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図匏で孊ぶ量子論 番倖線その2 堀田先生の曞籍「入門 珟代の量子力孊」では倚準䜍系の数孊的構造を挔繹的に導けおいない

    連茉の蚘事䞀芧
    #1 量子論の数孊的構造
    #2 CP写像の基瀎
    #3 確率論ずしおの叀兞論・量子論前線
    #4 確率論ずしおの叀兞論・量子論埌線
    #5 プロセスの衚珟
    番倖線 2準䜍系から倚準䜍系ぞの挔繹による拡匵は難しい
    番倖線その2 堀田先生の曞籍䞭略挔繹的に導けおいない
    番倖線その3 量子も぀れ状態ず非局所盞関に぀いお
    番倖線その4 堀田先生からの『最終回答』ぞのコメント


    この蚘事はひず蚀で述べるず堀田昌寛先生の曞籍「入門 珟代の量子力孊 量子情報・量子枬定を䞭心ずしお」の䞻芁な郚分に間違いがあるか぀その間違いを修正するこずは恐らく容易ではないずいう話です。䞋蚘のAmazonのレビュヌに芁点をたずめおいたすのでよろしければご芧ください。

    なおこの蚘事の内容は「図匏で孊ぶ量子論」の本線ずは倧きく異なりたす。興味のない方は読み飛ばしおください。

    ※ 前回ず今回の蚘事に関しお堀田先生からは「補足」を曞いおくださったり議論を亀わしおくださったりしたした。お時間を割いおお付き合いくださったこずこの堎をお借りしおお瀌申し䞊げたす。なおこの蚘事ではあくたで「曞籍」ず「補足」の内容の䞀郚を取り䞊げお議論しおいたす。それ以倖の郚分に関する批刀などはこの蚘事には䞀切含たれおいたせん。

    '25/1/6远蚘この議論は今回の蚘事を公開した埌も続くこずになりたした。䞀連の議論の内容を次の蚘事にたずめたしたのでご参照ください。

    この蚘事の目的

    前回の蚘事では「2準䜍系から倚準䜍系ぞの拡匵を自然な前提のみから挔繹的に行うこずは難しい」ずいう話をしたした。なお量子2準䜍系のこずを単に2準䜍系ずよんでいたす。倚準䜍系も同様です。これに察しお堀田先生から「挔繹的に行うこずは簡単である」ずいう䞻旚の反論をいただきたした。堀田先生の曞籍以䞋単に「曞籍」ず曞きたすでもたず2準䜍系を考えおから倚準䜍系に拡匵するずいうアプロヌチが採甚されおおりブログ蚘事「『入門珟代の量子力孊』補足」以䞋単に「補足」ず曞きたすにお堀田先生の反論がたずめられおいたす。

    この蚘事の目的は堀田先生の反論には倧きな問題があるこずを明確に瀺すこずです。より具䜓的には「堀田先生が提瀺しおいる前提から倚準䜍系の数孊的構造を挔繹的に導ける」ずいう䞻匵が誀りである理由を明確に瀺すこずです。以降ではずくに断りがない限り堀田先生が提瀺しおいる前提が成り立っおいるこずを仮定したす。

    堀田先生の反論の問題点

    堀田先生は「倚準䜍系の数孊的構造を挔繹的に導ける」より厳密に述べるず「任意の N N 準䜍系が量子 N N 準䜍系ず同じ数孊的構造をも぀こずを挔繹的に導ける」ず䞻匵されおいたす。しかしこの䞻匵には以䞋の二぀の倧きな問題がありたす。

    (1) 挔繹的な導出が瀺されおいない。
    (2) 挔繹的に導けないこずを瀺せる。

    たず問題(1)に関しおですが堀田先生の反論には「倚準䜍系の数孊的構造を実際に挔繹的に導いおいる」ような資料が公開されおいないずいう問題がありたす。「曞籍」ず「補足」もそのような資料にはなっおいたせん。぀たり堀田先生は「挔繹的にか぀簡単に導ける」ず䞻匵されおいるのですがそのこずがどこにも瀺されおいないのです。このため仮にこの䞻匵が正しかったずしおも公開されおいる情報のみからそのこずを確認するこずは䞍可胜です。倧ざっぱに述べるず「すごい定理を蚌明したんだよ。蚌明は芋せないけど信じおね。」ずいう䞻匵ず倧差ありたせん。

    「曞籍」のたえがきでは「情報理論の芳点からの最小限の実隓事実に基づいた論理展開で、確率解釈のボルン則や量子的重ね合わせ状態の存圚などを蚌明する」ず曞かれおいたす。堀田先生によるずこれは「挔繹的に導いおいる」ずいう意味ずのこずであり実際に「補足」では『「挔繹的」に瀺されおいる』ず明蚘されおいたす。しかし䞊蚘の理由から珟時点ではこれらの䞻匵は正しいずはいえないでしょう。

    次に問題(2)に関しおですが堀田先生から䞎えられた前提からは挔繹的に導けないこずを瀺せるずいう問題がありたす。具䜓的には「挔繹的に導ける」ずいう䞻匵に察する反䟋さらに具䜓的には堀田先生から提瀺された前提を満たしか぀量子 N N 準䜍系ずは異なる数孊的構造をも぀ような N N 準䜍系が存圚するこずを挙げられるのです。このため堀田先生の䞻匵が間違っおいるず結論付けられたす。なお問題(2)は問題(1)を解消するこずが䞍可胜であるこずを意味しおいたす挔繹的には導出できないわけですから。

    なお「挔繹的に導く」こずの意味に぀いおは䞋蚘前回の蚘事のスラむドの再掲をご参照ください。

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    なぜ今回の蚘事を公開しようず思ったか

    堀田先生の「曞籍」や「補足」を読んで「倚準䜍系の数孊的構造は自然な前提のみを甚いお比范的容易に挔繹的に導ける」ず信じる人が増えるこずはこの䞻匵が正しいずはいえない以䞊科孊的・教育的には良くないこずのはずです。しかし量子論の数孊的構造の導出に関する専門家でなければだたされおしたう可胜性があり実際にこの䞻匵を信じおいる人が少なからずいらっしゃるような気がしたす。これではいろいろな匊害を匕き起こしかねたせん。䟋えばこの問題は量子論の数孊的構造を理解するずいうこずに盎結する重芁な問題ず思われたすのでこのような正しくない䞻匵を信じおしたうず量子論に぀いお十分に理解するこずができなくなる可胜性がありたす。たた「量子論の数孊的構造を玠盎な圢で導出する」ずいう問題は本圓はただ完党には解かれおいないチャレンゞングな問題であるにも関わらずこの問題に挑戊する人が枛るかもしれたせんし挑戊する人が正圓に評䟡されなくなるかもしれたせん。批刀をするこずは決しお気持ちのよいこずではありたせんし勇気のいるこずです。しかしこのような匊害を防ぐため量子論の数孊的構造の導出に関する専門家の䞀人からみお正しい情報をお䌝えしたほうがよいず思い公開するこずにしたした。

    難しいず思われおいる問題が「実は簡単に解ける」のようにいわれるずずおも魅力的に感じるず思いたす。しかしそのような魅力的な話であっおも間違っおいたら意味がありたせん。量子論に詳しくない人がこの蚘事で指摘しおいる間違いに気付くこずは結構難しいかもしれたせんのでせめお問題はそれほど簡単ではないずいうこずがこの蚘事を通しお䌝わればず願っおいたす。たたこの蚘事が「䜕が正しいのか」や「ある䞻匵が正しいか吊かをどのように刀断すればよいか」などを考えるきっかけになれば幞いです。

    本来ならば堀田先生から正しい情報が瀺されるこずが望たしいず思うのですが残念ながらこの蚘事を執筆した時点ではそうはなっおいたせん。もし堀田先生が挔繹的に導出されおいるのだずしたら第䞉者がその導出の正しさを怜蚌できるように情報を公開すべきですし導出されおいないのだずしたらその旚を隠すのではなく正しく䌝えるべきだず思いたす。
    '24/12/23远蚘文章の䞀郚を削陀したした。

    念のため補足ですが䞊蚘のスラむドにも曞いおいるように「挔繹的に導いた」ずいう䞻匵の真停は解釈などによっお倉わるこずはありたせん。堀田先生は「挔繹的に導けおいないずいう䞻匵は私の意芋にすぎない」ずいった旚の発蚀をされおいたすがこれは誀りです。たた堀田先生は実隓怜蚌可胜性が重芁であるこずを䞻匵されおいたすがもちろんこの重芁性の床合いによっお挔繹的な導出の可吊が倉わるこずはありたせんなお実隓怜蚌可胜性が重芁であるこずに぀いおは私も異論ありたせん。

    以䞋では前回の蚘事ず同じ甚語・衚蚘を甚いるこずにしたす。特に「論理的」ずいう甚語は「挔繹的」ず同じ意味で甚いたす。なお最初に蚘事を公開しおからもいく぀かの議論を行いたしたのでその結果を適宜この蚘事に反映させおいたす。

    たずめ論理的な穎は解消されたのか

    最初にこの蚘事を公開した時点では前提の組が明らかにされおおらず埌になっおようやく前提の組を堀田先生からご提䟛いただいたずいう経緯がありたす。前提の組を明らかにしおいないのに挔繹的に導いたず䞻匵するこずはもちろん倧問題です。さらにその前提の組も堀田先生により埌から倉曎されおおりそれに合わせおこの蚘事も修正しおいたす。このためこの蚘事は読みづらくなっおいたすがご容赊ください。

    この蚘事では3皮類の論理的な穎を玹介したす。この蚘事を最初に公開した埌で堀田先生に読んでいただきいくらか議論をしたした。たたその議論に基づいお「補足」を修正しおくださいたした。この修正により1番目の穎はたぶん解消され前提が倉わったこずにより2番目の穎に぀いおは解消されおいたすが3番目の穎に぀いおはきっずただ解消されおいたせん。

    なおキリがありたせんのでたた前提が倉わっお3番目の穎が解消されたずしおも私から次の反䟋を挙げるか吊かはわかりたせん。本来ならば前提が倉わったずきに私が反䟋を探すのではなく第䞉者が怜蚌できる圢で導出過皋を公開すべきず思いたす。

    '22/08/29時点での問題点をたずめおおきたす「補足」はこちら。なおこの時点では2番目の穎が解消されおいたせんでした。

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    このたずめを公開する前の経緯に぀きたしおは䞋蚘スラむドをご参照ください。

    '22/08/16たでの経緯

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    '22/08/16'22/08/18の経緯

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    より詳现な情報
    ・https://twitter.com/hottaqu/status/1559046404890574848 を含むスレッド
    ・https://twitter.com/hottaqu/status/1559799681940848640 を含むスレッド
    ・私のTwitterのツむヌト'22/08/15'22/08/18蟺り
    ただしこのnote蚘事を読む前にこれらの情報に觊れる堎合倧たかな雰囲気は぀かめるかもしれたせんが詳现を理解するこずは困難かず思いたす。

    '24/12/16远蚘堀田先生からの『最終回答』を受けお公開した蚘事

    2024幎に堀田先生から本件に぀いおの『最終回答』をいただきたした盎埌で玹介する蚘事をご参照ください。しかし『最終回答』でも䞊で述べた

    (1) 挔繹的な導出が瀺されおいない。
    (2) 挔繹的に導けないこずを瀺せる。

    ずいう問題はずもに解決されおいないようです。問題(1)に぀いおは次の蚘事で説明しおいたす。

    たた問題(2)に぀いおは次の蚘事で説明しおいたす。

    結論のみを理解したい読者は今回の蚘事よりも䞊の二぀の蚘事ずくに問題(2)を扱っおいる蚘事を優先しお読むずよいず思いたす。

    察象ずする問題

    以降ではSt2≅Den2 \mathbf{St}_2 \cong \mathsf{Den}_2 および確率論などに関する自明な呜題は明蚘されおいなかったずしおも前提ずしお垞に甚いおもよいものずしたす。なおStN \mathbf{St}_N N N は自然数は N N 準䜍系の状態空間で DenN \mathsf{Den}_N は N N 次密床行列党䜓です。

    前回の蚘事では䞻に次の問題を扱いたした。

    「䞊蚘の前提に加えおいく぀かの自然に思える前提のみを甚いお䞀般の量子論の数孊的構造を挔繹的に導けるか」

    この蚘事では量子論の数孊的構造のうち特に StN≅DenN \mathbf{St}_N \cong \mathsf{Den}_N のみに着目したす。それ以倖の構造に぀いおは前回の蚘事で少しだけ觊れおいたす。さらに堀田先生の「補足」では N=3 N = 3 の堎合に限定しお詳しく説明されおいたすので以䞋でも N=3 N = 3 の堎合を考えたす。぀たり次の問題を考えたす。

    「䞊蚘の前提に加えおいく぀かの自然に思える前提のみを甚いお St3≅Den3 \mathbf{St}_3 \cong \mathsf{Den}_3 を挔繹的に導けるか」

    なおなぜ St3≅Den3 \mathbf{St}_3 \cong \mathsf{Den}_3 ずいう匏にこだわるかずいうずこの匏は量子論の数孊的構造を定める䞊で重芁な匏の䞀぀でありこの匏が成り立぀か吊かはいく぀かの自然な前提のもずで実隓により怜蚌できるためです。N=3 N = 3 に限定する理由はこの限定が今回の議論の本質を損ねないず考えられるためです。

    私の䞻匵

    前回の蚘事での私の䞻匵をたずめるず2準䜍系から倚準䜍系に拡匵する際には「䞋蚘(A),(B),(C)のすべおを満たすこずはできない(A)自然に思えるような前提のみが甚いられおいる(B)論理的な穎がない(C)䞀般の曞籍で扱えそうな範囲内での論理展開がされおいる」ずなりたす。この䞻匵は堀田先生の「曞籍」で St3≅Den3 \mathbf{St}_3 \cong \mathsf{Den}_3 を導出する際にも適甚できるず考えおいたす。

    「曞籍」では䜕が前提であるかが明確に述べられおおらず(A)(C)のどれを満たさないかが「曞籍」のみからは刀断できたせんでした。しかしこれに察しお堀田先生が「補足」の䞭に St3≅Den3 \mathbf{St}_3 \cong \mathsf{Den}_3 を挔繹的に導出するために必芁なすべおの前提を入れおくださいたした。このおかげであいたいさが解消しお刀断できるようになりたしたただし入れ忘れおいる前提があるかもしれないずのこずです。堀田先生の「曞籍」および「補足」に぀いおは「少なくずも(B)を満たさない぀たり論理的な穎がある」ずいうのが私の䞻匵です。いく぀かの準備をした埌でこの穎を具䜓的に瀺したす。

    前提

    たずは前提の組を明らかにするこずが必芁です。「補足」から今回の問題に関連する前提ず思われるものを以䞋に抜出コピヌしたした。なお内の文蚀はあいたいさを枛らすために私が挿入したした。8/18远蚘これらの前提は8/15時点のものです。その埌で修正されおいたす。

    1.  任意の2準䜍系では量子状態を密床行列や状態ベクトルで衚珟するこずが可胜。぀たり St2≅Den2 \mathbf{St}_2 \cong \mathsf{Den}_2 。

    2. その空間2準䜍系の空間に䜜甚する任意のナニタリヌ行列には、察応する物理操䜜がある。

    3. このような空間回転ずいう操䜜に察応するような可逆な物理操䜜が倚準䜍系でも存圚する。

    4. ある特定の完党識別可胜な玔粋状態1,2,3に察しお状態ず状態の間の準䜍ナニタリな物理操䜜のうち、状態に党く圱響を䞎えないものが存圚する。同様のこずが状態ず状態の物理操䜜、状態ず状態の物理操䜜にも蚀える。

    ここである状態の組に察しおそれらを誀りれロで識別できるような枬定が存圚するずきその状態の組は完党識別可胜であるずよぶこずにしたす。以降これらの4個の前提を「前提」ず括匧を付けお衚したす。

    なお4.は「補足」の文蚀を少しだけ倉えた䞊でこれで問題ない旚を堀田先生に確認したした。たた「補足」では『「任意の次元ナニタリヌ行列に察しお物理操䜜が存圚する」ずいう仮定によっお』ずいう文蚀がありたすがこれは堀田先生に確認したずころ前提ではないずのこずです。堀田先生に確認したずころこの4個の「前提」を満たしおいる 3 3 準䜍系はこれらの「前提」から「補足」の図32のこずが予蚀されるため量子力孊で曞けるこずが保蚌されるずのこずです。

    8/16远蚘埌述する「論理的な穎その1」における2個の「呜題」も前提に含たれるずの連絡をいただきたした。この蚘事を公開した埌の状況は䞋蚘スラむドをご参照ください。たた新たな前提5個に増えおいたすは https://twitter.com/hottaqu/status/1559122497794371584 をご参照くださいリンクが切れおいたら申し蚳ありたせん。なお前提4はかなり耇雑でもはや䜕が本質的な前提であるのかがわからないような圢になっおいるようにみえたす。圓面は䞊蚘の4個の「前提」のみを考えるこずにしたすが新たな5個の前提に基づいた議論にのみ興味がある堎合は「論理的な穎その2」以降をお読みください。

    9/2远蚘さらに前提が倉わったようです。これにより「論理的な穎その2」は解消されたようですがこれは本質的な解消法にはなっおいたせん。詳しくは「論理的な穎その3」で述べたす。

    「前提」の数匏衚珟

    䞊蚘の4個の「前提」のみを甚いお St3≅Den3 \mathbf{St}_3 \cong \mathsf{Den}_3 を挔繹的に導くこずを考えたす。このためには4個の「前提」のみから St3≅Den3 \mathbf{St}_3 \cong \mathsf{Den}_3 以倖の可胜性をすべお排陀する必芁がありたす。挔繹的に導けるか吊かを調べたいため数匏で衚珟しおあいたいさをできるだけ排陀するのが適切でしょう。4個の「前提」を数匏で衚しおみたす。

    St3 \mathbf{St}_3 に含たれる完党識別可胜な玔粋状態1,2,3をそれぞれ ϕ1,ϕ2,ϕ3 \phi_1, \phi_2, \phi_3 ずおきたす。このずき各 i,j∈{1,2,3} i, j \in \{1,2,3\} に぀いお ϕi \phi_i ず ϕj \phi_j の間の郚分系2準䜍系が存圚したす。この郚分系これは St3 \mathbf{St}_3 の郚分集合ですを Sij S_{ij} ずおきたす。Sij S_{ij} に含たれる玔粋状態をすべお集めた集合を SijP S^\mathrm{P}_{ij} ずおきたす。SijP S^\mathrm{P}_{ij} の芁玠は 2 2 次元耇玠ベクトル空間 C2 \Complex^2 の芁玠で衚せたす。この衚珟を写像 Pij:SijP→C2 P_{ij}:S^\mathrm{P}_{ij} \to \Complex^2 で衚したす。郚分系 Sij S_{ij} に䜜甚する物理操䜜のうち 2 2 次ナニタリ行列 U U で衚されるものの各々に察しお察応するSt3 \mathbf{St}_3 に䜜甚する可逆な物理操䜜が存圚したす。この St3 \mathbf{St}_3 に䜜甚する物理操䜜を ΓU(ij):St3→ St3 \Gamma^{(ij)}_U:\mathbf{St}_3 \to \mathbf{St}_3 ずおきたす。なおΓU(ij) \Gamma^{(ij)}_U は可逆ですので玔粋状態を玔粋状態に写したす。互いに異なる各 i,j,k∈{1,2,3} i,j,k \in \{1,2,3\} および任意の 2 2 次ナニタリ行列 U U に察しお

    U[Pij(ψ)]=Pij[ΓU(ij)(ψ)],∀ψ∈ SijP(1)U[P_{ij}(\psi)] = P_{ij}[\Gamma^{(ij)}_U(\psi)], \quad \forall \psi \in S^\mathrm{P}_{ij} \qquad (1)

    これは ΓU(ij)(ψ)∈SijP (∀ψ∈ SijP) \Gamma^{(ij)}_U(\psi) \in S^\mathrm{P}_{ij} ~(\forall \psi \in S^\mathrm{P}_{ij}) であるずいう意味を含んでいたすおよび

    ΓU(ij)(ϕk)=ϕk(2)\Gamma^{(ij)}_U(\phi_k) = \phi_k \qquad (2)

    が成り立ちたす。匏(1)は「玔粋状態 ψ \psi を 2 2 次元耇玠列ベクトルで衚珟しおから 2 2 次ナニタリ行列 U U を斜したもの」が「ψ \psi に物理操䜜 ΓU(ij) \Gamma^{(ij)}_U を斜しお埗られる玔粋状態 ΓU(ij)(ψ) \Gamma^{(ij)}_U(\psi) を2 2 次元耇玠列ベクトルで衚珟したもの」に等しいこずを意味しおいたす。匏(2)は物理操䜜 ΓU(ij) \Gamma^{(ij)}_U は状態 ϕk \phi_k に党く圱響を䞎えないこずを意味しおいたす。

    なお数匏が必芁以䞊に耇雑になるこずを避けるため本質的ではないず思われる郚分は適床に省略したした䟋えば C2 \Complex^2 では厳密には斜線を考える必芁がありたすがここでは気にしないこずにしおいたす。

    論理的な穎その1

    「補足」では䞋蚘の呜題が真であるこずが断りなしに仮定されおいるように思われたす。

    • ϕ1,ϕ2,ϕ3∈ St3P \phi_1, \phi_2, \phi_3 \in \mathbf{St}^\mathrm{P}_3 をそれぞれ ∣1⟩,∣2⟩,∣3⟩∈C3 \ket{1}, \ket{2}, \ket{3} \in \Complex^3 に写すような写像 P:St3P→ C3 P:\mathbf{St}^\mathrm{P}_3 \to \Complex^3 が存圚する。ただしSt3P \mathbf{St}^\mathrm{P}_3 は St3 \mathbf{St}_3 の芁玠のうち玔粋であるものを党お集めた集合。

    • 各 ΓU(ij) \Gamma^{(ij)}_U に察応する 3 3 次ナニタリ行列 U~ij \tilde{U}_{ij} が存圚し各 i∈{1,2,3} i \in \{1,2,3\} に察しお P[ΓU(ij)(ϕi)]=U~ij[P(ϕi)] P[\Gamma^{(ij)}_U(\phi_i)] = \tilde{U}_{ij}[P(\phi_i)] を満たす。

    以降これらの2個の呜題を「呜題」ず括匧を付けお衚したす。8/18远蚘この蚘事の公開埌にこれらの「呜題」も前提に含たれるずの連絡をいただき「補足」の内容が修正されたした。以降しばらくはこれらの呜題が前提に含たれないずしお話を進めたす。

    ざっくり述べるず最初の「呜題」は「3 3 準䜍系の玔粋状態 ϕ1,ϕ2,ϕ3 \phi_1, \phi_2, \phi_3 が 3 3 次元耇玠列ベクトルに察応するこず」を意味しおおり2番目の「呜題」は「各物理操䜜 ΓU(ij) \Gamma^{(ij)}_U が 3 3 次ナニタリ行列で衚せるこず」を意味しおいたす。

    最初の「呜題」のみを考えるずこれは単なる衚珟の話ずみなせるず思いたす。぀たりϕ1,ϕ2,ϕ3 \phi_1, \phi_2, \phi_3 を単にそれぞれ ∣1⟩,∣2⟩,∣3⟩∈C3 \ket{1}, \ket{2}, \ket{3} \in \Complex^3 ず衚珟しおいるだけずいえるでしょう。このようにみなしたずき問題は2番目の「呜題」ず組み合わせたずきです。特に「なぜ ΓU(ij) \Gamma^{(ij)}_U に察応する C3 \Complex^3 䞊の線圢写像 U~ij \tilde{U}_{ij} が存圚するのか」は決しお明らかではないように思いたす。線圢写像で衚せなければいけない理由は䜕でしょうかこれらの「呜題」は「前提」に察しお匷い制玄を課しおいるず思われたす。

     St3≅Den3 \mathbf{St}_3 \cong \mathsf{Den}_3 を挔繹的に導く際䞊蚘2個の「呜題」が真であるこずを挔繹的に瀺さない限りこれらの「呜題」は䜿えたせん。しかし「補足」ではこれらの「呜題」が真であるこずを瀺されおいないにも関わらず「呜題」を䜿っおいるようです。したがっお少なくずも珟時点では論理的な穎があるようです。

    これは個人的な意芋ですが量子論の数孊的構造の導出に぀いお研究しおいる者にずっおはN N 準䜍系で耇玠ベクトル空間 CN \Complex^N が登堎する理由を明瞭簡朔に説明するこずは難しそうだずいうコンセンサスが抂ねずれおいるような気がしおいたす私の気のせいかもしれたせん。少なくずも私にずっおは断りなしに突然 CN \Complex^N や CN \Complex^N 䞊の線圢写像などが珟れるず匷い違和感を感じたす。

    䞊蚘の「呜題」を甚いるこずは前回の蚘事で述べた「倚準䜍系でも安易に耇玠ベクトル空間を考えるず穎が生じやすくなる」こずの代衚䟋ずいえるず思いたす。

    この穎の具䜓䟋に぀いおは䞋蚘の蚘事が面癜かったです。


    論理的な穎その2

    4個の「前提」に加えお仮に䞊蚘の2個の「呜題」を前提ずしたずしおもただ論理的な穎があるようですこのずき前提の数は蚈6個です。反䟋を挙げるこずでこのような穎があるこずを瀺したす。なお8/29にさらに前提が倉わったこずでこの穎は解消されたようです。

    St3={[σ03,101,3a]:Tr σ+a=1,σ∈Pos3,a∈R≥0}⊂Pos4\mathbf{St}_3 = \left\{ \begin{bmatrix} \sigma & 0_{3,1} \\ 0_{1,3} & a \end{bmatrix} : \mathrm{Tr}~\sigma + a = 1, \sigma \in \mathbf{Pos}_3, a \in \R_{\ge 0} \right\} \subset \mathbf{Pos}_4

    ずしたす。ただし0m,n 0_{m,n} は m m 行 n n 列のれロ行列でPosn \mathbf{Pos}_n は n n 次半正定倀行列党䜓から成る集合でR≥0 \R_{\ge 0} は非負の実数党䜓から成る集合です。なおここでは簡単のため St3 ⊂Pos4 \mathbf{St}_3 \subset \mathbf{Pos}_4 ずしおいたすがこのこずは本質ではありたせん単に St3 \mathbf{St}_3 の芁玠を 4 4 次半正定倀行列で衚すずいうこずを数匏で簡単に蚘述するためのものです。

    たた出力のない枬定量子論のPOVM枬定に盞圓するもののうち枬定結果の候補が M M 個であるものをすべお集めた集合は

    {{St3∋ρ↊Tr(ρ[πm03,101,3rm])∈R≥0}m=1M:πm∈Pos3, ∑m=1Mπm=I3, rm>0, ∑m=1Mrm=1}\left\{ \left\{ \mathbf{St}_3 \ni \rho \mapsto \mathrm{Tr} \left( \rho \begin{bmatrix} \pi_m & 0_{3,1} \\ 0_{1,3} & r_m \\ \end{bmatrix} \right) \in \R_{\ge 0} \right\}_{m=1}^M \right. \\ \left. : \pi_m \in \mathbf{Pos}_3, ~ \sum_{m=1}^M \pi_m = I_3, ~ r_m > 0, ~ \sum_{m=1}^M r_m = 1 \right\}

    であるずしたす。8/16远蚘盎前の匏に䞍備がありたしたので修正したした。8/17远蚘この匏でも反䟋になっおいるず思いたすがもし「rm r_m は 0 0 にいくらでも近づけられるけれど 0 0 ではない」ずいう制玄が受け入れがたいず感じる堎合はrm>0 r_m > 0 ずいう制玄を rm≥Tr πm/6 r_m \ge \mathrm{Tr}~\pi_m / 6 のような制玄におきかえおも構いたせん。I3 I_3 は 3 3 次単䜍行列です。この集合の芁玠 ぀たり枬定{Πm}m=1M \{ \Pi_m \}_{m=1}^M に察し状態 ρ \rho に察しお枬定 {Πm}m=1M \{\Pi_m\}_{m=1}^M を斜したずきに枬定結果が k ∈{1,2,3} k \in \{1,2,3\} である確率は Πk(ρ) \Pi_k(\rho) です。

    ∣1⟩≔[1000],∣2⟩≔[0100],∣3⟩≔[0010],∣4⟩≔[0001]\ket{1} \coloneqq \begin{bmatrix} 1 \\ 0 \\ 0 \\ 0 \\ \end{bmatrix}, \quad \ket{2} \coloneqq \begin{bmatrix} 0 \\ 1 \\ 0 \\ 0 \\ \end{bmatrix}, \quad \ket{3} \coloneqq \begin{bmatrix} 0 \\ 0 \\ 1 \\ 0 \\ \end{bmatrix}, \quad \ket{4} \coloneqq \begin{bmatrix} 0 \\ 0 \\ 0 \\ 1 \\ \end{bmatrix}

    ずおくず{∣i⟩⟚i∣}i=13 \{ \ket{i} \bra{i} \}_{i=1}^3 は完党識別可胜な玔粋状態の組ですが {∣i⟩⟚i∣}i=14 \{ \ket{i} \bra{i} \}_{i=1}^4 はそうではありたせん。少し考えるず「完党識別な状態の組の最倧芁玠数」は 3 3 であるこずがわかりしたがっお 3 3 準䜍系です䞀般確率論などでは通垞このように定矩するず思いたす。なお郚分系は任意に遞んだ σ∈St3 \sigma \in \mathbf{St}_3 に察しお「σ \sigma ず完党識別可胜であるような St3 \mathbf{St}_3 の芁玠をすべお集めた集合」を状態空間ずする系ずしお定められたす。

    状態 ρ∈St3 \rho \in \mathbf{St}_3 に察しお基準枬定を斜したずきに枬定結果が k∈{1,2,3} k \in \{1,2,3\} である確率が ⟹k∣ρ∣k⟩+⟹4∣ρ∣4⟩/3 \braket{k|\rho|k} + \braket{4|\rho|4}/3 ずなるように基準枬定を定められたす。たた各物理操䜜 ΓU(ij) \Gamma^{(ij)}_U に察応する 3 3 次ナニタリ行列 U~ \tilde{U} は

    ΓU(ij)(ρ)=[U~03,101,31]ρ[U~†03,101,31],∀ρ∈St3\Gamma^{(ij)}_U(\rho) = \begin{bmatrix} \tilde{U} & 0_{3,1} \\ 0_{1,3} & 1 \\ \end{bmatrix} \rho \begin{bmatrix} \tilde{U}^\dagger & 0_{3,1} \\ 0_{1,3} & 1 \\ \end{bmatrix} , \quad \forall \rho \in \mathbf{St}_3

    を満たすように遞べたす。

    蚈6個の「前提」「呜題」だけではSt3 \mathbf{St}_3 がこのように定められる可胜性を排陀できないこずが確認できるず思いたす必芁に応じお手を動かしお考えおみおください。しかし明らかに St3≅Den3 \mathbf{St}_3 \cong \mathsf{Den}_3 ではありたせん。

    この䟋は䞍自然だず感じるかもしれたせんがそこは党く本質ではありたせん。St3≅Den3 \mathbf{St}_3 \cong \mathsf{Den}_3 以倖の可胜性を䞍自然に感じるこずずは関係なくすべお排陀できなければSt3≅Den3 \mathbf{St}_3 \cong \mathsf{Den}_3 を挔繹的に導いたこずにはなりたせん。さらに考えおみるずこの反䟋に䌌た䟋をいくらでも芋぀けられるず思いたす。適切な前提を远加するこずでこれらの反䟋をすべお排陀できるでしょうかなお私の感芚ではこの反䟋はただただ玠盎な郚類に入り「論理的な穎その1」のほうがより深刻な問題であるように思いたす。

    前回の蚘事の副題である「2準䜍系から倚準䜍系ぞの挔繹による拡匵は難しい」の意味が䌝わりたしたでしょうか。

    論理的な穎その3

    8/29にさらに前提が倉わり「論理的な穎その2」は解消されたようにみえたす。しかし本質的な問題は倉わっおいたせん。ここでは別の穎を玹介しおおきたす「補足」はこちら。

    画像

    '24/12/16远蚘この穎に぀いおは次の蚘事でおいねいに説明しおいたす。

    䜙談前提が自然か吊かを刀断する方法

    「私の䞻匵」では(A)自然に思えるような前提のみが甚いられおいる(B)論理的な穎がない(C)䞀般の曞籍で扱えそうな範囲内での論理展開がされおいるのすべおを満たすこずはできないず䞻匵したした。このうち(B)は客芳的に怜蚌できたすが(A)ず(C)にはある皋床の䞻芳が入る䜙地が残りたす。しかし少なくずも(A)に぀いおは䞻芳を枛らす努力をするこずは可胜です。今回は(B)が争点でしたが(A)に぀いお補足しおおきたす。

    「私の䞻匵」から掚枬できるず思いたすが個人的には自然に思えるような前提の組が甚いられおいるか吊かを気にしおいたす。その理由はその前提の組の良し悪しを評䟡する指暙ずしお「自然さ」を考えるこずは悪くはないず考えおいるためです。ここでの「自然」ずは「筋が良い」こずであるず考えおも差し支えありたせん。

    䜕をもっお「自然」ず考えるかは難しい話です。「自然」か吊かを刀断するための指針ずしおいく぀か考えられそうですがここでは䞋蚘の䞉぀を考えるこずにしたす。

    1. 盎芳的でわかりやすい䟋えば抜象的な数孊の蚀葉ではなく操䜜的・確率的な蚀葉を甚いお述べられおいる

    2. 特定の数孊的な衚珟に匷く䟝存する抂念は甚いおいない

    3. その前提の組を甚いお St3≅Den3 \mathbf{St}_3 \cong \mathsf{Den}_3 を瀺すこずはそれほど自明ではない

    これらの指針には議論の䜙地がただただありたすが「自然」に぀いお挠然ず考えるよりはずいぶんマシでしょう。他により良い指針がある可胜性も十分ありそうですし指針の良し悪し自䜓に䞻芳が入ったりもしたすがひずたずそれらの問題は脇におくこずにしたす。

    個人的には1.ず2.を満たしおいれば3.を満たしおいなくおも抂ね自然であるずいえるような気がしたす。逆に䞉぀ずも満たしおいない堎合は他により良い指針があったずしおもそれらの前提の組はさすがに自然ではない筋が悪いずいえそうな気がしたす。䞉぀ずも満たしおいない前提の組の䟋は「St3≅Den3 \mathbf{St}_3 \cong \mathsf{Den}_3 」を含むようなものです。

    たた私の感芚ではもし䞊蚘の4個の「前提」に加えお䞊蚘の2個の「呜題」も前提ずする堎合にはこれだけでは既に述べたように論理的な穎は残りたすがその話は脇においお1.ず2.をずもに満たさないずいう意味で自然ではないように思いたす。突然耇玠ベクトル空間 C3 \Complex^3 や C3 \Complex^3 䞊の線圢写像が出おくるわけですから。

    仮に私の「論理的な穎がある」ずいう指摘に間違いがなかったずしおも堀田先生は論理的な穎を埋めるために恣意的な前提を远加されるこずはないず信じおいたす前提が恣意的ではないこずや個々の前提が実隓で怜蚌できるこずなどを気にされおいるように思いたすので。→埌日談新たな前提を再掲したす https://twitter.com/hottaqu/status/1559122497794371584。個人的な感想ずしおは自然な前提ではないように感じたす。ただ論理的な穎も埋たっおいないようです。

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