
日本の艦船事業の統合の問題点
今治造船・JMU連合が船出 国内建造量倍増へ「全ての産業と連携」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC056IQ0V00C26A1000000/
>造船で国内最大手の今治造船が2位のジャパンマリンユナイテッド(JMU、横浜市)を子会社にし、1位・2位連合が本格的に始動した。
>今治造船はJMUの子会社化を25年6月に発表し、国内外の競争法上の審査などを経て5日に完了した。JMUの源流はIHIや日立造船(現カナデビア)、住友重機械工業、JFEホールディングス(HD)などで、JFEHDとIHIがJMU株をそれぞれ35%持っていた。今治がJFEHDとIHIから15%ずつ取得し、出資比率を従来の30%から60%に高めた。
>「追い風」とみられるのが国内造船業への国の支援策だ。国は35年に国内の建造量を1800万総トンと24年の2倍にする目標を掲げた。国土交通省が25年12月に発表した「造船業再生ロードマップ」には、建造能力拡大へ官民で1兆円の設備投資を可能にする基金の創設や、造船業界を1〜3グループへ集約するとの再編方針が盛り込まれた。
>これまで今治造船とJMUは資本業務提携し関係を深めていたが、限界があった。21年に両社が共同出資する日本シップヤード(東京・千代田)を発足させたが設計や営業での連携にとどまり、中韓に劣るコスト面の課題克服にはつながらなかった。今治とJMUが一体となることにより材料調達などで取引先との交渉力が高まる期待がある。
>日本の強みは技術だ。JMUは今治造船との日本シップヤードでの協業も踏まえ、25年12月に発表した次世代燃料船などの設計会社MILES(マイルズ、東京・港)への共同出資に参画する。出資を通じ日本郵船や三菱造船(東京・港)など海運・造船大手7社が組む連合体で、今治・JMUグループは中心的な役割を担うとみられる。
>JMUの母体だったIHIやJFEHDにJMU株を20%ずつ継続保有してもらうのは、他社との接点を少しでも広げるためでもあるという。檜垣氏は「一造船分野だけではやっていけない時代だ」として、人工知能(AI)やロボット、ITなどの知見を国内全ての産業界から集めたいと意気込む。
やっとの統合です。艦艇でいえば大きく分けて、今治と三菱重工になったわけです。更に潜水艦も建造している川崎重工もありますが、世界的にはシェアは0.5パーセント程度で存在感はない。中国との合弁と作れば買ってくれる潜水艦で命脈を保っています。業界では中国の事業と潜水艦の建造が同じ部門であり、セキュリティは大丈夫か?と不安視する声もあります。
とりあえず潜水艦事業は三菱重工に集約すべきです。実際同じ潜水艦を建造しているだけで競合はない。しかもあれこれやらかしが多い川重よりも重工方が安全でしょう。潜水艦を一社に統合できればベンダーの整理もできます。そうすればまだ輸出に対応する余裕もでてくるでしょう。将来的にも海自の潜水艦が22隻体制維持でいる保証はありません。いまでも人員がギリギリです。恐らく近い将来は16隻体制に戻す必要があり、更に数を減らさざるを得なくなるのでしょう。であれば国内市場で二社は食っていけない。
また日本の艦艇商売も輸出を積極的に行っていかざるをえないでしょう。それは潜水艦に限らず海自艦艇が乗員を確保できないために、艦隊規模が縮小されていく可能性が極めてたかいからです。その意味では三菱重工の事業も今治傘下に統合した方がいいでしょう。
重工の艦艇部門は基本的に唯我独尊の国営企業みたいなものだし、プライドが高すぎる。
であれば市場での営業になれた今治が表に立った方よろしい。
普通の「商売」したことがない人たちに商売をやらせようというのは、無理な話です。
>日本の強みは技術だ。
これについては乾いた笑いしか出てこない。それはせいぜい80年代ぐらいまでの話で設備投資や研究開発も外国の方が進んでいます。近年海外の造船施設を見てて来た海自のOBの方も同じ意見です。20年ぐらいそんな話を石破さんも仰っていて、この人はきちんと事実を把握しているなと思いました。売り上げ規模が一桁二桁ちがって、そういう会社と同じレベルの投資ができわけがないでしょう。これは防衛産業も同じです。
こういう半世紀遅れた日本すげー的なテクノナショナリズムを記者や政治家が持っているのは大変怖いことです。昨今の国営造船所みたい話も現実も市場もわかっていない政治家のたわごととしか思えません。政策を策定する前に正しい情報に基づいて正しい認識をもつことが優先だと思います。
写真提供:防衛省
東洋経済オンラインに寄稿しました。
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