2024年文学賞を受賞した作品一覧|本屋大賞・芥川賞・直木賞・このミス・読売・吉川英治など
2024年に文学賞を受賞した作品をピックアップして一覧にしてみました。本屋大賞、芥川賞、直木賞、このミスなど面白そうな話題の本がいっぱい!ぜひ、この機会に知らなかった本と出会ってくださいね♪
第171回芥川賞 『サンショウウオの四十九日』朝比奈秋
第171回芥川賞受賞作!
同じ身体を生きる姉妹、その驚きに満ちた普通の人生を描く、芥川賞受賞作。
周りからは一人に見える。でも私のすぐ隣にいるのは別のわたし。不思議なことはなにもない。けれど姉妹は考える、隣のあなたは誰なのか? そして今これを考えているのは誰なのか――三島賞受賞作『植物少女』の衝撃再び。最も注目される作家が医師としての経験と驚異の想像力で人生の普遍を描く、世界が初めて出会う物語。
第171回芥川賞 『バリ山行』松永K三蔵
第171回芥川賞受賞作。古くなった建外装修繕を専門とする新田テック建装に、内装リフォーム会社から転職して2年。会社の付き合いを極力避けてきた波多は同僚に誘われるまま六甲山登山に参加する。その後、社内登山グループは正式な登山部となり、波多も親睦を図る目的の気楽な活動をするようになっていたが、職人気質で職場で変人扱いされ孤立しているベテラン社員妻鹿があえて登山路を外れる難易度の高い登山「バリ山行」をしていることを知ると……。
「山は遊びですよ。遊びで死んだら意味ないじゃないですか! 本物の危機は山じゃないですよ。街ですよ! 生活ですよ。妻鹿さんはそれから逃げてるだけじゃないですか!」(本文より抜粋)
会社も人生も山あり谷あり、バリの達人と危険な道行き。圧倒的生の実感を求め、山と人生を重ねて瞑走する純文山岳小説。
第171回直木賞『ツミデミック』一穂ミチ
大学を中退し、夜の街で客引きのバイトをしている優斗。ある日、バイト中にはなしかけてきた大阪弁の女は、中学時代に死んだはずの同級生の名を名乗った。過去の記憶と目の前の女の話に戸惑う優斗はーー「違う羽の鳥」 調理師の職を失った恭一は家に籠もりがちで、働く妻の態度も心なしか冷たい。ある日、小一の息子・隼が遊びから帰ってくると、聖徳太子の描かれた旧一万円札を持っていた。近隣の一軒家に住む老人からもらったという。隼からそれを奪い、たばこを買うのに使ってしまった恭一は、翌日得意の澄まし汁を作って老人宅を訪れるがーー「特別縁故者」 先の見えない禍にのまれた人生は、思いもよらない場所に辿り着く。 稀代のストーリーテラーによる心揺さぶる全6話
2024年本屋大賞『成瀬は天下を取りにいく』宮島未奈
2024年本屋大賞受賞作!
成瀬の天下取り!
【坪田譲治文学賞】
【「静岡書店大賞」小説部門 第1位】
【ダ・ヴィンチ「BOOK OF THE YEAR 2023」小説部門第1位】
【「読書メーター OF THE TEAR 2023-2024」第1位】
【「中高生におすすめする司書のイチオシ本 2023年版」第1位】
【第17回「神奈川学校図書館員大賞(KO本大賞)」受賞】
【「キノベス!2024」第1位】
など続々受賞。
2020年、中2の夏休みの始まりに、幼馴染の成瀬がまた変なことを言い出した。
コロナ禍に閉店を控える西武大津店に毎日通い、中継に映るというのだが……。
M-1に挑戦したかと思えば、自身の髪で長期実験に取り組み、市民憲章は暗記して全うする。
今日も全力で我が道を突き進む成瀬あかりから、きっと誰もが目を離せない。
2023年、最注目の新人が贈る傑作青春小説!
2024年本屋大賞 翻訳小説部門第1位『ようこそ、ヒュナム洞書店』ファン・ボルム(著)牧野美加(訳)
【2024年本屋大賞翻訳小説部門第1位】
完璧な人生なんてないけれど、「これでいい」と思える今日はある。
ネットで人気を博し韓国で累計25万部(2023年9月26日現在)を突破した、心温まるベストセラー小説!
ソウル市内の住宅街にできた「ヒュナム洞書店」。会社を辞めたヨンジュは、追いつめられたかのようにその店を立ち上げた。書店にやってくるのは、就活に失敗したアルバイトのバリスタ・ミンジュン、夫の愚痴をこぼすコーヒー業者のジミ、無気力な高校生ミンチョルとその母ミンチョルオンマ、ネットでブログが炎上した作家のスンウ……。
それぞれに悩みを抱えたふつうの人々が、今日もヒュナム洞書店で出会う。
新米女性書店主と店に集う人々の、本とささやかな毎日を描く。
2024年本屋大賞 発掘部門『プラスティック』井上夢人
2024年本屋大賞発掘部門「超発掘本!」に選出されて続々重版中!
「フロッピーディスクやワープロなど、令和の時代ではピンとこない人達もいるであろう
単語が並ぶ作品ですが、謎が謎を呼ぶその展開は、今読んでもガツンと脳みそに
突き刺さる衝撃がありました。(推薦者・ページ薬局 尼子慎太さん)
54個の文書ファイルが収められたフロッピイがある。冒頭の文書に記録されていたのは、出張中の夫の帰りを待つ間に奇妙な出来事に遭遇した主婦・向井洵子が書きこんだ日記だった。その日記こそが、アイデンティティーをきしませ崩壊させる導火線となる! 謎が謎を呼ぶ深遠な井上ワールドが展開するサスペンスミステリー
第23回このミステリーがすごい!大賞『謎の香りはパン屋から』土屋うさぎ
謎はクロワッサンのように折り重なり、カレーパンのように刺激的――第23回『このミステリーがすごい!』大賞・大賞受賞作は、パン屋での〈日常の謎〉を解く、“美味しい”ミステリー! 「焦げたクロワッサン」「夢見るフランスパン」「恋するシナモンロール」「さよならチョココロネ」「思い出のカレーパン」……5つの謎からなる、人の死なない連作ミステリー短編集。
このミステリーがすごい!2025年版/国内編ランキング1位『地雷グリコ』青崎有吾
ミステリ界の旗手が仕掛ける本格頭脳バトル小説!
射守矢真兎(いもりや・まと)。女子高生。勝負事に、やたらと強い。
平穏を望む彼女が日常の中で巻き込まれる、風変わりなゲームの数々。罠の位置を読み合いながら階段を上ったり(「地雷グリコ」)、百人一首の絵札を用いた神経衰弱に挑んだり(「坊主衰弱」)。次々と強者を打ち破る真兎の、勝負の先に待ち受けるものとは――ミステリ界の旗手が仕掛ける本格頭脳バトル小説、全5篇。
このミステリーがすごい!2025年版/海外編ランキング1位『両京十五日』馬伯庸
十五世紀の中国、明の時代。北京から南京に遣わされた皇太子は爆発による襲撃に襲われる。さらに北京にいる皇帝も命を狙われていることを知った皇太子は、幾度と襲い掛かってくる刺客から逃れつつ、南京から北京へ向かう幾千里にもわたる決死行が始まる――!
「このミステリーがすごい!2024年版」は2023年12月に発表されたランキングです。
このミステリーがすごい!2024年版/国内編ランキング1位『可燃物』米澤穂信
余計なことは喋らない。上司から疎まれる。部下にもよい上司とは思われていない。しかし、捜査能力は卓越している。葛警部だけに見えている世界がある。
群馬県警を舞台にした新たなミステリーシリーズ始動。
群馬県警利根警察署に入った遭難の一報。現場となったスキー場に捜査員が赴くと、そこには頸動脈を刺され失血死した男性の遺体があった。犯人は一緒に遭難していた男とほぼ特定できるが、凶器が見つからない。その場所は崖の下で、しかも二人の周りの雪は踏み荒らされておらず、凶器を処分することは不可能だった。犯人は何を使って〝刺殺〟したのか?(「崖の下」)
榛名山麓の〈きすげ回廊〉で右上腕が発見されたことを皮切りに明らかになったばらばら遺体遺棄事件。単に遺体を隠すためなら、遊歩道から見える位置に右上腕を捨てるはずはない。なぜ、犯人は死体を切り刻んだのか? (「命の恩」)
太田市の住宅街で連続放火事件が発生した。県警葛班が捜査に当てられるが、容疑者を絞り込めないうちに、犯行がぴたりと止まってしまう。犯行の動機は何か? なぜ放火は止まったのか? 犯人の姿が像を結ばず捜査は行き詰まるかに見えたが……(「可燃物」)
連続放火事件の“見えざる共通項”を探り出す表題作を始め、葛警部の鮮やかな推理が光る5編。
「このミステリーがすごい!2024年版」は2023年12月に発表されたランキングです。
このミステリーがすごい!2024年版/海外編ランキング1位『頰に哀しみを刻め』S・A・コスビー,加賀山卓朗
『このミステリーがすごい! 2024年版』(宝島社)海外編第1位!
「ミステリが読みたい! 2024年版」(早川書房)海外篇第3位!
アンソニー賞、マカヴィティ賞、バリー賞3冠!
MWA賞長篇賞最終候補作!
黒人の父親、白人の父親、惨殺された息子たち――
血の弔いが幕を開ける。
「懺悔と贖罪に彩られた哀しき父親たちの挽歌」
宇田川拓也 ときわ書房本店 (本書解説より)
第75回読売文学賞 小説賞 『黄色い家』川上未映子
十七歳の夏、親もとを出て「黄色い家」に集った少女たちは、生きていくためにカード犯罪の出し子というシノギに手を染める。危ういバランスで成り立っていた共同生活は、ある女性の死をきっかけに瓦解し……。人はなぜ罪を犯すのか。世界が注目する作家が初めて挑む、圧巻のクライム・サスペンス。
第75回読売文学賞 随筆・紀行賞 『くもをさがす』西加奈子
カナダでがんになった。
あなたに、これを読んでほしいと思った。
これは、たったひとりの「あなた」への物語ーー
祈りと決意に満ちた、西加奈子初のノンフィクション
『くもをさがす』は、2021年コロナ禍の最中、滞在先のカナダで浸潤性乳管がんを宣告された著者が、乳がん発覚から治療を終えるまでの約8 ヶ月間を克明に描いたノンフィクション作品。
カナダでの闘病中に抱いた病、治療への恐怖と絶望、家族や友人たちへの溢れる思いと、時折訪れる幸福と歓喜の瞬間――。
切なく、時に可笑しい、「あなた」に向けて綴られた、誰もが心を揺さぶられる傑作です。
第75回読売文学賞 評論・伝記賞『フェルナンド・ペソア伝 異名者たちの迷路』澤田直
第75回読売文学賞【評論・伝記部門】受賞
フェルナンド・ペソア(1888-1935)。
〈「わたし」とは確固とした個人であるどころか、無定形な多様体で、自分自身にとっても捉えどころがない。21世紀の今でこそ自然に思われるこの考えを、ペソアははるか以前に先取りしていた。自分とは別人格の〈異名者〉たちを案出し、たったひとりで宇宙全体を体現するようなこの不思議な人物は、どのような人生を送り、何を考えていたのだろうか。〉(「あとがき」より)
70もの人格を作り作品を書き分け、没後に2万7500点以上の草稿が発見されたポルトガルの国民詩人ペソア。この20世紀の巨人の生涯と言葉を丹念にたどり、豊富な引用と貴重な図版を合わせて、稀有な詩人の魅力の全貌に迫る。ペソア入門としても最適な、本邦初、待望の本格評伝!
第75回読売文学賞 戯曲・シナリオ賞 『怪物』坂元裕二
“怪物”とは一体だれなのか。その正体とは……!?
日本を代表するストーリーテラー・坂元裕二(脚本/『花束みたいな恋をした』)と
映像作家・是枝裕和(監督/『万引き家族』)が初めてタッグを組んで描いた圧巻の人間ドラマ、映画『怪物』。
いよいよ6月2日(金)に劇場公開されます。
それに先駆けて、完全ノベライズ版が登場。
坂元×是枝の“物語”を存分に小説で味わうことができます。
第75回読売文学賞 研究・翻訳賞 『ニジンスキー 踊る神と呼ばれた男』鈴木晶
〈本書が対象とするのは、見者としてのニジンスキーではなく、ダンサーかつコレオグラファー(振付家)としてのニジンスキーである。
20世紀にはヌレエフ、バリシニコフ、熊川哲也といったスーパースターたちが、バレリーナたちに劣らず、いやバレリーナたちよりも観客を魅了してきた。そうした男性スーパースターたちの系譜の先頭に位置しているのがニジンスキーである。ニジンスキーから男性ダンサーの時代が始まったのである。
その類い稀な跳躍力によって一世を風靡したにもかかわらず、最初の振付作品には小さな跳躍が一つあるだけだ。それだけでなく、その作品『牧神の午後』はバレエの二大原理、すなわち開放性と上昇志向性を否定した。そのニジンスキーの勇気ある一歩から、現代バレエが生まれたのである。〉
さまざまな創作の源泉ともなっている伝説の舞踊家ニジンスキー。その生涯を、豊富なバレエ鑑賞経験に基づき、貴重な資料と写真を駆使して再構成した、バレエ史研究の第一人者による待望のライフワーク。
第58回吉川英治文学賞『悪逆』黒川博行
過払い金マフィア、マルチの親玉、カルトの宗務総長――
社会に巣食う悪党が次々と殺害される。
警察捜査の内情を知悉する男
vs.
大阪府警捜査一課の刑事と所轄のベテラン部屋長
凶悪な知能犯による強盗殺人を追う王道の警察小説
(内容紹介)
周到な準備と計画によって強盗殺人を遂行していく男――。大阪府警捜査一課の舘野と箕面北署のベテラン刑事・玉川が、広告代理店の元経営者殺害事件を追うなか、さらに被害者と面識のある男が殺される。二人はそれぞれ士業詐欺とマルチ商法によって莫大な金を荒稼ぎした悪党で、情報屋の標的になっていた。警察は犯行手口の違いから同一犯による可能性はないと判断するが、いずれも初動捜査で手詰まりとなる。犯人像を?むことができないまま、さらには戦時中に麻薬密売組織に関わり、政治家とも昵懇だった新興宗教の宗務総長が殺害される。警察の動きを攪乱しながら凶行を続ける男の目的はどこにあるのか? 舘野と玉川は、凶悪な知能犯による完全犯罪を突き崩すことができるのか?
警察捜査の内幕を活写しながら、
裏社会を跋扈する男たちを圧倒的な存在感で描き切る、
ラスト5ページまで結末が読めない、
本年度最注目のクライム・サスペンス!
第45回吉川英治文学新人賞『リラの花咲くけものみち』藤岡陽子
動物たちが、「生きること」を教えてくれた。 家庭環境に悩み心に傷を負った聡里は、祖母とペットに支えられて獣医師を目指し、北海道の獣医学大学へ進学し、自らの「居場所」を見つけていくことに――北海道の地で、自らの人生を変えてゆく少女の姿を描いた感動作。
第9回吉川英治文庫賞『「八咫烏」シリーズ』阿部智里
松本清張賞を最年少で受賞、そのスケール感と異世界を綿密に組み上げる想像力で選考委員を驚かせた期待のデビュー作は、壮大な時代設定に支えられた時代ファンタジー!
人間の代わりに「八咫烏」の一族が支配する世界「山内」では、世継ぎである若宮の后選びが今まさに始まろうとしていた。朝廷での権力争いに激しくしのぎを削る四家の大貴族から差し遣わされた四人の姫君。春夏秋冬を司るかのようにそれぞれの魅力を誇る四人は、世継ぎの座を巡る陰謀から若君への恋心まで様々な思惑を胸に后の座を競い合うが、肝心の若宮が一向に現れないまま、次々と事件が起こる。侍女の失踪、謎の手紙、後宮への侵入者……。峻嶮な岩山に贅を尽くして建てられた館、馬ならぬ大烏に曳かれて車は空を飛び、四季折々の花鳥風月よりなお美しい衣裳をまとう。そんな美しく華やかな宮廷生活の水面下で若宮の来訪を妨害し、后選びの行方を不穏なものにしようと企んでいるのは果たして四人の姫君のうち誰なのか? 若宮に選ばれるのはいったい誰なのか? あふれだすイマジネーションと意外な結末――驚嘆必至の大型新人登場!
第60回谷崎潤一郎賞『続きと始まり』柴崎友香
第60回谷崎潤一郎賞受賞
第74回芸術選奨文部科学大臣賞受賞
あれから何年経っただろう。あれからって、いつから? どのできごとから?
日本を襲った二つの大震災。未知の病原体の出現。誰にも同じように流れたはずの、あの月日──。別々の場所で暮らす男女三人の日常を描き、蓄積した時間を見つめる、叙事的長編小説。
始まりの前の続き、続きの後の始まりを見下ろし、あの中のどこかにわたしもいる、と思った。(一穂ミチ・作家)
第52回泉鏡花文学賞『板上に咲く』原田マハ
第52回「泉鏡花文学賞」受賞
原田マハ3年ぶり長編アート小説がついに単行本に!
「ワぁ、ゴッホになるッ!」
1924年、画家への憧れを胸に裸一貫で青森から上京した棟方志功。
しかし、絵を教えてくれる師もおらず、画材を買うお金もなく、弱視のせいでモデルの身体の線を捉えられない棟方は、展覧会に出品するも落選し続ける日々。
そんな彼が辿り着いたのが木版画だった。彼の「板画」は革命の引き金となり、世界を変えていくーー。
墨を磨り支え続けた妻チヤの目線から、日本が誇るアーティスト棟方志功を描く。
感涙のアート小説
第34回紫式部文学賞『風配図 WIND ROSE』皆川博子
皆川博子 新たな代表作、誕生。
自らの道を求め交易商人を志した二人の少女の物語。
少年の日に夢見た「本物の文学」という幻に、今日、出逢ってしまいました。
パンドラの匣に残された最後の希望のような言葉の冒険。 ――穂村弘
記録に決して残らない「が、あったはず!」の歴史的瞬間。
虐げられし者たちが織り成す、魂の生存を賭けた「智」の連鎖。
時を超えて掘り出されるその昏き光彩、まさに圧巻! ――マライ・メントライン
1160年5月、バルト海交易の要衝ゴットランド島。
流れ着いた難破船の積荷をめぐり、生存者であるドイツ商人と島民の間で決闘裁判が行われることとなった。重傷を負った商人の代闘に立ったのは、15歳の少女ヘルガ。
義妹アグネが見守る中、裁判の幕が開き、運命が動き出す――
ドイツ商人が北へ進出し、ロシア・ノヴゴロドでは政争が頻発するなど動乱の時代を生きた人々を詩歌や戯曲形式も交えて紡ぐ、小説の新たな可能性を拓く傑作長篇!
第34回Bunkamuraドゥマゴ文学賞『イラク水滸伝』高野秀行
第34回Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞!
辺境中の辺境に挑んだ怪物的著作。文句なしに面白い!
――桐野夏生(選考委員)
権力に抗うアウトローや迫害されたマイノリティが逃げ込む
謎の巨大湿地帯〈アフワール〉
―――そこは馬もラクダも戦車も使えず、巨大な軍勢は入れず、境界線もなく、迷路のように水路が入り組み、方角すらわからない地。
中国四大奇書『水滸伝』は、悪政がはびこる宋代に町を追われた豪傑たちが湿地帯に集結し政府軍と戦う物語だが、世界史上には、このようなレジスタンス的な、あるいはアナーキー的な湿地帯がいくつも存在する。
ベトナム戦争時のメコンデルタ、イタリアのベニス、ルーマニアのドナウデルタ……イラクの湿地帯はその中でも最古にして、“現代最後のカオス”だ。
・謎の古代宗教を信奉する“絶対平和主義”のマンダ教徒たち
・フセイン軍に激しく抵抗した「湿地の王」、コミュニストの戦い
・水牛と共に生きる被差別民マアダンの「持続可能な」環境保全の叡智
・妻が二人いる訳とは?衝撃の民族誌的奇習「ゲッサ・ブ・ゲッサ」
・“くさや汁”のようなアフワールのソウルフード「マスムータ」
・イスラム文化を逸脱した自由奔放なマーシュアラブ布をめぐる謎……etc.
想像をはるかに超えた“混沌と迷走”の旅が、今ここに始まる――
中東情勢の裏側と第一級の民族誌的記録が凝縮された
圧巻のノンフィクション大作、ついに誕生!
第77回野間文芸賞『列』中村文則
男はいつの間にか、奇妙な列に並んでいた。
先が見えず、最後尾も見えない。そして誰もが、自分がなぜ並んでいるのかわからない。
男は、ある動物の研究者のはずだった。
現代に生きる人間の姿を、深く、深く見通す――。
競い合い、比べ合う社会の中で、私達はどう生きればいいのか。
この奇妙な列から、出ることはできるのだろうか。
ページをめくる手が徐々に止まらなくなる、最高傑作の呼び声も高い、著者渾身の一作。
第78回毎日出版文化賞 文学・芸術部門『女の子たち風船爆弾をつくる』小林エリカ
第78回毎日出版文化賞(文学・芸術部門)受賞作。
日露戦争30周年に日本が沸いた春、その女の子たちは小学校に上がった。できたばかりの東京宝塚劇場の、華やかな少女歌劇団の公演に、彼女たちは夢中になった。彼女たちはウールのフリル付きの大きすぎるワンピースを着る、市電の走る大通りをスキップでわたる、家族でクリスマスのお祝いをする。しかし、少しずつ、でも確実に聞こえ始めたのは戦争の足音。冬のある日、軍服に軍刀と銃を持った兵隊が学校にやってきて、反乱軍が街を占拠したことを告げる。やがて、戦争が始まり、彼女たちの生活は少しずつ変わっていく。来るはずのオリンピックは来ず、憧れていた制服は国民服に取ってかわられ、夏休みには勤労奉仕をすることになった。それでも毎年、春は来て、彼女たちはひとつ大人になる。
ある時、彼女たちは東京宝塚劇場に集められる。いや、ここはもはや劇場ではない、中外火工品株式会社日比谷第一工場だ。彼女たちは今日からここで、「ふ号兵器」、すなわち風船爆弾の製造に従事する……。
膨大な記録や取材から掬い上げた無数の「彼女たちの声」を、ポエティックな長篇に織り上げた意欲作。
第78回毎日出版文化賞 人文・社会部門『西行』寺澤行忠
第78回毎日出版文化賞(人文・社会部門)受賞!
184首の名歌と共に語られる、西行の魅力のすべて。
「願はくは花の下にて春死なむ」――どうすれば西行のように清々しく生きられるのか。出家の背景、秀歌の創作秘話、漂泊の旅の意味、桜への熱愛、無常を乗り越えた「道」の思想、定家との意外な関係、芭蕉への影響……偉才の知られざる素顔に迫る。西行一筋60年、西行歌集研究の第一人者がその魅力を語り尽くす決定版。
第78回毎日出版文化賞 自然科学部門『量子力学の100年』佐藤文隆
第一人者がみた量子力学の軌跡。その魅力と不思議。
1920年代、ド・ブロイ、ボーア、ハイゼンベルク、シュレーディンガー、ディラックなどが現在の量子力学の礎となる成果を続々と発表した。そして1926年、ボーアの手によって「コペンハーゲン解釈」がなる。ユネスコは2025年に量子力学百年を記念する取り組みを行うことを決議した。この間の量子力学の道のりは、アインシュタインの反対などに代表されるように紆余曲折ありつつも、不思議と魅力にみちたものだった。しかしいまや量子コンピュータから生成AIまで、あらゆるところに量子力学は存在している。はたしてそれは何故か、そもそも量子力学とは何で、そしていまどのような姿をしているのか。日本を代表する物理学者が、自らの目でみてきた量子力学の歴史を詳述する。
第78回毎日出版文化賞 企画部門『日本映画時評集成2011-2022』山根貞男
徹底して日本映画の現在と格闘しながら新たな〈活劇の行方〉を問いつづける――
45年におよぶ《日本映画時評》を一挙単行本化!
時評を突き抜けた圧巻の時評集成、最終巻。
第78回毎日出版文化賞 特別賞『地震と虐殺1923-2024』安田浩一
「朝鮮人が暴動を起こした、井戸に毒を投げ込んだ……」。関東大震災の発生直後、各地で飛び交ったデマによって多くの朝鮮人が命を奪われた。非常時に一気に噴き上がる差別と偏見。東京で、神奈川で、千葉で、埼玉で、悲惨な事件はいかなるメカニズムで起きたか。虐殺の「埋もれた歴史」は誰によってどのように掘り起こされてきたか。100年余りが経過した現在、何が変わり、何が変わらないのか。歴史的事実を葬ろうとする者たち、人災を天災の中に閉じ込めようとする政治家、差別行為にお墨付きを与える行政……。差別やヘイトクライムの問題を長年追ってきたジャーナリストが100年余り前と現在を往還し、虐殺事件が及ぼし続ける様々な風景を描く。
第55回大宅壮一ノンフィクション賞『鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折』春日太一
”全身脚本家”驚愕の真実!
『羅生門』、『七人の侍』、『私は貝になりたい』、『白い巨塔』、『日本のいちばん長い日』、『日本沈没』、『砂の器』、『八甲田山』、『八つ墓村』、『幻の湖』など、歴史的傑作、怪作のシナリオを生み出した、日本を代表する脚本家・橋本忍の決定版評伝。
著者が生前に行った十数時間にわたるインタビューと、関係者への取材、創作ノートをはじめ遺族から託された膨大な資料をもとに、その破天荒な映画人の「真実」に迫る。全480ページ。第55回大宅壮一ノンフィクション賞受賞作
第55回星雲賞 日本長編部門『グラーフ・ツェッペリン あの夏の飛行船』高野 史緒
別の宇宙で生きる夏紀と登志夫。二人を繋ぐ巨大な飛行船とは?月と火星開発が進みながらWindows2021が発売されたばかりの夏紀の宇宙。そして登志夫の2021年では光量子コンピュータが異常を示す。
第55回星雲賞 日本短編部門『わたしたちの怪獣』久永実木彦
わたしはこれから、
お父さんの死体を棄てにいく。
怪獣の暴れる東京に。
短編として初めて日本SF大賞候補作となった表題作をふくむ全四編。
『七十四秒の旋律と孤独』の久永実木彦、驚異の新境地。
運転免許証を取得したつかさが家に帰ると、妹が父を殺していた。立ち尽くす姉妹。その時、テレビから東京湾に怪獣が出現したという緊急ニュースが流れる。つかさは父の死体を棄てに東京にいくことを思いつく。短編として初の日本SF大賞候補作(「わたしたちの怪獣」)。伝説的な“Z級”映画の上映会中、街にゾンビが出現。参加者たちは館内に籠城しようとするが……(「アタック・オブ・ザ・キラー・トマトを観ながら」)。『七十四秒の旋律と孤独』の著者、新境地。
第55回星雲賞 海外長編部門『怪獣保護協会』ジョン スコルジー,内田 昌之
アメリカ発怪獣小説、日本上陸! 2020年。パンデミックのさなか、会社を解雇されたジェイミー。たまたま再会した昔の知りあいの紹介で「大型動物」の権利を守る組織とやらに雇われて、急遽、「現場」に向かうことに。だが、ジェイミーが連れていかれた先は、なんと並行世界の地球「怪獣惑星」だった! 保護する動物とは、体長150メートルの「怪獣」!? 驚きながらもジェイミーは、「怪獣保護協会」の一員として、巨大怪獣の生態を研究し、ある事情から絶滅の危機に瀕しているという彼らを保護する任務にとりかかる。だが、組織への資金提供者として地球からやってきた億万長者が怪獣を悪用しようとしたため、怪獣惑星と地球に危機が迫る……! 〈老人と宇宙〉シリーズで知られるアメリカSF界の第一人者スコルジーがあふれんばかりの怪獣映画愛を注ぎこんだ傑作怪獣SF。
■番外編|本屋大賞ランキング■
1位『成瀬は天下を取りにいく』宮島未奈
2024年本屋大賞受賞作!
成瀬の天下取り!
【坪田譲治文学賞】
【「静岡書店大賞」小説部門 第1位】
【ダ・ヴィンチ「BOOK OF THE YEAR 2023」小説部門第1位】
【「読書メーター OF THE TEAR 2023-2024」第1位】
【「中高生におすすめする司書のイチオシ本 2023年版」第1位】
【第17回「神奈川学校図書館員大賞(KO本大賞)」受賞】
【「キノベス!2024」第1位】
など続々受賞。
2020年、中2の夏休みの始まりに、幼馴染の成瀬がまた変なことを言い出した。
コロナ禍に閉店を控える西武大津店に毎日通い、中継に映るというのだが……。
M-1に挑戦したかと思えば、自身の髪で長期実験に取り組み、市民憲章は暗記して全うする。
今日も全力で我が道を突き進む成瀬あかりから、きっと誰もが目を離せない。
2023年、最注目の新人が贈る傑作青春小説!
2位『水車小屋のネネ』津村記久子
●2024年「本屋大賞」第2位!
●第59回「谷崎潤一郎賞」受賞!
●「本の雑誌」が選ぶ2023年上半期ベスト 第1位!
●「キノベス!2024」第3位!
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誰かに親切にしなきゃ、
人生は長く退屈なものですよ
18歳と8歳の姉妹がたどり着いた町で出会った、しゃべる鳥〈ネネ〉
ネネに見守られ、変転してゆくいくつもの人生――
助け合い支え合う人々の
40年を描く長編小説
毎日新聞夕刊で話題となった連載小説、待望の書籍化!
3位『存在のすべてを』塩田武士
2024年本屋大賞ノミネート
平成3年に発生した誘拐事件から30年。
当時警察担当だった新聞記者の門田は、旧知の刑事の死をきっかけに被害男児の「今」を知る。
異様な展開を辿った事件の真実を求め再取材を重ねた結果、ある写実画家の存在が浮かび上がる――。
質感なき時代に「実」を見つめる、著者渾身、圧巻の最新作。
4位『スピノザの診察室』夏川草介
現役医師として命と向き合い続けた著者が到達した、「人の幸せ」とは。
累計340万部突破のベストセラーシリーズ『神様のカルテ』を凌駕する、新たな傑作の誕生!
その医師は、最期に希望の灯りをともす。
【あらすじ】
雄町哲郎は京都の町中の地域病院で働く内科医である。三十代の後半に差し掛かった時、最愛の妹が若くしてこの世を去り、 一人残された甥の龍之介と暮らすためにその職を得たが、かつては大学病院で数々の難手術を成功させ、将来を嘱望された凄腕医師だった。 哲郎の医師としての力量に惚れ込んでいた大学准教授の花垣は、愛弟子の南茉莉を研修と称して哲郎のもとに送り込むが……。
5位『レーエンデ国物語』多崎礼
行こう、あなたと。
家を抜け出して、少女は銀霧が舞う森へと旅に出る。
絶賛沸騰の王道ファンタジー!
全国で続々☆第1位☆
紀伊國屋書店ベストセラー(2023年6月2週・小説部門)
丸善丸の内本店(6/22~6/28 フィクション部門)
三省堂書店池袋本店 (6/12~6/18 文芸書部門)
読書メーター読みたい本ランキング(単行本部門週間 2023年4月28日ー5月4日)
〈あらすじ〉
異なる世界、聖イジョルニ帝国フェデル城。
家に縛られてきた貴族の娘・ユリアは、英雄の父と旅に出る。
呪われた地・レーエンデで出会ったのは、琥珀の瞳を持つ寡黙な射手・トリスタンだった。
空を舞う泡虫、乳白色に天へ伸びる古代樹、湖に建つ孤島城。
その数々に魅了されたユリアは、
はじめての友達、はじめての仕事、はじめての恋を経て、
やがてレーエンデ全土の争乱に巻き込まれていく。
6位『黄色い家』川上未映子
十七歳の夏、親もとを出て「黄色い家」に集った少女たちは、生きていくためにカード犯罪の出し子というシノギに手を染める。危ういバランスで成り立っていた共同生活は、ある女性の死をきっかけに瓦解し……。人はなぜ罪を犯すのか。世界が注目する作家が初めて挑む、圧巻のクライム・サスペンス。
7位『リカバリー・カバヒコ』青山美智子
5階建ての新築分譲マンション、アドヴァンス・ヒル。近くの日の出公園には古くから設置されているカバのアニマルライドがあり、自分の治したい部分と同じ部分を触ると回復するという都市伝説がある。人呼んで”リカバリー・カバヒコ”。アドヴァンス・ヒルに住まう人々は、それぞれの悩みをカバヒコに打ち明ける。高校入学と同時に家族で越してきた奏斗は、急な成績不振に自信をなくしている。偶然立ち寄った日の出公園でクラスメイトの雫田さんに遭遇し、カバヒコの伝説を聞いた奏斗は「頭脳回復」を願ってカバヒコの頭を撫でる――(第1話「奏斗の頭」)出産を機に仕事をやめた紗羽は、ママ友たちになじめず孤立気味。アパレルの接客業をしていた頃は表彰されたこともあったほどなのに、うまく言葉が出てこない。カバヒコの伝説を聞き、口を撫でにいくと――(第3話「紗羽の口」)誰もが抱く小さな痛みにやさしく寄り添う、青山ワールドの真骨頂
8位『星を編む』凪良ゆう
☆2023年本屋大賞受賞作 シリーズ最新作☆
第20回本屋大賞受賞作『汝、星のごとく』続編
花火のように煌めいて、
届かぬ星を見上げて、
海のように見守って、
いつでもそこには愛があった。
ああ、そうか。
わたしたちは幸せだった
のかもしれないね。
『汝、星のごとく』で語りきれなかった愛の物語
「春に翔ぶ」--瀬戸内の島で出会った櫂と暁海。二人を支える教師・北原が秘めた過去。彼が病院で話しかけられた教え子の菜々が抱えていた問題とは?
「星を編む」--才能という名の星を輝かせるために、魂を燃やす編集者たちの物語。漫画原作者・作家となった櫂を担当した編集者二人が繋いだもの。
「波を渡る」--花火のように煌めく時間を経て、愛の果てにも暁海の人生は続いていく。『汝、星のごとく』の先に描かれる、繋がる未来と新たな愛の形。
9位『放課後ミステリクラブ 1金魚の泳ぐプール事件』知念実希人
児童書で史上初、本屋大賞ノミネート 親子で楽しめる本格ミステリ!
あの知念 実希人が本気で書いたシリーズがついに創刊!
考えることの楽しさ、気持ちよさがわかる!
「人生初の伏線回収」を子どもたちへ!
「大人のミステリ小説とまったく同じ手法で書きました」 by 知念 実希人
依頼人は、先生。学校で起こるふしぎな事件。
子どもたちが「人生で初めて読むミステリ」を目指しました。
殺人事件はない。でもトリックは本格的。
安心して読めて、しかも親子で楽しめる一冊になりました。
漢字にはすべて、フリガナつきです。
(あらすじ)
夜の学校。プールに放たれた金魚。だれが、なんのために?
4年1組の辻堂天馬・柚木陸・神山美鈴、通称「ミステリトリオ」が先生の依頼で動き出す!
「ぼくは読者に挑戦する」
名探偵・辻堂天馬の挑戦に、キミはこたえられるかーー?
10位『君が手にするはずだった黄金について』小川哲
才能に焦がれる作家が、自身を主人公に描くのは「承認欲求のなれの果て」。
認められたくて、必死だったあいつを、お前は笑えるの? 青山の占い師、80億円を動かすトレーダー、ロレックス・デイトナを巻く漫画家……。著者自身を彷彿とさせる「僕」が、怪しげな人物たちと遭遇する連作短篇集。彼らはどこまで嘘をついているのか? いや、噓を物語にする「僕」は、彼らと一体何が違うというのか? いま注目を集める直木賞作家が、成功と承認を渇望する人々の虚実を描く話題作!
「このミステリーがすごい!2025年版」は2024年12月に発表されたランキングです。
■このミステリーがすごい!2025年版/国内編ランクイン作品■
1位『地雷グリコ』青崎有吾
ミステリ界の旗手が仕掛ける本格頭脳バトル小説!
射守矢真兎(いもりや・まと)。女子高生。勝負事に、やたらと強い。
平穏を望む彼女が日常の中で巻き込まれる、風変わりなゲームの数々。罠の位置を読み合いながら階段を上ったり(「地雷グリコ」)、百人一首の絵札を用いた神経衰弱に挑んだり(「坊主衰弱」)。次々と強者を打ち破る真兎の、勝負の先に待ち受けるものとは――ミステリ界の旗手が仕掛ける本格頭脳バトル小説、全5篇。
2位『冬期限定ボンボンショコラ事件』米澤穂信
【特別書き下ろし作品】
高校生活の終わり。
小市民の時代の終わり。
小鳩君を轢き、
密室状況から消え失せた車はどこへ?
シリーズ最大の事件を描き
四部作掉尾を飾る冬の巻!
小市民を志す小鳩君はある日轢き逃げに遭い、病院に搬送された。目を覚ました彼は、朦朧としながら自分が右足の骨を折っていることを聞かされる。翌日、手術後に警察の聴取を受け、昏々と眠る小鳩君の枕元には、同じく小市民を志す小佐内さんからの「犯人をゆるさない」というメッセージが残されていた。小佐内さんは、どうやら犯人捜しをしているらしい……。冬の巻ついに刊行。
3位『檜垣澤家の炎上』永嶋恵美
『細雪』×『華麗なる一族』×ミステリ!
「女であっても、私はすべてを手に入れたい」
富豪一家に拾われた娘のたったひとりの闘いが始まる。
横濱で知らぬ者なき富豪一族、檜垣澤家。当主の妾だった母を亡くし、高木かな子はこの家に引き取られる。商売の舵取りをする大奥様。互いに美を競い合う三姉妹。檜垣澤は女系が治めていた。そしてある夜、婿養子が不審な死を遂げる。政略結婚、軍との交渉、昏い秘密。陰謀渦巻く館でその才を開花させたかな子が辿り着いた真実とは──。小説の醍醐味、その全てが注ぎこまれた、傑作長篇ミステリ。
4位『少女には向かない完全犯罪』方丈貴恵
「教えて?復讐のやり方を」
一人ぼっちの少女が頼ったのは、あと7日で消滅する幽霊。
伏線、伏線また伏線!
2年連続本格ミステリ大賞ノミネート作家による
終着点が心震わせる本格ミステリ
☆☆☆
なにもできない二人が、
逃げ、考え、罠にかける!
頭脳戦の楽しみに満ちた爽快な復讐譚!
黒羽烏由宇は、ビルから墜落し死につつあった。
臨死体験のさなか、あと七日で消滅する幽霊となった彼は、
両親を殺された少女・音葉に出会う。
彼女は、出会い頭に彼に斧を叩き込んで、言う。
「確かに、幽霊も子供も一人じゃ何もできないよ。
でも、私たちが力を合わせれば、大人の誰にもできないことがやれると思わない?」
天井に足跡の残る殺人、閉じ込められた第一発見者、犯人はこの町にいる。
5位『伯爵と三つの棺』潮谷験
代の濁流が兄弟の運命を翻弄する。
フランス革命が起き、封建制度が崩壊するヨーロッパの小国で、元・吟遊詩人が射殺された。
容疑者は「四つ首城」の改修をまかされていた三兄弟。五人の関係者が襲撃者を目撃したが、犯人を特定することはできなかった。三兄弟は容姿が似通っている三つ子だったからだ。
DNA鑑定も指紋鑑定も存在しない時代に、探偵は、純粋な論理のみで犯人を特定することができるのか?
6位『日本扇の謎』有栖川有栖
舞鶴の海辺の町で発見された、記憶喪失の青年。名前も、出身地も何もかも思い出せない彼の身元を辿る手がかりは、唯一持っていた一本の「扇」だった……。そして舞台は京都市内へうつり、謎の青年の周囲で不可解な密室殺人が発生する。事件とともに忽然と姿を消した彼に疑念が向けられるが……。動機も犯行方法も不明の難事件に、火村英生と有栖川有栖が捜査に乗り出す!
7位『法廷占拠 爆弾2』呉勝浩
法廷に囚われた100人を、ひとり残らず救い出せ!
未曾有の連続爆破事件から一年。
スズキタゴサクの裁判の最中、遺族席から拳銃を持った青年が立ち上がり法廷を制圧した。
「みなさんには、これからしばらくぼくのゲームに付き合ってもらいます」
生配信で全国民が見守るなか、警察は法廷に囚われた100人を救い出せるのか。
籠城犯vs.警察vs.スズキタゴサクが、三つ巴の騙し合い!
8位『バーニング・ダンサー』阿津川辰海
来た。怒濤のドンデン返し。最高峰の謎解き×警察ミステリ!!
【テレビ、新聞、週刊誌掲載で話題沸騰!】
大衆を煽動する殺人犯vs. “猟犬”と呼ばれる元捜査一課刑事
「あの、私も妹も、交通総務課から来ました」。そう聞いて、永嶺スバルは絶句した。犯人を挙げるため違法捜査も厭わなかった捜査一課での職務を失い、異動した先での初日。やって来たのは、仲良し姉妹、田舎の駐在所から来た好々爺、机の下に隠れて怯える女性、民間人を誤認逮捕しかけても悪びれない金髪男だった。着任早々、異様な事件の報告が入る。全身の血液が沸騰した死体と、炭化するほど燃やされた死体。相棒を失った心の傷が癒えぬ永嶺は、この「警視庁公安部公安第五課 コトダマ犯罪調査課」のメンバーと捜査を開始する。彼らの共通点はただ一つ。ある能力を保持していることだった――。
「すべての始まり」から、犯人の嘘は仕込まれている。
6作品連続「このミステリーがすごい!」ランクイン &「本格ミステリ大賞(評論部門)」受賞作家最新作。阿津川マジックが炸裂する、最高峰の謎解き×警察ミステリ!!
9位『ぼくは化け物きみは怪物』白井智之
「本格ミステリ・ベスト10」2年連続1位!
ランキングを席巻する鬼才の最新短編集!
クラスメイト襲撃事件を捜査する小学校の名探偵。
滅亡に瀕した人類に命運を託された〝怪物”。
郭町の連続毒殺事件に巻き込まれた遊女。
異星生物のバラバラ死体を掘り起こした三人組。
見世物小屋(フリークショー)の怪事件を予言した〝天使の子”。
凶暴な奇想に潜む、無垢な衝動があなたを突き刺す。
白井智之は容赦しない。
10位『六色の蛹』櫻田智也
昆虫好きの優しい青年は、
人の心の痛みに寄り添う名探偵
日本推理作家協会賞&本格ミステリ大賞を受賞した
『蟬かえる』に続く、〈魞沢泉〉シリーズ最新作!
昆虫好きの心優しい青年・エリ沢泉(えりさわせん。「エリ」は「魚」偏に「入」)。行く先々で事件に遭遇する彼は、謎を解き明かすとともに、事件関係者の心の痛みに寄り添うのだった……。ハンターたちが狩りをしていた山で起きた、銃撃事件の謎を探る「白が揺れた」。花屋の店主との会話から、一年前に季節外れのポインセチアを欲しがった少女の真意を読み解く「赤の追憶」。ピアニストの遺品から、一枚だけ消えた楽譜の行方を推理する「青い音」など全六編。日本推理作家協会賞&本格ミステリ大賞を受賞した『蝉(せみ)かえる』に続く、〈エリ沢泉〉シリーズ最新作!
「このミステリーがすごい!2025年版」は2024年12月に発表されたランキングです。
■このミステリーがすごい!2025年版/海外編ランクイン作品■
1位『両京十五日』馬伯庸 (著), 齊藤 正高 (翻訳), 泊 功 (翻訳)
十五世紀の中国、明の時代。北京から南京に遣わされた皇太子は爆発による襲撃に襲われる。さらに北京にいる皇帝も命を狙われていることを知った皇太子は、幾度と襲い掛かってくる刺客から逃れつつ、南京から北京へ向かう幾千里にもわたる決死行が始まる――!
2位『ビリー・サマーズ』スティーヴン・キング (著), 白石 朗 (翻訳)
作家デビュー50周年に放つ、至高のクライム・ノヴェル
狙いは決して外さない凄腕の殺し屋、ビリー・サマーズ。依頼人たちには、銃撃しか能がないちょっと抜けた男を装っているが、真の顔はエミール・ゾラを愛読する思慮深い人間であり、標的が悪人である殺ししか請け負わない。
そんなビリーが、引退を決意して「最後の仕事」を受けた。収監されているターゲットを狙撃するには、やつが裁判所へ移送される一瞬を待つしかない。狙撃地点となる街に潜伏するための偽装身分は、なんと小説家。街に溶け込むべくご近所づきあいをし、事務所に通って執筆用パソコンに向かううち、ビリーは本当に小説を書き始めてしまう。
だが、この仕事は何かがおかしい……。ビリーは安全策として、依頼人にも知られぬようさらに別の身分を用意し、奇妙な三重生活をはじめた。そしてついに、運命の実行日が訪れる――。
3位『死はすぐそばに』アンソニー・ホロヴィッツ (著), 山田 蘭 (翻訳)
あらゆる期待を超えつづける、
〈ホーソーン&ホロヴィッツ〉シリーズ最新刊
テムズ川沿いの高級住宅地の殺人。
容疑者全員に同じ動機が……
『カササギ殺人事件』の著者が贈る、
現代最高の犯人当てミステリ
テムズ川沿いの高級住宅地リヴァービュー・クロースで、金融業界のやり手がクロスボウの矢を喉に突き立てられて殺された。昔の英国の村を思わせる敷地で住人たちが穏やかに暮らす――この理想的な環境を乱す新参者の被害者に、住人全員が我慢を重ねてきていた。誰もが動機を持っているといえる難事件を前にして、警察は探偵ホーソーンを招聘するが……。あらゆる期待を超えつづける〈ホーソーン&ホロヴィッツ〉シリーズ最新刊!
4位『ボタニストの殺人』M・W・クレイヴン (著), 東野 さやか (翻訳)
押し花を受け取った著名人が連続で殺される事件が起きた。捜査に挑むポーだったが、彼の同僚の病理学者が殺人容疑で逮捕され……
5位『ウナギの罠』ヤーン・エクストレム (著), 瑞木 さやこ (翻訳)
「スウェーデンのディクスン・カー」と称された、ヤーン・エクストレムによる不可能犯罪の名品!
ウナギ漁のための小部屋のような仕掛け罠のなかで、地元の大地主の死体が発見された。
入り口には外から錠がかけられ、鍵は被害者のポケットに――
そう、完璧な密室殺人だったのだ。
さらに、遺体には一匹のウナギがからみついていた!
被害者をめぐる複雑な人間関係、深まる謎また謎……
かつて、本作を初めて日本に伝え、ファンを騒然とさせた、ミステリー研究家・松坂健氏の紹介文を付す。
6位『エイレングラフ弁護士の事件簿』ローレンス・ブロック (著), 田村 義進 (翻訳)
エラリイ・クイーンも太鼓判!
ミステリー史上最高で最凶の弁護士マーティン・エイレングラフ登場!
不敗の弁護士エイレングラフは言う、
「私の報酬は法外ですが、有罪になったら一銭も支払わなくて結構。でもあなたが無罪放免となったなら、もし私が何もしなかったように見えても、必ず報酬を支払っていただきます」
そして依頼人は 必 ず 、無罪となる。たとえ真犯人であっても!
エラリイ・クイーンが大いに気に入って雑誌に掲載した第一作「エイレングラフの弁護」から38年。アメリカン・ミステリーの巨匠ブロック(『八百万の死にざま』『殺し屋』)がじっくり書き継いだシリーズ短編を完全収録。本邦初訳の作品もふくむ全12編。これぞ珠玉。ブラック・ユーモアとヒネリとキレが絶妙にブレンドされた短編ミステリー集。
7位『すべての罪は血を流す』S・A コスビー (著), 加賀山 卓朗 (翻訳)
『このミス』1位『頬に哀しみを刻め』著者、最新作!
被害者の携帯電話に残されていた、残忍な殺人の画像――
悪夢のような連続殺人事件に、黒人保安官が挑む。
MWA賞長編部門ノミネート!
「コスビーの最高傑作を更新した」デニス・ルヘイン
「死体の山、ノンストップのアクション、最高の警察もの」スティーヴン・キング
「止まらない勢い、手に汗握る陰謀、犯罪小説のグランドスラムだ」マイクル・コナリー
「現代の犯罪小説の中で最も記憶に残る主人公の一人」ワシントン・ポスト
ヴァージニア州の高校で教師が銃撃され、容疑者の黒人青年が白人保安官補に射殺された。人種対立の残る町に衝撃が走るなか、元FBI捜査官の黒人保安官タイタスは捜査を開始する。容疑者は銃を捨てるよう説得するタイタスに奇妙な言葉を残していたのだ。「先生の携帯を見て」と。被害者の携帯電話を探ると、そこには彼と“狼”のマスクを被った男たちによる残忍な殺人が記録されていた――。
8位『魂に秩序を』マット・ラフ (著), 浜野 アキオ (翻訳)
多重人格カップルの友情と淡い恋心と殺人と――。
あらゆるジャンルを取り込んで、新潮文庫史上最厚で贈る、
メタおもしろい、究極の物語小説がついに日本上陸!
幼少時に義理の父親から虐待を受けたために多重人格障害を抱えるアンディは、自分の頭の中に住む別人格アーロンによって人格の交錯する混沌状態を整理してもらい、下界に適応していくための人格の渉外役として新たにアンドルーという魂を生まれさせていた。ある日、ヴァーチャルリアリティ・ソフトの開発に関わっているソフト制作会社で、アンドルーはやはり多重人格障害を抱える女性ペニーと出会うことになる。自身の他人格だけでなくペニーの別人格にまで振り回されるアンドルーは、一方で、ある殺人犯の事故死に関わったことから、義父の死は自分が原因だったのではないかという疑念に囚われる。真相解明のため、ペニーと共に故郷へと向かうが……。多重人格障害を抱えるカップルを主人公に、ミステリー、ロードノヴェル、青春成長小説といったさまざまな要素が展開する、物語の万華鏡!
9位『ぼくの家族はみんな誰かを殺してる』ベンジャミン・スティーヴンソン (著), 富永 和子 (翻訳)
わが家は全員嘘つきで、人殺しだ。
世界27カ国で刊行!伏線だらけの謎解きミステリー。
すべての真相を、見抜けますか?
雪山で起きた連続殺人。容疑者は一家全員。
ぼくたちカニンガム家は曰くつきの一族だ。35年前に父が警官を殺したあの日以来、世間からは白い目で見られている。そんな家族が3年ぶりに雪山のロッジに集まることになったのだから、何も起こらないはずがない─その予感は当たり、ぼくらがロッジに到着した翌日、見知らぬ男の死体が雪山で発見された。家族9人、それぞれが何かを隠し、怪しい動きを見せるなか、やがて第2の殺人が起こり……。
10位『身代わりの女』シャロン・ボルトン (著), 川副 智子 (翻訳)
彼らに会いに来たのは、刑期を終えた女。
はたして〝約束〟は守られるのか――⁉
一気読み必至の予測不能サスペンス。
卒業を間近にしたパブリック・スクールの優等生6人が、泥酔して道路を逆走させた自動車で母娘3人の命を奪う大事故を起こしてしまう。20年後、事故当時ひとり罪をかぶり刑期を務めたメーガンが、国会議員、辣腕弁護士と、いまや成功した人生を享受している5人の前に姿をあらわす。身代りとなったメーガンは、彼らと、ある〝約束〟を交わしていたのだった。心に罪悪感を抱えて生きてきた5人の保身と利己心が、真意の読めないメーガンの言動と交錯していく。危険な契約の先に待つものは……⁉ オックスフォードを舞台にした予測不能&一気読み必至のサスペンス小説。2024年最大のミステリー話題作。
「このミステリーがすごい!2024年版」は2023年12月に発表されたランキングです。
■このミステリーがすごい!2024年版/国内編ランクイン作品■
1位『可燃物』米澤穂信
余計なことは喋らない。上司から疎まれる。部下にもよい上司とは思われていない。しかし、捜査能力は卓越している。葛警部だけに見えている世界がある。
群馬県警を舞台にした新たなミステリーシリーズ始動。
群馬県警利根警察署に入った遭難の一報。現場となったスキー場に捜査員が赴くと、そこには頸動脈を刺され失血死した男性の遺体があった。犯人は一緒に遭難していた男とほぼ特定できるが、凶器が見つからない。その場所は崖の下で、しかも二人の周りの雪は踏み荒らされておらず、凶器を処分することは不可能だった。犯人は何を使って〝刺殺〟したのか?(「崖の下」)
榛名山麓の〈きすげ回廊〉で右上腕が発見されたことを皮切りに明らかになったばらばら遺体遺棄事件。単に遺体を隠すためなら、遊歩道から見える位置に右上腕を捨てるはずはない。なぜ、犯人は死体を切り刻んだのか? (「命の恩」)
太田市の住宅街で連続放火事件が発生した。県警葛班が捜査に当てられるが、容疑者を絞り込めないうちに、犯行がぴたりと止まってしまう。犯行の動機は何か? なぜ放火は止まったのか? 犯人の姿が像を結ばず捜査は行き詰まるかに見えたが……(「可燃物」)
連続放火事件の“見えざる共通項”を探り出す表題作を始め、葛警部の鮮やかな推理が光る5編。
2位『鵼の碑』京極夏彦
百鬼夜行シリーズ新作長編!
殺人の記憶を持つ娘に惑わされる作家。
消えた三つの他殺体を追う刑事。
妖光に翻弄される学僧。
失踪者を追い求める探偵。
死者の声を聞くために訪れた女。
そして見え隠れする公安の影。
発掘された古文書の鑑定に駆り出された古書肆は、
縺れ合いキメラの如き様相を示す「化け物の幽霊」を祓えるか。
3位『あなたが誰かを殺した』東野圭吾
★★★ミステリ、ど真ん中。★★★
最初から最後までずっと「面白い!」至高のミステリー体験。
閑静な別荘地で起きた連続殺人事件。
愛する家族が奪われたのは偶然か、必然か。
残された人々は真相を知るため「検証会」に集う。
そこに現れたのは、長期休暇中の刑事・加賀恭一郎。
――私たちを待ち受けていたのは、想像もしない運命だった。
4位『エレファントヘッド』白井智之
本格ミステリ大賞受賞の鬼才が仕掛ける、空前絶後の推理迷宮。
精神科医の象山は家族を愛している。だが彼は知っていた。どんなに幸せな家族も、たった一つの小さな亀裂から崩壊してしまうことを――。やがて謎の薬を手に入れたことで、彼は人知を超えた殺人事件に巻き込まれていく。
謎もトリックも展開もすべてネタバレ禁止!
前代未聞のストーリー、尋常ならざる伏線の数々。
多重解決ミステリの極限!
5位『アリアドネの声』井上真偽
巨大地震発生。地下に取り残された女性は、目が見えず、耳も聞こえない。
光も音も届かない絶対的迷宮。
生還不能まで6時間。
想像の限界を超えるどんでん返し。
救えるはずの事故で兄を亡くした青年・ハルオは、贖罪の気持ちから救助災害ドローンを製作するベンチャー企業に就職する。業務の一環で訪れた、障がい者支援都市「WANOKUNI」で、巨大地震に遭遇。ほとんどの人間が避難する中、一人の女性が地下の危険地帯に取り残されてしまう。それは「見えない、聞こえない、話せない」という三つの障がいを抱え、街のアイドル(象徴)して活動する中川博美だった――。
崩落と浸水で救助隊の侵入は不可能。およそ6時間後には安全地帯への経路も断たれてしまう。ハルオは一台のドローンを使って、目も耳も利かない中川をシェルターへ誘導するという前代未聞のミッションに挑む。
6位『木挽町のあだ討ち』永井紗耶子
◆第169回直木三十五賞・第36回山本周五郎賞 受賞作◆
疑う隙なんぞありはしない、あれは立派な仇討ちでしたよ。
語り草となった大事件、その真相は――。
ある雪の降る夜に芝居小屋のすぐそばで、美しい若衆・菊之助による仇討ちがみごとに成し遂げられた。父親を殺めた下男を斬り、その血まみれの首を高くかかげた快挙はたくさんの人々から賞賛された。二年の後、菊之助の縁者だというひとりの侍が仇討ちの顚末を知りたいと、芝居小屋を訪れるが――。新田次郎文学賞など三冠の『商う狼』、直木賞候補作『女人入眼』で今もっとも注目される時代・歴史小説家による、現代人を勇気づける令和の革命的傑作誕生!
7位『君のクイズ』小川哲
『ゲームの王国』『嘘と正典』『地図と拳』。一作ごとに現代小説の到達点を更新し続ける著者の才気がほとばしる、唯一無二の<クイズ小説>が誕生しました。雑誌掲載時から共同通信や図書新聞の文芸時評等に取り上げられ、またSNSでも盛り上がりを見せる、話題沸騰の一冊です!
ストーリー:生放送のTV番組『Q-1グランプリ』決勝戦に出場したクイズプレーヤーの三島玲央は、対戦相手・本庄絆が、まだ一文字も問題が読まれぬうちに回答し正解し、優勝を果たすという不可解な事態をいぶかしむ。いったい彼はなぜ、正答できたのか? 真相を解明しようと彼について調べ、決勝戦を1問ずつ振り返る三島はやがて、自らの記憶も掘り起こしていくことになり――。
読めば、クイズプレーヤーの思考と世界がまるごと体験できる。人生のある瞬間が鮮やかによみがえる。そして読後、あなたの「知る」は更新される!
「不可能犯罪」を解く一気読み必至の卓抜したミステリーにして、エモーショナルなのに知的興奮に満ちた超エンターテインメント!
8位『世界でいちばん透きとおった物語』杉井光
“電子書籍化絶対不可能”&“ネタバレ厳禁”、30万部突破。
絶対に予測不能な衝撃のラスト――あなたの見る世界は『透きとおる』。
―――【あらすじ】―――
大御所ミステリ作家の宮内彰吾が、癌の闘病を経て61歳で死去した。
女癖が悪かった宮内は、妻帯者でありながら多くの女性と交際しており、そのうちの一人とは子供までつくっていた。それが僕だ。
宮内の死後、彼の長男から僕に連絡が入る。
「親父は『世界でいちばん透きとおった物語』というタイトルの小説を死ぬ間際に書いていたらしい。遺作として出版したいが、原稿が見つからない。なにか知らないか」
奇妙な成り行きから僕は、一度も会ったことがない父の遺稿を探すことになる。知り合いの文芸編集者・霧子さんの力も借りて、業界関係者や父の愛人たちに調べを入れていくうちに、僕は父の複雑な人物像を知っていく。
やがて父の遺稿を狙う別の何者かの妨害も始まり、ついに僕は『世界でいちばん透きとおった物語』に隠された衝撃の真実にたどり着く――。
9位『鈍色幻視行』恩田陸
謎と秘密を乗せて、今、長い航海が始まる。
撮影中の事故により三たび映像化が頓挫した“呪われた”小説『夜果つるところ』と、その著者・飯合梓の謎を追う小説家の蕗谷梢は、関係者が一堂に会するクルーズ旅行に夫・雅春とともに参加した。船上では、映画監督の角替、映画プロデューサーの進藤、編集者の島崎、漫画家ユニット・真鍋姉妹など、『夜~』にひとかたならぬ思いを持つ面々が、梢の取材に応えて語り出す。次々と現れる新事実と新解釈。旅の半ば、『夜~』を読み返した梢は、ある違和感を覚えて――
10位『ちぎれた鎖と光の切れ端』荒木あかね
江戸川乱歩賞受賞第一作
2022年のミステリーランキングを席巻したZ世代のアガサ・クリスティーが描く哀しき連鎖殺人
「私たちが絆を断った日、島は赤く染まった。」
復讐を誓う男がたどり着いた熊本県の孤島(クローズドアイランド)で目にしたのは、仇(かたき)の死体だった。
さらに第二、第三の殺人が起き、「第一発見者」が決まって襲われる――。
2020年8月4日。島原湾に浮かぶ孤島、徒島(あだしま)にある海上コテージに集まった8人の男女。その一人、樋藤清嗣(ひとうきよつぐ)は自分以外の客を全員殺すつもりでいた。先輩の無念を晴らすため--。しかし、計画を実行する間際になってその殺意は鈍り始める。「本当にこいつらは殺されるほどひどいやつらなのか?」樋藤が逡巡していると滞在初日の夜、参加者の一人が舌を切り取られた死体となって発見された。樋藤が衝撃を受けていると、たてつづけに第二第三の殺人が起きてしまう。しかも、殺されるのは決まって、「前の殺人の第一発見者」で「舌を切り取られ」ていた。
そして、この惨劇は「もう一つの事件」の序章に過ぎなかった――。
「このミステリーがすごい!2024年版」は2023年12月に発表されたランキングです。
■このミステリーがすごい!2024年版/海外編ランクイン作品■
1位『頰に哀しみを刻め』S・A・コスビー,加賀山卓朗
殺人罪で服役した黒人のアイク。出所後庭師として地道に働き、小さな会社を経営する彼は、ある日警察から息子が殺害されたと告げられる。白人の夫とともに顔を撃ち抜かれたのだ。一向に捜査が進まぬなか、息子たちの墓が差別主義者によって破壊され、アイクは息子の夫の父親で酒浸りのバディ・リーと犯人捜しに乗り出す。息子を拒絶してきた父親2人が真相に近づくにつれ、血と暴力が増してゆき――
2位『ナイフをひねれば』アンソニー・ホロヴィッツ,山田蘭
累計100万部突破、ミステリ・ランキング4年連続第1位!『カササギ殺人事件』の著者が贈る、
犯人当てミステリの到達点!
著者ホロヴィッツが殺人容疑で逮捕される!?
〈ホーソーン&ホロヴィッツ〉シリーズ第4弾!
「われわれの契約は、これで終わりだ」彼が主人公のミステリを書くことに耐えかねて、わたし、作家のアンソニー・ホロヴィッツは探偵ダニエル・ホーソーンにこう告げた。翌週、ロンドンの劇場でわたしの戯曲『マインドゲーム』の公演が始まる。初日の夜、劇評家の酷評を目にして落胆するわたし。翌朝、その劇評家の死体が発見された。凶器はなんとわたしの短剣。かくして逮捕されたわたしにはわかっていた。自分を救ってくれるのは、あの男だけだと。〈ホーソーン&ホロヴィッツ〉シリーズの新たな傑作!
3位『処刑台広場の女』マーティン エドワーズ,加賀山 卓朗
この女は名探偵か、悪魔か。
1930年、ロンドン。名探偵レイチェル・サヴァナクには、黒い噂がつきまとっていた。彼女は、自分が突きとめた殺人者を死に追いやっている――。レイチェルの秘密を暴こうとする新聞記者ジェイコブは、密室での奇妙な自殺や、ショー上演中の焼死といった不可解な事件に巻き込まれる。一連の事件の真犯人はレイチェルなのか?真実は全て“処刑台広場”に。英国推理小説界の巨匠による極上の謎解きミステリ。
4位『愚者の街』ロス・トーマス,松本剛史
壮絶な過去をもつ元スパイに託された仕事は、
腐敗した街をさらに腐敗させること――。
生まれ落ちたときに母を亡くし、その後は父と二人で上海に渡ったダイ。南京路で爆撃に遭い、気づくと手をつないでいた父親は腕だけになっていた……。娼館のロシア人女性に拾われ、娼婦たちから様々な言葉や文化を学びながら生きのびて成人したダイは、やがて「セクション2」と呼ばれる米国秘密情報部でエージェントとしての活動に従事する。だが、何者かに陥れられて投獄され、情報部からも解雇。彼の出獄を待っていたのは、腐敗した南部の小さな街をさらに腐敗させ再興させるという突拍子もない仕事だった――。一人の男の数奇な運命を綴った壮大なるサーガにして、壮絶なる暴力と騙し合いの狂騒曲。二度のMWA賞に輝くクライム・ノヴェルの巨匠畢生の大作、ついに本邦初登場。
5位『トゥルー・クライム・ストーリー』ジョセフ・ノックス,池田真紀子
被害者も、家族も、友人も、作者も、
編集者ですら、信じてはいけない。
かつてないほどに斬新なメタノワール・ミステリーの誕生。
2011年末、マンチェスター大学の学生寮から、一人の女子学生が姿を消した。彼女の名はゾーイ。6年が経過するも行方はわからず、世間の記憶も薄れてきた頃、作家イヴリンはこの事件に関心を抱き、関係者への取材と原稿執筆を開始。作家仲間であるジョセフ・ノックスにアドバイスを仰いだ。2018年、ゾーイの双子の姉キムが初めてマスコミ取材に応じ、事件は再度注目を集めることになる。だが、取材と執筆を続行するようノックスから助言されていたイヴリンは、翌年、拉致犯人と思われる人物を特定する証拠を入手した直後に死亡。故人の遺志を継いだノックスが原稿の整理と追加取材を行って、『トゥルー・クライム・ストーリー(犯罪実話)』として彼女の遺稿を完成させるのだったが――。関係者へのインタビューを中心に、イヴリンとノックスとのメールでの対話、新聞記事の抜粋、Facebookの書き込みなどから浮かび上がる失踪事件の謎にくわえて、新たに殺人までが絡み、その複雑な人間関係には著者ノックス自らも加わっているという、特異な形式で描かれる野心作。〈マンチェスター市警 エイダン・ウェイツ〉シリーズの著者がはじめて挑む単発物で、被害者も関係者も作者すら誰ひとり信頼できる者のいない、かつてないほど斬新なサスペンス・ノワール。
6位『卒業生には向かない真実』ホリー・ジャクソン,服部京子
わたしはこの真実から、決して目を背けない。
『自由研究には向かない殺人』から始まった
ミステリ史上最も衝撃的な3部作完結編!
大学入学直前のピップに、不審な出来事がいくつも起きていた。無言電話に匿名のメール。首を切られたハトが敷地内で見つかり、私道にはチョークで首のない棒人間を書かれた。調べた結果、6年前の連続殺人事件との類似点に気づく。犯人は服役中だが無実を訴えていた。ピップのストーカーの行為が、この連続殺人の被害者に起きたことと似ているのはなぜなのか。ミステリ史上最も衝撃的な『自由研究には向かない殺人』三部作の完結編!
7位『恐るべき太陽』ミシェル・ビュッシ,平岡敦
鬼才ビュッシが放つ、クリスティーへの挑戦作!
創作セミナーのために南の島に集まったカリスマ人気作家と作家志望の女性5名。ところが彼らは次々に死体となって発見され……
画家ゴーギャンや歌手ジャック・ブレルが愛した南太平洋仏領ポリネシアのヒバオア島。謎めいた石像ティキたちが見守るこの島に、人気ベストセラー作家と、彼の熱烈なファンでもある作家志望の女性5人が〈創作アトリエ〉のために集まった。だが作家は失踪、彼女らは次々に死体となって発見され……。最後に残るのは、誰? 叙述ミステリーの巨匠ビュッシが満を持して放つクリスティーへの挑戦作。
8位『8つの完璧な殺人』ピーター・スワンソン,務台夏子
すべて著者が仕掛けた罠。
〈このミステリーがすごい!〉第2位!
『そしてミランダを殺す』の著者が贈る、
名作ミステリーへの見事なオマージュ!
ミステリー専門書店の店主マルコムのもとに、FBI捜査官が訪れる。マルコムは10年前、犯罪小説史上もっとも利口で、もっとも巧妙で、もっとも成功確実な“完璧な殺人”が登場する8作を選んで、店のブログにリストを掲載した。『赤い館の秘密』、『ABC殺人事件』、『見知らぬ乗客』……。捜査官によると、それら8つの作品の手口に似た殺人事件が続いているという。犯人は彼のリストに従っているのか? ミステリーへの愛がふんだんに込められた、謎と企みに満ちた傑作!
9位『ガラスの橋 ロバート・アーサー自選傑作集』ロバート・アーサー,小林晋
エドガー賞 2度受賞!
「51番目の密室」の著者
日本初のミステリー短編集
雪に閉ざされた屋敷から女性が消えた…
不可能犯罪の名作他、異才の精華をここに!
雪に閉ざされた山荘を訪ねていった女性が消えた!
屋敷へ入る足跡のみが残された状況での人間消失を描いた、不可能犯罪の歴史的名作「ガラスの橋」。
老姉妹が、これまで読んできた千冊以上の推理小説の知識を武器に、犯罪者たちに戦いを挑む痛快な冒険譚「極悪と老嬢」等々、キレのいい短編で知られるロバート・アーサーの日本初の作品集登場!
ミステリー・ドラマの送り手として、2度のエドガー賞に輝く名手が、みずから選んだ傑作ばかり。
趣向に富んだ謎解きの数々をお楽しみください。
10位『真珠湾の冬』ジェイムズ ケストレル,山中 朝晶
世界最大のミステリ文学賞エドガー賞最優秀長篇賞受賞作
太平洋戦争迫るハワイ、香港、そして日本。彼は真実を追い求めた――
1941年ハワイ。アメリカ陸軍上がりの刑事マグレディは、白人男性と日本人女性が惨殺された奇怪な事件の捜査を始める。ウェーク島での新たな事件を経て容疑者がマニラ・香港方面に向かったことを突き止めた彼はそれを追うが、折しも真珠湾を日本軍が攻撃。太平洋戦争が勃発する。陥落した香港で日本軍に捕らえられ、東京へと流れついたマグレディが出会ったのは……。戦乱と死が渦巻く激動の太平洋諸国で連続殺人犯を追う刑事の執念。その魂の彷徨を描く大作ミステリ。
まとめ|2024年文学賞を受賞した作品一覧|本屋大賞・芥川賞・直木賞・このミス・読売・吉川英治など
2024年に文学賞を受賞した作品は有名なものから、あまり知られていないものまでいろいろありましたね。これは!とピンときた本はぜひ、手に取ってみてくださいね。
