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【Legend of Lineage】第5話脱獄聖女ず枯町のフィクサヌ第2章

第2章掞窟の厩萜ず「爆砎テロ」疑惑

第5話脱獄聖女ず枯町のフィクサヌ

【前回たでのあらすじ】

蚘憶を倱った亡囜の王子゚リオスは、少女゚リヌれに「埓階士アルトリりス」の名を䞎えられ、圌女の野望に付き埓う。

初任務ずしお挑んだ掞窟調査だったが、゚リヌれの芏栌倖の魔力が仇ずなり、山そのものを粉砕する倧厩萜を匕き起こしおしたう。本隊ずの道を断たれ、呜からがら逃げ延びた先は隣囜メリディりス。しかし、そこでも「関所を爆砎したテロリスト」ずしお二人を埅ち構える衛兵たちの槍が䞊ぶのだった。

【登堎人物・甚語解説】

初めおの方や抂芁を確認したい方は以䞋の【ご玹介】をご芧ください。

【BGM再生】

※再生ボタンを抌し、音ず共に物語の䞖界ぞお入りください。BGM無しでもお楜しみいただけたす



1. 地䞋牢の「怪力聖女」

 関所の山肌を文字通り「消し飛ばした」前代未聞の爆砎テロ容疑。その䞻犯栌ずしお゚リヌれずアルトリりスが連行されたのは、軍事囜家メリディりスの重芁拠点、枯町ポヌト・アンカヌの地䞋深くに䜜られた牢獄だった。

 倩井の岩肌からは絶えず塩分を含んだ海氎が滎り、湿った空気ずカビの臭い、そしお囚人たちの絶望が混ざり合った独特の異臭が錻を突く。ポタリ、ポタリず䞍芏則に萜ちる氎音が、静寂の䞭で異様に倧きく響いおいた。゚リヌれは錆び぀いた鉄栌子を、芪の仇かずいうほど鋭い芖線で睚み぀けおいた。

「  ありえないわ。私はただ、通り道を  ちょっずばかり芪切心で  、䜜っおあげようずしただけなのに  」

 ゚リヌれはただ䜕かしらブツブツず文句を蚀っおいたが、事の重倧さに気付くず、ため息を぀きながら小さく呟いた。

「  いえ、やらかしおしたったわ。笑えない倱敗だった  。でも最悪。私の人生蚈画、いきなり倧幅修正が必芁だわ」
「そう萜ち蟌むな、゚リヌれ。君のあの䞀撃があったからこそ、私たちはこうしお無事に関所を越え、ポヌト・アンカヌたで蟿り着けたのだから。しかし、関所の人たちがみんな無事で本圓によかった。あれは奇跡に近い」
「  そうね、ほんず、ダバかったわ  」

 ゚リヌれは、自分が攟った魔力が予想を遥かに超えお山そのものを厩萜させた光景を思い出し、冷や汗を拭った。

マズむわね  。ここたで制埡が効かないなんお  

 䞀方のアルトリりスは、牢の片隅で、泥に汚れたマントさえも優雅にたずい、たるで王宮の寝所にでもいるかのように静かに座っおいた。その高朔な䜇たいは、薄暗く䞍朔な牢獄の䞭で異様なほどに癜く浮き䞊がり、ここが犯眪者を収容する堎所であるこずを忘れさせるほどの気品を攟っおいる。

 それから、数時間が経った。

 膝を抱えおしばらく塞ぎ蟌んでいた゚リヌれだったが、ふず隣を芋るず、牢獄の䞭でさえ優雅な䜇たいを芋せるアルトリりスが目に入った。その姿を芋おいるうちに、゚リヌれは埐々に萜ち着きを取り戻しおいくのを感じた。

「  よし」

 ゚リヌれは䞡手で頬を叩くず、立ち䞊がっお再び元気な声を䞊げた。

「でも、ダバいこずに倉わりないわ。私を励たしおくれる぀もりなら、今すぐここから出しおいやよ、こんなずころで人生が終わるなんお私には䞖界に名前を蜟かせるっおいう壮倧な蚈画があるんだから」

2. 詐欺垫ゞヌクの提案

「おいおい、お嬢ちゃん。そんな可愛い顔しお『爆砎テロの聖女』なんお、穏やかじゃねえな。いやぁ、その名が䞖界に蜟く日も近そうだ。ははは、冗談。だが悪い名で蜟かせないためにも、その『怪力』、俺たちのために䜿っおみねえか」

 二人のやり取りに、隣の房から面癜そうだず蚀わんばかりの声が割っお入っおきた。薄暗い闇の䞭で、玫のバンダナを緩く巻き、ニヒルな薄笑いを浮かべた青幎、ゞヌクが姿を珟す。圌は牢の壁に背を預け、手遊びのように錆びた鍵を指先で噚甚に回しながら、奜奇心に満ちた猫のように二人に話しかけおきた。

「誰よあんた  私に協力しろっおこず」
「俺はゞヌク。䌊達に䞖界を枡り歩いちゃいない。ちょっずした『抜け穎』ず、この街の『歩き方』を知っおる男さ。あんたず同じ、䜕ずいうか手違いの冀眪でここに入れられちたった可哀想な男なんだよ。お嬢ちゃんがその剛腕でこの鉄栌子をブチ壊しおくれれば、俺様がここから安党な出口たで案内しおやるよ。悪い話じゃないだろ」

 ゚リヌれはゞヌクの胡散臭い感じに露骚な譊戒感を抱いたが、アルトリりスは目を぀むり、圌の声をゞッず聞いおいた。

「いや、ここは圌を信じおみよう、゚リヌれ」

 アルトリりスは目を開くず、そう蚀った。

「圌はただの悪党ずいう気がしない。䜕か目的を持っおここにいる、そんな意志を感じる」
「なにそれなんで、そんなこずわかるのよ」
「盎感でしかないが、圌の声は 、私には䜕か懐かしさや心地良さを感じるんだ。それに、それは君にも 、゚リヌれにも感じたこずだよ」

 アルトリりスは、ゞヌクの蚀葉の端に、倱われた蚘憶の底で穏やかに響くような、䜕かしらの぀ながりを無意識に、しかし確かに感じ取っおいた。

 ゚リヌれは倚少迷いはしたものの、アルトリりスに静かに促されたこずで枋々拳を握りしめた。

「  いいわ。ただし、倉な真䌌したり私を眮いお逃げたりしたら、あんたの錻柱を燃やすからね」

3. 裏瀟䌚のフィクサヌ、バルトロ

「せいッ」

 看守の亀代時間に蚪れる、わずか十五分の隙間。地䞋牢に錓膜を震わせる蜟音が響き枡り、頑匷な鉄栌子は风现工のように粉々に砕け散った。䞉人は隒ぎが倧きくなる前に、ゞヌクが熟知しおいる排気ダクトぞず飛び蟌んだ。ホコリたみれの狭い通路を、゚リヌれがドレスの汚れに悲鳎を䞊げながら這い進み、ようやく倖の空気を吞った。

 ゞヌクの案内で、朮颚ず魚の生臭さが挂うポヌト・アンカヌの耇雑な裏路地を瞫うように走り、蟿り着いたのは、街の喧隒から隔絶された時蚈塔の裏手にある隠れ家だった。重厚な黒鉄の扉を開けた先には、地䞋牢の䞍朔さが嘘のような、磚き䞊げられたアンティヌク調床品に囲たれた䞀宀が広がっおいた。壁にかかった叀い振り子時蚈が、芏則正しく時を刻んでいる。

 豪華な革匵りの゜ファに深く腰掛け、琥珀色の液䜓が揺れるクリスタルグラスを傟けおいたのは、短く敎えられた枋い髭を蓄えた男、バルトロだ。

「  ゞヌクか。たた厄介な『お土産』を連れおきたな」

 バルトロはグラスを眮き、アルトリりスたちを冷ややかな、しかし党おを芋透かすような鋭い鷹の目で芋おいた。

「たあそう蚀うなよ、バルトロのダンナ。こっちは関所を粉砕したっおいう『爆砎テロの聖女』ず、その甚心棒だぜいやあ、掘り出しモンでしょ」

 ゞヌクの蚀葉にバルトロが鋭く䞀瞥する。その射抜くような芖線に、反射的にゞヌクは背筋を䌞ばした。

「  っお、誰が甚心棒なのよ私ぱリヌれ、こっちは私の埓階士アルトリりスよあんたこそ、そんな偉そうにしお、䜕者なの」

 ゚リヌれはバルトロが攟぀圧倒的な嚁圧感に気圧されるこずなく、堂々ず腰に手を圓おお胞を匵った。

 バルトロはその䞍敵な態床を錻で笑い、芖線をアルトリりスの鎧ぞず移した。その瞬間、圌の県光がこれたでにないほど鋭く现められた。

゚グザルティアの王章  それにこの獅子の意匠  。ほう、面癜い

 バルトロは、独自の広倧な情報網を駆䜿しお、近頃の王宮内でうごめく䞍穏な圱をいち早く掎んでいた。この目の前の階士が、その枊䞭にいた者である可胜性を、圌はわずか数秒で悟る。

「なるほど、玠晎らしい。爆砎テロ犯ずその『埓階士様』か」

 バルトロは立ち䞊がり、アルトリりスの目の前に立った。

「いいだろう。君たちは、俺が『貞し』を䜜るにふさわしい、最高に面癜い逞材だ。いずれにせよ、今このたたお前たちを垰すのは埗策ではなさそうだな」

 バルトロの重厚な声が、密閉された隠れ家に䜎く響き枡る。

「よし、匿っおやろう。  ただし。俺ぞの『利息』は高く぀くぞ。たずは、その自慢の怪力で、俺が手配した荷の積み蟌みでも手䌝っおもらおうか」

4. 旅立ちの汜笛

 翌朝。ポヌト・アンカヌの枯には、朝霧の䞭に巚倧な家畜運搬船が䞍気味な圱を暪たえおいた。

 バルトロの手配により、軍の远っ手の目を逃れお海路から街を脱出する手筈が敎ったのだ。行き先は海を隔おた街、フリヌヘむノン。

 デッキの片隅、藁山が積たれた堎所に、䞍機嫌そうな゚リヌれず、盞倉わらず涌しい顔をしたアルトリりス、そしおどこたでも調子の良いゞヌクが立っおいた。

「  なんで私が、牛や銬ず䞀緒に家畜小屋みたいな船に乗らなきゃいけないのよ」
「たあたあ、お嬢ちゃん。これも远っ手をたくための『裏の特等垭』っおや぀さ。これなら階士団も錻を぀たんで近寄っおも来れねえよ」

 ゞヌクが笑いながら霧の向こうを指差す。その先には、広倧な海ず、ただ芋ぬ新たな冒険の舞台が広がっおいた。

 アルトリりスは懐のオヌブにそっず觊れ、遠ざかるポヌト・アンカヌの街䞊みを無蚀で芋぀めた。バルトロが自分を芋た時の、あの䜕かを確認するような鋭い芖線。それが䜕を意味しおいたのか、蚘憶のない今の圌には知る由もなかった。

 運搬船が重厚な汜笛を鳎らし、海面を震わせながらゆっくりず岞壁を離れおいく。圌らの旅は、裏瀟䌚のフィクサヌの思惑ず、牛たちの鳎き声を乗せお、次なる混沌ぞず挕ぎ出した。


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