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📚図書館改修編 ③|謎の設計図

図書館改修編
01|森の奥の古びた建物
02|整理は進んでも掃除は進まない
03|謎の設計図← 今ここ

図書館の改修が始まってから1ヶ月半が過ぎた。

アキラは今日も、本を棚へ戻していた。

とはいえ、山積みだった本も、
積まれたままだったダンボールも、
少しずつあるべき場所へ収まっていた。

「少しは終わりが見えてきたかな……」

一方、図書館の工事も、
いよいよ大詰めを迎えていた。

傷んでいた床板は張り替えられ、
館内には木の香りが漂っている。
入口には新しい案内板が立てられた。

気がつけば、瓦礫に埋もれていた古びた建物は、少しずつ「森の図書館」と呼べる姿へと変わり始めていた。

アキラは足を止め、ゆっくりと建物を見上げた。

「……ここまで長かったな。」

小さく息をつくと、
「あと一息だ」と腕まくりし、館内へ戻る。

壁際に積まれた最後のダンボール。
これを片付ければ、瓦礫だらけだった図書館の整理も一区切りになる。

あれほど散らかっていた景色が、ようやく形になりつつある。

「本当に、図書館になるんだな。」

そうつぶやいて、ダンボールの蓋を開ける。
本を持ち上げた瞬間、本の隙間から、
ひらり、と一枚の紙が滑り落ちた。

「……ん?」

拾い上げ、軽く埃を払うと、それは長い年月を閉じ込めたような、古びた一枚の紙だった。

端は茶色く変色し、あちこち破れている。

「……なんだこれ?」

紙いっぱいに設計図らしきもの。
所々読めない文字がある。

どうやら、かなり古いものらしい。

「L…I…B…RO…」
「なんだ? ロボットか……?」

アキラはふと首をかしげた。

「あれ……?この形、どこかで……」

前に、似たようなものを見た気がする。

もう、あれこれ作業しすぎて、
思い出そうとしてもなかなか思い出せない。

「うーんと、確かあれは…」

必死に思い出そうとしているその後ろから、
急に声がかかった。

「アキラくん」

聞き慣れた声。振り返ると、館長がいつものように、髭を触りながらのんびり歩いてくる。

「あ、館長」

アキラは紙を机の端へ置いた。

「どうだい。進んでいるかね」

「いやいや、見れば分かるでしょう」

「ここまで大変だったんですよ。
終わりかけになってから様子を見に来るなんて、ひどいですよ」

「はっはっは」

館長は悪びれもせず笑う。

「順調そうだから、任せておいても大丈夫だと思ってね」

「館長、少しは手伝ってくださいよ」

「わたしは見守るのが仕事だからね」

「便利な言葉ですね、それ」

二人は館内を見回した。

磨かれた床と、窓から差し込む柔らかな光。
整然と並び始めた本棚。

館長は満足そうにうなずく。

「ようやく図書館らしくなってきたね」

「ええ」

◆

その頃。
図書館の裏では、職人たちが屋根裏で電気系統の作業を進めていた。

「館長ー!ちょっと来てもらえますかー!」

足場の上から声が飛ぶ。

「悪いね。ちょっと行ってくるよ」

館長は軽く手を上げると、声のした屋根裏の方へ歩いていった。

「どうしたね?」

館長が近づくと、職人が梁の隙間を指差した。

「こんなものが出てきたんですが……」

そう言って、職人は館長に包みを手渡す。

布切れに包まれていた、金属製の頭部。
丸い目にゴーグルのようなパーツが付いていて、どこか愛嬌のある顔をしていた。

「これは何だね?」

「さぁ、詳しくは……。
結構古いものみたいですけど、どうします?」

職人が尋ねる。

「うーむ……」

館長は少し考えたあと、小さくうなずいた。

「念のため、上へ報告しておこう。」

そう言って、頭部を布で包み直す。

「この図書館には、まだ私も知らないものが残っているようだ。」

その頃アキラは、そんなことなど知る由もなく、最後のダンボールを片付けていた。


(続く)


アキラの図書館編

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