを浮かべた盎埌、前方の空間が倧きく開けた。そこには、犍々しい玫色の光を攟぀底知れぬ倧穎ず、それを守護するように鎮座する、岩山のような巚躯を持぀魔獣が埅ち構えおいた。

「なによこれ  出おくる数が倚すぎるわよ  穎じゃなくお、湧き氎じゃない」

 穎からは、小型の魔獣が奔流のように溢れ出しおおり、掞窟党䜓を震わせるほどの唞り声を䞊げおいる。

「゚リヌれ、䞋がっおここは私が抑える」

 アルトリりスは短く叫ぶず、重厚な鎧を感じさせない速さで巚倧な魔獣ぞず肉薄した。圌の剣が魔獣の硬質な皮膚を深く切り裂くが、魔獣は傷口から黒い闇を噎き出しながら、さらに狂暎な咆哮を䞊げる。もう䞀息。アルトリりスが勝利を確信し、最埌の䞀倪刀を振るおうずしたその瞬間。

「なかなかしぶずいわね  アルトリりス、そこをどいお私が䞀発で決めおあげるわ」
「埅お、゚リヌれここでその魔力は――」

 アルトリりスの必死の制止は、倧気を震わせる䞍穏な魔力の収束音にかき消された。゚リヌれの右拳に集められた魔力は、もはや䞀぀の小さな倪陜のような、目を焌くほどの茝きを攟っおいた。

3. 厩萜ず残響のオヌブ

「せいッ」

 攟たれた衝撃波は、巚倧な魔獣を肉片䞀぀残さずこの䞖から消滅させ、そのたた背埌の「底なしの穎」ごず奥の岩壁を培底的に粉砕した。

 しかし、閉鎖された掞窟内での過剰な゚ネルギヌ解攟は、取り返しの぀かない最悪の事態を招く。

「  あ」

 ゚リヌれが呆然ず声を挏らした瞬間、ズズズ  ずいう、胃の底に響くような地鳎りが始たった。倩井から、家䞀軒分はあろうかずいう巚岩が、雚のように降り泚ぎ始める。

「゚リヌれ、こっちだ走れ」

 アルトリりスが咄嗟に圌女の腕を匕き寄せ、厩萜する岩肌の間を瞫うようにしお、唯䞀残った逆方向の通路ぞず飛び蟌んだ。背埌では、本隊ずの道を完党に遮断する凄たじい土煙ず、巚倧な岩の壁が積み䞊がっおいく。

 死に物狂いで厩萜の連鎖から逃げ続ける最䞭、砕けた壁の瓊瀫の䞭から、鈍い光を攟぀小さな「オヌブ」が転がり出た。アルトリりスの手が、䜕らかの意志に匕かれるようにしお、吞い寄せられるようにそれを掎む。

なんだ、この感芚  懐かしい、枩かな光だ  

 その䞍思議な既芖感に足を止めかけたが、頭䞊から降り泚ぐ小石が圌を珟実に匕き戻した。アルトリりスはオヌブを咄嗟に懐ぞ抌し蟌むず、光の挏れる出口を目指しお゚リヌれの手を匷く匕き、闇を駆け抜けた。

4. 浅知恵の代償ず「爆砎テロ」

 呜からがら掞窟の倖ぞ転がり出した先は、王郜ずは正反察偎、軍事囜家メリディりス領の関所近くであった。党身煀ススたみれで、どう芋おも䞍審者以倖の䜕者でもない二人に、重歊装の衛兵たちが䞀斉に冷たい芖線を向ける。

 ひずたず、人気のない裏路地に移動するず、゚リヌれが珍しく匱音を吐いた。

「  さっきのは 、やっぱりやりすぎちゃったかなみんな無事かしら  」
「仕方ない。それに、みんな粟鋭だった。倧䞈倫。圌らの幞運を信じよう」

 アルトリりスぱリヌれを気遣っお蚀った。だが、゚リヌれは自身の発した魔力の制埡が効かなかったこずにショックを受けおいるようであった。

「それより、今はこの窮地をどう乗りきるかだ」

 アルトリりスは気持ちを切り替えるようにそう蚀っお立ち䞊がるず、あたりを芋回した。

 圓然ながら、身分蚌も通行蚱可蚌もない。背埌の掞窟は完党に埋たっおおり、戻る道は断たれおいる。衛兵たちは「よそ者は䞀歩も通さん。怪しい奎は捕瞛する」ず冷たく蚀い攟぀。

 少し間をおいお気を取り盎した゚リヌれは、再び「最短で効率的」な回路を脳内で回し始める。

  このたたじゃマズむわ。二人ずも捕たっちゃう。私が䜕ずかしなきゃ  。そうね  

 しばらくしお゚リヌれは顔を䞊げ、アルトリりスの方を向いた。

「ねえアルトリりス、名案を思い぀いたわ。私に任せお」

 圌女はむタズラっぜく蚀うず、ニダリず䞍敵に笑った。

真正面がダメなら、暪に『新しい道』を自分で䜜ればいいのよ。フフ、少しだけ岩山を削っお、裏道を通れば誰にも芋぀からないわ。  私だっお少しは圹に立぀のよ――

 ゚リヌれが右手を掲げ、玫の魔力を緎り始めた。小さいが圧倒的な゚ネルギヌ。その右手のオヌラが次第に茝きを増しおいく。それを芋たアルトリりスが「たずい」ず気づき、止めるべく手を䌞ばした時にはもう遅かった。

「ちょっずだけ道を䜜らせおもらうわ   。――せいッ」

 ドォォォォォォォン

 しかし、掞窟での反動か、それずも疲劎か。攟たれた䞀撃は岩壁を削るどころか、メリディりスの匷固な関所を真正面から飲み蟌み、山肌ごず巚倧な火柱を䞊げた。

 静たり返る䞀垯。そしお――。

「止たれテロリストだ応揎を呌べ、アれルロヌドからの宣戊垃告か」

 燃え盛る火柱の前で、真っ癜な灰を被っお唖然ず立ち尜くすアルトリりスず、予想以䞊の倧惚事に口を半開きにした゚リヌれ。

「  違うの。私はただ、通り道を  ちょっず芪切心で  」

 ゚リヌれの蚊の鳎くような蚀い蚳は、四方八方から駆け寄る数癟人の衛兵たちの怒号ず、鳎り響く譊告の鐘にかき消された。

 アルトリりスは党おを察し、もう抵抗はしなかった。朔く衛兵たちに埓うアルトリりスず、か现い声で未だに䜕かず蚀い蚳を続ける゚リヌれ。二人は抱えられるようにしお連れお行かれた。

 こうしお、二人の茝かしいはずの冒険は、隣囜の冷たい鉄栌子が埅぀地䞋牢ぞず匕きずられおいく圢で、最悪の幕開けを迎えるこずずなった。


▶第5話「脱獄聖女ず枯町のフィクサヌ」を読む

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