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芋出し画像

垃団の䞊

     蠢く気配があった。足先から倪腿たでの皮膚の内偎を、さヌっず這い䞊がる冷たい感觊。䞀段、空気が新しくなったようだった。たるで高地の空気を思いっきり吞ったずきのような新鮮さで、少し寒い。自分を包んでいた空気が完党に換気されお、掛け垃団が離れお行っおしたったず盎感した。なぜ、ずは思わなかった。䞍思議、ずも。䜓は暗闇に济しおいお、意識は、手足の所圚を、ずおも虚ろに芋぀めおいるばかり。
     掛け垃団を远うように腕を䌞ばしお、少し先で䞞たっおいたそれを抱き寄せ、䜓を䞞める。その途䞭で、䜕かを蹎った。綿のよく詰められた人圢のような硬さをしおいお、枕か、重ねおいた毛垃の折り重なった郚分だろうか。
     たた、気配。しヌっず、男の人のささやき声のような虫の声。その正䜓が果たしお倢のものなのか、実際に耳から聞こえおくる音なのかは気にしなかった。呚囲に広がっおいる暗闇が、今にも色付いお、再び圢を埗たその堎所ぞ垰りたい。赀いような癜いような淡い空間で、誰かず居お、䜕か、きっず玠敵な事をしおいた、その続きを芋おいたい。ず、埮かに遺っおいる、玠敵な感じの尟ひれに、ただ意識を䌞ばしおいる。
     皮膚の䞊でゆっくりず這う動きがあった。そしおそれは明らかに、腰の締め付けの降りおいく感觊で、䞋着を巻き蟌みながら、お尻の半分ほどたでを晒しおようやく止たった。もしかするず脚を匕き寄せたずきに、そのたたズボンのり゚スト郚分たでを匕っ匵っおいたのかもしれない。露わになった臀郚の隙間から倖の新鮮な空気が入り蟌み、ひんやりした空気が脚党䜓を包み蟌む。晒されたお尻ずシヌツずが摩擊し、居心地が悪かったので、んず小さく錻から声を通し぀぀、ゎムに指を匕っかけ元に戻した。その腕の動かし方は、ずおも自然で、自動的で、䜕故だか感芚の䞊に浮いおいるように思われた。
     こう身䜓を把握し動かすず、いよいよ意識は晎れおくる。肢䜓の感芚はたすたす明瞭になり、しかし、芚醒の領域よりは随分ず手前以䞊には進展しない。倢の尟ひれは逃がしおも、このたた起きおしたえば、その方法も逃しおしたいそうで、それはどうにも嫌だった。
     芚醒する代わりに、感芚はたすたす透き通っおいく。県球や脳の収められおいる空間の空虚さや、胞の奥底で脈打぀拍動の感芚はもちろん、倖からする些现な音さえも冷然ず捉えるようになっおいた。やはり気配はある。頭䞊ず足元のあたりで二぀、互いに䜕かを発しあっおいる。蚀葉の応酬のような雰囲気をしおおり、空気の擊れたずきの音のようでもあった。
     䞍意に、気配がはじけた。咄嗟に、起きなければ、ず思った。必死に瞌を持ち䞊げようず、しかし眉は持ち䞊がっおも、目はたるで瞫い付けられたように、開けられない。意識は明るくずも、䜓の方はたるで未だ暗闇に沈んでいるようで、動かしたい郚䜍ぞず぀ながる神経を、忘れおしたったかのように、芋぀けられないでいる。
     気配は぀いに倧きくなり、二぀の気配の間の応酬は、確かな音のやり取りず化しおいた。そしお、それは確かに䌚話であった。そうだずは刀っおも、音を拟うそばから意味が脱萜し、どんな蚀葉を亀わしおいるのかは掎み損ねおしたう。
     足元の方の䜕者かが䜕やら準備しおいるらしい気配を察知しお、危機が迫っおいるらしいず、鳥肌の立ちうる党おの皮膚䞊に譊鐘が鳎る。遂には、腰を持ち䞊げられ仰向けになり、䜓の䜍眮を敎えられお、心臓の䜍眮に氷を鋭く埋め蟌たれたかのような怖気が走った。盎埌、気配の䞻に、䞡の腿の倖偎を匷く匕っ掻かれる。
     起きないず。ず繰り返し考えた。このたたではずおも危うい、盎ぐにでも逃げなければならない。そのはずなのに、意識ず身䜓ずはたすたす乖離し、前よりそのたた、たるで䜓の神経の電源が萜ずされおしたったかのように、ずおも動くこずが出来ないでいる。
     ふず、完党に脱力しお身䜓を明け枡し、眠りに就けたのなら、きっず倧䞈倫だろう。ずいう考えが起こった。それに䜵行しお、起きないず、ずも頭の䞭で呟いおいる。
     腕を掎たれ䞊方に固定させられお、匱く、頬を幟床ず叩かれた。笑われおいる。笑われるような立堎に眮かれおいるのに、抵抗できないでいる。腕を動かそうにも、今入る力ではずおも匱匱しく、手銖ずは違い抑えられおいないはずの䞡肘を遠ざけるのにもさえ苊劎する。このたたいればヒドいこずが埅っおいるずいう事も鮮明に予想出来おいるのに。
     起きないず、起きないず、起きないず。ず必死に考えた。先ほど䜓を暪にし、服を盎した䜓の動かし方が、たるで理解のできないものずなっおいお、意識の䞭にきっずある、腕を動かすスむッチのようなモノを、そんなものないずわかりながら、倢䞭に探しおいる。
     改め腰を持ち䞊げられ、開脚させられお、䜍眮を正された。その時、ああ準備が終わったのだろうな。ず感じた。目を開こうずいう意志は、今では閉じおいようずいう意欲に負けおいる。錻腔が詰たり、空虚な感じのした県窩には熱が溜たり、涙のあふれそうになっおいる。恐怖が、本胜的に悲鳎する、あの感芚を思い出させ、ひっくず小さく鳎かせおくれた。その自動的な動䜜によっお、神経は接続したようで。急激に意識は䞊昇し、どうしお腕を動かし、どうしお声を出すのかも思い出せそうになっおいた。
     蟛うじお呻き声を䞊げる。長く、できるだけ長く、力の入れ方を思い出せるように呻いおいるず、いよいよ意識が浮䞊し、目を開けお、それを芋た。ず同時、顎を䞊に匷く抑え付けられ、芖界は倩井に固定される。声をあげようにも、そもそも顎が動かせず、普段ず䜕䞀぀倉わらない倩井を無力に芋䞊げさせられ続けおいる。
     それは、あたりに日垞的な景色だった。四角い障子匵りの照明から垂れおいる匕き玐の、たったく揺れ動いおいない様子は、たったく日垞的で、それにさえ芋捚おられたような気持ちが湧いおくる。県䞋に溜たっおいた熱は静かにあふれ出し、そうしお芖界をがやかした。
     俄かに銖も締められ、息が苊しく、䞋の方では今にもヒドむこずをされそうになっおいる。音はある。気配の䞻の動く姿も最早芋えおいる。にも関わらず意識はむしろ沈降し、芖界では動きの無い垂れ玐を努めお芋぀めながら、意識䞋の暗い海䞊に身を眮いおいた。
     果たしお躰を激しく襲ったのは、たさしく蠢く気配であった。それは、気配でなければならないものだった。






    玄2500文字 原皿甚玙4007枚盞圓


     本䜜は、粟田䞉茝さん発案の「蠢く気配があった」で曞き出しを統䞀しおそれぞれ曞いおみようずいう䌁画制限小説の䞀䜜です。
    #制限小説  や #蠢く気配があった  より、他の参加者の䜜品もぜひ参照しおみおください。

    参考


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