
『戦国ラーメン記』①〜軍師・黒田官兵衛を召喚して「一蘭」に突撃した姫の記録〜
【登場人物】
・姫(邪念クイーン): 本作の主人公。無類のディズニー好きで、脳内に戦国武将を召喚できる特殊能力(?)を持つ邪念クイーン。
・黒田官兵衛: 姫の脳内に召喚された優秀な参謀兼、過保護な執事。数多ある東京のラーメン店から、姫に仕えるべく至高の1杯を導き出そうとする。
・旅の仲間たち(娘): 姫の突飛な行動に巻き込まれる、リアルな旅の同行者。
【あらすじ】
【タイムトラベルグルメファンタジー】
東京はラーメン激戦区。娘たちと共に、ラーメン制圧の旅に出た私。
天才軍師・黒田官兵衛を召喚し、博多『一蘭』の隠密席で、九州の白い濁流『とんこつラーメン』に立ち向かう。
誰も彼もがタイムリープで人生をやり直すこの時代。
400年前から来たこの軍師は、現代(令和)という「未知の戦場」を、一度きりの命と背脂と共に、ただひたすら突っ走る——。
戦国時代と現代が交錯する、タイムトラベルグルメファンタジー第1話!
ラーメン合戦、いざ出陣!!
「皆さんは、ラーメン好きですか?
東京は、言わずと知れたラーメン激戦区。
数多のラーメン店が、戦国時代さながらにしのぎを削り合う場所。
醤油か、味噌か、塩か、豚骨か。
はたまた、つけ麺か?
天下統一を目論む覇者どもが、今日も丼の中でしのぎを削っておる。
こんにちは、シュガーです!
今回は、昨年、娘達と行った東京旅行での話です。
東京で何を食べるか作戦会議を練ったところ、全員一致で『ラーメン』に!
どうせなら、地元では食べられない店に行こう!と決定。
その旅の様子を、(私=邪念クイーン👸が)戦国時代さながらにお送りします。
では、最後までお付き合いいただけると嬉しいです。
『パオオーん📯』
(合戦の合図のホラ貝が私の脳内で鳴り響いとるわい)
さてさて、ラーメンを食べると言う作戦において意見は一致したのだが、どの店を制圧するのかはなかなか決まらず・・・
それもそのはず、東京はなんせ選択肢が多すぎるのじゃ。
しかも、全国各地の覇者が「江戸を目指せ!」「我こそが天下人じゃ!」と集うだけあって、名店揃いときておる。
ここはひとつ、参謀役の黒田官兵衛を現代へ召喚するとしよう。
なんせ、この『戦国ラーメン記』は食の合戦録じゃ。優秀な参謀は欠かせぬのじゃ。
『北海道味噌ラーメン』などと旗印を上げて、堂々と北海道の店のように謳っておきながら、単なる外食チェーン店が潜んでいたりするからのう・・・油断は大敵じゃ!!
官兵衛召喚す!
「近う寄れ、官兵衛」
「ははっ。お呼びでござりまするか。」
「此度は、江戸の地で天下取りが今一番熱いとされておる『らうめん』とやらが気になっておるのじゃ。お主はどの店がよいか知っておるか?」
「はっ。もちろんで御座りまする。江戸の地はまさに『麺々割拠』の乱世。拙者、クイーン様の命とあらば、喜んで進言させていただきまする。
まず、『らうめん』には、麺が汁に浸かった物と、汁につけるものがございますが、クイーン様はどちらがお好みでございましょう。」
「ほう。二種類あるのじゃな。どちらが良いかのう。」
「クイーン様!らうめんと言えば、やはり汁に浸かっている物が基本にございます。まずはそちらからお試しになるのがおすすめかと。」
「汁とな…」
(思わず私の喉が『ごくり』と音を鳴らした。)
「ははっ、クイーン様。ならば、まずは西国(九州)の猛将どもを平らげては、いかがでしょう。江戸の地には、九州発祥の『とんこつ』なる白い濁流を操る勢力がひしめいておりまする。」
「九州……? あの島津や大友といった、血の気の多い連中が治める地のことかえ?」
「左様でございます。奴らのルーツである『とんこつ』を制することは、九州全土を胃袋に収めるも同然。いわば天下統一の最短ルートでございまする!ですが、一部の層からはこの『とんこつ』を毛嫌いする、アンチという反逆児なる輩がいるのも事実でございまする。」
「毛嫌いとな。ふむ……面白い。九州の猛将どもを、そしてその一部の層とやらを、この江戸の地でまとめて黙らせてやろうではないか。……だが官兵衛、一つ懸念がある。」
「はっ、何なりと。」
「我らは『邪念クイーン』の一族。これほど高貴な身分(と美貌)を、江戸の喧騒の中で庶民に晒すわけにはいかぬのじゃ。九州の荒くれ者どもと、とんこつアンチ族とやらに、私がらうめんを啜る顔や、汁を散らしまくる姿を見られるのは……ちと、よろしくなくてよ? 🤭」
「ははっ! さすがクイーン様、お目が高い。その懸念、この官兵衛、すでに見越して策を練っておりまする。九州・博多にルーツを持ち、なおかつクイーン様のために設えられたかのような『鉄壁の城』が、すぐそこにございます。」
「ほう、そのような都合の良い城が?」
「左様。この城、隣の兵士(客)も見えず、前方の武将(店員)も見えず。なおかつ四方を壁に囲まれた一人用の陣地……その名も『一蘭』。
己と『らうめん』だけで一騎打ちができる【味集中カウンター】という名の個室陣地を備えておるのです。ここならば、庶民に顔を見られることなく、隠密のまま九州を制覇していただけるかと。」
「……隠密のまま九州を食らうか。気に入ったわい!官兵衛、案内せよ!」
一蘭の城門をくぐる
『パオオーん📯』
「官兵衛、早う案内せよ! いざ、一蘭の城門(のれん)をくぐるぞ!
ところで官兵衛、その一蘭とやらはどこにあるのじゃ」
「クイーン様、いい質問でござりまする。一蘭は、江戸の各地に潜伏しておりまするが、新宿・渋谷に並ぶラーメン激戦区の池袋が拙者のイチオシでござりまする。江戸の中でも、一際血の気が多い修羅が集う街。また、池袋にはサンシャイン60なる巨大な城もございます。まずはそこを制圧いたしましょう!」
私が脳内でホラ貝を吹き鳴らし、官兵衛に命じようとしたその瞬間――。
「ママ、早くして。お腹空いた。」
現代の若き女戦士(娘たち)からの、無慈悲な一喝。
現実に引き戻された私の目の前には、戦国時代の荒野ではなく、池袋の雑踏と、食欲に忠実な娘たちの姿があったのじゃ。
「ママ!めっちゃラッキーやわ!今誰も並んでへんで!」
官兵衛を影に従え(脳内で)、娘たちを盾に(現実で)、私はついに一蘭の店の前に立ったのであった。
「ほう、ここが聞きしに勝る『一蘭』か。なかなかいい面構えよのう。赤いわっかの中に緑の『一蘭』の文字。これが『一蘭』の家紋か....我が軍の家紋に引けを取らないなかなかの出来じゃのう。クックックッ」
「クイーン様、道行く庶民に顔を見られないうちに、ささっ、早う店内へ」
『パオオーん📯』
ガラガラッ……
「官兵衛よ。おかしいぞ。誰も出迎えんとは何事じゃ。もしやもうバレたのか!?敵が壁の隙間からこちらを盗み見て、奇襲してくるのではないか?!」
「クイーン様、ご安心くだされ。ここはまず、入り口にある謎の箱で『らうめん』の札を買うのでござりまする。」
「謎の箱とな...こ、こやつ!何者じゃ!手足もない四角い図体で仁王立ちし、こちらをみておるぞ!!曲者じゃーー!!」
「落ち着いてくだされクイーン様。拙者が『ぐぐる』という隠密から仕入れた情報によると、券売機というもののようでございまする。ささっ、クイーン様、こちらへ。」
「ママ!どないしたん?早くチケット買おうよ。」
「……あ、分かっとるわい。今、券売機という名の暗号機を解読するところよ😏」
まったく、食いしん坊な女戦士達やわ。
「官兵衛!この四角いお化けには、小判を入れる場所がないぞ?これでは券が買えぬではないか!」
「クイーン様。現代に小判はございませぬ。その代わり、後に有名になるとかいう『渋沢栄一』とかいう冴えない男の姿絵を描いた紙を、その暗号機に入れるのです。」
と言いながら、そっとクイーンに1万円札を手渡す官兵衛。
「これが現代の小判なのか.....。厠で使う紙のようで、なんとも頼りないのう.....」
「物は試しでございます、渋沢殿をそやつ(暗号機)へと吸い込ませるのです!」
ウィーーン...
「官兵衛!こ、こやつら、赤い目玉が光っておるぞ!一体全体、何人の敵がこの箱の中に潜んでおるのじゃーー!」
「クイーン様、ご安心なされ。この中には誰もおりませぬ。これは、『らうめん』を食すための通行手当を発行する機械にござりまする。」
「よ、よし。ではどれが良いのじゃ!早うこの赤い目玉群を消してくれ!」
「御意にございます。ここはやはり基本中の基本、『天然とんこつラーメン(創業以来)』これを攻めるしかございませんぞ!」
「ま、まかせたぞ…」
「…ところでクイーン様、拙者の『らうめん』も注文してもよろしゅうござるか?」
「どうした、お前も食べたいのか。(上目遣いで官兵衛が私を見ておるぞ。ニヤリ)」
「(…ごくり。)ややっ!わたくしめとしたことが、恐れ多いことを!面目ない!!(クイーン様、私を頼ってばかりなのに、なんと冷たいお言葉…)」
「仕方あるまい。お主も好きなものを選ぶがよい!」
「御意!(やはりクイーン様はお優しかった!涙)」
「ママー、いつまで悩んでるん?この基本のやつ3つでいいよね!」
ポチっ。
「…あ。う、うん、3つやで!あんたら一体どんだけ食べる気なん?!」
(後ろに控えておる官兵衛の視線が痛いわい・・・すまぬ、官兵衛。私はお主の分も合わせて4つ買うつもりやったんやで・・・)
魅惑の隠密席
「の、のう官兵衛。明日は、休みにしてやるから一人で食べに来るが良い。」
「ク、クイーン様、有難き御言葉。拙者、クイーン様と一緒に食べれると一人で喜び勇んでおりましたが、早合点しておりました。」
「ま、まあ、その、なんだ。手本だと思えば悪くないであろう・・・(ちと苦しい言い訳だったかのう)」
「ありがたき幸せで御座ります。ささ、クイーン様、お席の方へ参りましょう。」
「おい、官兵衛!何やら皆の者が一人一人御簾を前にして身を屈めてお辞儀をしておるぞ?さては、あの御簾の向こうには高貴な方が控えておるのか?」
「いえ。クイーン様、あれが拙者が申していた『隠密席』に御座ります。そして、御簾の向こう側に控えておるのは、客人の要望にすぐさま対応出来るよう待機しております店員と申す者です。」
「これが隠密席とな。ほう、確かに周りの者達と顔を合わす事はないな。して、どこに腰掛けたらよいのじゃ?」
「クイーン様、こちらへどうぞっ...」
ドシンっ!!! 「あたたた・・・」
「ママ!こっちこっち!ここちょうど3人分空いてるで!!」
「あ、ほんまや!」
「いよいよ本物の一蘭のラーメンが食べれるんやねぇ」
「ママ、YouTubeで散々動画見よったもんな〜」
「ほんまに簾が垂れ下がってるし笑」
「官兵衛、大丈夫か?怪我はないか?娘達にはお主の姿が見えてない故、勢い余ってぶつかってしもうたのう。」
「拙者は大丈夫です...。お嬢様達も随分と楽しみにされていたとお見受けいたします。それより、いかがですか、隠密席の居心地は。」
「ふむ。なかなか良いぞ。隠密席という名の独房とも言えるがのう。わっはっは〜」
「クイーン様、独房ではこんな美味い飯は出て来ませぬぞ笑」
「それもそうよのぅ。して、らうめんはいつ出てくるのじゃ?」
「クイーン様、前方に『オーダー用紙』という紙がござります。その紙に、味の濃さや麺の硬さ、にんにくやねぎ、秘伝のたれ、ちやあしゅうなるものをご自身で所望できるのでござりまする。それを御簾の向こうに控えておる、店員とやらに渡せば一寸も立たぬうちに熱々のらうめんが出て参りまする。」
「...これじゃの。ここはやはり、『基本』で勝負いたすとするか。ちやあしゅうとは何ぞや?」
「ちやあしゅうとは、豚肉をその店秘伝のたれにて煮込んだ物で、江戸の町でもたいそう美味いとの評判で御座りまする。」
「そんなに美味いのならもちろん『あり』に丸をつけるしかあるまい。これで、いい土産話が出来たわい。」
「ささ、クイーン様、早く『呼び出しボタン』を押すのです。」
にや
「うぬ。では参ろう! いざ博多へ!! ポチっ」
「ママー、麺の硬さとかどれにした?」
「ママは全部基本にしたけど、秘伝のたれだけは日和って2分の1にした笑」
「え!?ママ秘伝のたれ頼んだん?」
「私は頼まん買ったけど、お姉ちゃんは?』
「私、辛いの無理やけん頼んでないで〜」
「官兵衛、秘伝のたれも付けたのは私だけやったようだ。秘伝と名の付いてる物は付けた方が良かろうに。」
「クイーン様、若き女戦士たち(娘たち)は、まだまだひよっ子故、物の良し悪しが分かっておられぬのです。幸い、この一蘭は隠密席。周りの目など気にしなくても良いのです。ご自身の好きな物を好きに食べられるのが、『味集中カウンター』の醍醐味ですぞ!」
「そうであったの、官兵衛。礼を申すぞ。」
「ははっ、有難き幸せ〜」
九州制圧完了?!
スルスルスル〜
目の前の御簾が突如巻き上がった。
「お待たせしやしたー」

「替え玉をご注文の際は、呼び出しボタンを押してくださーい」
「か、官兵衛!ついに、ついに来たぞ!!これが九州のとんこつらうめんか。まずはこいつを胃袋に押し込めてやることで、西国制圧への最短ルートになるのじゃな!」
「クイーン様、麺が伸びますぞ!講釈は後にして、早うお召し上がりください。」
「よし、いただくとするか。......な、何やら真ん中に赤い目玉が浮かんでおるぞ!さては此奴ら、店先におった暗号機の残党だな!!!成敗してやる!!!」
「く、クイーン様!!早まるではございませぬ!!!その赤い玉は先ほどの残党ではなく、『秘伝のたれ』にございます。何卒、お慈悲を...。ふふふ。気を付けねば、返り討ちに合いますぞ?笑」
「物騒なことを言うではない、官兵衛。もしやお主、嫉妬しておるのか?笑
まあ、良い。さあ、集中するぞ!」
ズルルッ、ズルッ、ズルルゥ〜
(はぁ・・・クイーン様、誰の目も気にする事なく豪快に麺を啜っておられる。おうおう、あんなに汁を周りに飛び散らせ、顔にまで飛び散っておるぞよ。こんな姿、とてもではないが民衆に見せる事など出来ようか。クイーン様の幸せなお顔を見れて、官兵衛は幸せでござりまする。....明日は虎の刻に起床して開店前に並ぶしかないでござるな)
「ママ、美味しいね!」
「あーー!でも麺があと少しで無くなる〜」
「替え玉行っとく?」
「ごはんもあるよ!」
「最後はスープにごはんをぶち込んで、完飲完食しよう!」
「官兵衛、この一蘭のらうめん、しっかりと我が胃袋に収めたぞ。九州を完全に制圧する為に、替え玉を注文しちゃうわよ。おかわりが欲しいからじゃないわよ👸✨」
「クイーン様、承知しておりますぞ。さ、早く替え玉プレートを呼び出しボタンの上に置くのです。」
チャラリ〜ララ、チャラリラララ〜♪
「官兵衛、店に足を踏み入れた時から気になっておったこの音じゃが、これは替え玉注文に対しての合戦の合図だったのじゃな。」
「そうでございまする。これが味集中カウンターを備えた一蘭の優秀な布陣でございまする。」
「そうか。一蘭の敵は自分自身なのじゃな。」
「左様でございます、クイーン様。この味集中カウンターの敵は、本能寺ではなく自分自身なのです。ところでクイーン様、あと何玉行きますか?笑」
「西国を制圧するために、汁に飯まで入れて食らったのじゃぞ?も、もう無理じゃて〰︎!さてはお主、一緒に食べれんかった事に対する腹いせじゃな?笑」
「クイーン様、口の端に米粒が付いておりまするぞ笑」
「あ〜美味しかったね。」
「うん!予は満足じゃ〜」
「ママ、何変な事言うてんの?笑」
「え!ちょっと見て!めっちゃ行列できてるやん!私らが店に着いたときは誰も並んでへんかったのに!」
「これは1時間ぐらい並ばな食べれんやろな」
「うん。こんな並んでるとか、全然気づかんかったわ」
「これは、私らが味集中カウンターでラーメンに一対一で向き合ってた証拠やな」
「さあ!今度はどこのラーメン屋を制圧する?ニヤリ」
「ママ、制圧ってなんのことなーん?笑」
官兵衛、礼を言うぞ👸✨
「ところで官兵衛。お主の生まれ故郷はどこであったかのう?ご当地らうめんとやらはないのか?あれば是非とも食べてみたいもんじゃ」
「生まれは播州でござる。はて.....拙者の時代にはそのような物はござらんかったが。では、早速『ぐぐる』してみましょうか?」
あとがき
世の中に食レポは五万とある。普通に書いたら絶対に埋もれる。
そう思った邪念クイーンが「なら、戦国最強の参謀を召喚して案内させればひと味違うのでは?」と思いつき、脳内で官兵衛を執事化させて始まったのがこの物語である――。
このnoteが面白かったよ!今すぐラーメン🍜が食べたくなったよ!って思ってくれた方はスキ❤️してくれたら替え玉無料(気持ちだけ)にいたします😆
フォローしてくれたら、邪念クイーンが官兵衛を召喚いたします😏👑
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